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 りっとうの景観を語る
*ふるさと風景〜わがまち栗東〜を百年先の次代へと継承するため、「景観条例」「百年計画」を制定しました。
「すだじい」は、団栗の一種。団結する栗東市民を意味します。
 
第18回寄稿 磯貝 豊明

六地蔵自治会長

◎今こそ大切にこの文化遺産を後世に伝えたい

歴史文化の香りが馥郁と漂うわが六地蔵は、旧東海道の間の宿として栄え、名所旧跡が数多く点在しています。
 古くは東海道を行き交う旅人、その人々を相手にした商家が今も多く残っており、いまだにわたしたちは隣近所を呼ぶとき昔の屋号や商い品の種類などで呼んでいます。例えばローソク屋さん、下駄屋さん、指物屋さん、傘やさん、京やさん、蔦やさん、酒屋だった鈴鹿川さんなどです。
 また春秋のお彼岸には道をいっぱいにして行き交う善光寺参りの善男善女、子どもたちでずいぶんにぎわったものです。
 錦秋には六地蔵山にたくさん出るマツタケ狩りを楽しみに、手原駅で乗り降りする京阪神からのお客さまで大変にぎやかなものでした。そして終戦間もなくには関東から京都や大阪 に進駐する連合軍の銃剣を持った兵士、装甲車、戦車など何百人の軍の行進もあり、その後もアメリカ軍のトラックや四輪駆動車が砂ぼこりを立てながら毎日行き交う街道でした。
 昭和27年に開通した今の国道1号線のおかげでその役割に終止符が打たれ、今はひっそりと歴史街道として案内ブックを片手に重要文化財の旧和中散本舗(庭は小堀遠州作と伝えられる日向山を借景にした見事な庭園です)や国宝の地蔵尊を祀る法界寺、その昔高野造の邸宅跡と伝えられる福正寺の大きな伽藍、また昔の面影を残した旧家が立ち並ぶ街道筋、そして戦国時代に築城され、今も石垣が残る多喜山城跡を巡る人々が行き交っています。
 わたしたちは先人の残してくれたこの素晴らしい歴史文化を甘受するだけではなく、その遺産を大切に保存し、その上に新たな歴史をつくりながら、次の時代に継承し、後世に今この時代に生きているわたしたちの心意気を大事に伝えていきたいものです。
 六地蔵に住まいすることの素晴らしさをもう一度思い返して、今わたしたちは何をすべきか、どのような行動を取ってこの歴史街道を後世に伝えるべきかを考える時ではなかろうかと思うものです。

問合せ
都市計画課 TEL551-0116 FAX.552-7000
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