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 「これからわたしの親も介護が必要になるんやろうか…」「わたしの親も介護が必要になったらどうしたらいいんかな?」「どこの誰に相談したらいいのかな?」と思ったことはありませんか?
 これからいずれやってくる「介護」のためにも、まずは知ることから。それでは、ヨシエさんの家庭を少しのぞいてみましょう…。
〜第1章 介護保険〜
 78歳になるタロウさんは一人暮らしをしています。娘であるヨシエさん(56歳)は近隣市に住んでおり、夫のヒロシさんと週に1回程度タロウさんの様子を見に行っていました。しかしそんなある日、タロウさんが畑仕事中に転倒し、腰を痛めてしまいました。
 それからというもの、ヨシエさんは毎日のようにタロウさんの介護に奮闘していましたが、家族の用事などがあると、なかなかタロウさんの家に行くことができません。
 「家の用事もあるし、施設とか病院とか、お父さんのことをどこか預かってくれる場所はないかしら…」と思っているヨシエさん。しかし、畑仕事が生きがいのタロウさんは「自分の家で過ごして、畑仕事を続けたい!」と思っているようで、両者の思いには食い違いがあるようです。
 ヨシエさんはこのことをヒロシさんに相談し、ヒロシさんの提案により家族会議をすることに。それぞれの思いを話し合った結果、「介護保険って聞いたことあるけど、どうしたら使えるんかな」との話題があ がり、介護保険の話を聞きに行ってみることになりました。そして、市役所で介護保険について話を聞き、介護保険の申請をすることになりました。
介護保険とは?
 お手伝いが必要になった人が「要介護認定」を受けて、できる限り自宅で自立した生活を送れるようにサービスを利用する制度です。
(サービス利用までの流れ)
介護保険(要介護認定)の申請
市役所の窓口(介護保険係)に申請をします。
訪問調査

主治医意見書
審査
認定
サービスの利用
ケアマネジャー(ケアサービスの調整・管理を行う者)と相談して、サービスの内容を決めます。
問合せ
長寿福祉課 介護保険係 TEL.551-0281 FAX.552-9320
〜第2章 認知症〜
 介護保険の要介護認定を受け、ホームヘルプサービスを利用し始めたタロウさん。少しずつヨシエさん夫婦の生活も落ち着きを取り戻しました。タロウさんの腰の調子も良くなってきたようです。
 半年後…
 サービスの内容を見直すために、ケアマネジャー、ヘルパー、タロウさん、ヨシエさん、ヒロシさんでこれからの生活についての話し合いをしました。そこで、こんな意見が出たようです。
ヘルパー「畑に行く回数が少なくなってきているような。それにいつも同じ服を着ているみたい。」
ヨシエ「いつも一緒に行っていた買い物も面倒くさがるようになりました。」
ヒロシ「そういえば、同じ事ばっかり言うなぁと思ってたけど…」
ケアマネジャー「ちょっと主治医の先生に相談してみてはどうですか。」
 そこで、普段から受診しているかかりつけの病院に認知症かどうか相談したところ、認知症の専門医を紹介されました。
 認知症は、早期に発見して治療や適切なケアを行えば、症状を軽減したり、悪化をある程度防いだりすることができる病気です。また、他の病気が原因で認知症の症状が出ている場合は、治療によって劇的によくなることもあります。早期発見・治療の大切さは認知症も他の病気も同様です。
〜第3章 介護者の会〜
 専門医を受診した結果、軽度の認知症と診断され、認知症の進行を遅らせる薬を処方されました。
 少しずつ意欲を取り戻したタロウさんは「また楽しく畑仕事ができたらいいのにな」という思いをケアマネジャーに話しました。話し合った結果、一人で畑仕事をするのは心配、ということでデイサービスの 利用を考えることになりました。畑のあるデイサービスを体験利用したタロウさんは、デイサービスを大変気に入り続けて利用することに。
 そんなある日、ヨシエさんはタロウさんのデイサービスでの様子を見に行き、そこで「介護者の会」があることを知りました。ヨシエさんは、タロウさんのことで相談相手が欲しいと思っていたところでした。
介護者の会
ひとりで悩んでいませんか? 介護で疲れていませんか?
「家族の会」で、語り合える「仲間」を見つけませんか?
栗東市介護者の会
事務局
電話
FAX
受付時間
:栗東市社会福祉協議会内
:077-554-6105
:077-554-6106
:月〜金 8:30〜17:15
(社)認知症の人と家族の会 滋賀県支部
事務局
電話
フリーダイヤル
FAX
受付時間
:滋賀県長寿社会福祉センター内
:077-567-4565
:0120-294-473
:077-567-4565
:月・水・金 10:00〜15:00
   (介護経験者が電話に対応します)
〜第4章 金銭管理〜
 ヨシエさんは介護者の会に参加するように。そこで、介護者の会の仲間にヒロシさんと協力しながら介護をがんばっていることをねぎらってもらい、少し気持ちが晴れました。しかしヨシエさんの心配は尽きません。今はタロウさんの認知症も軽いのでお金の管理もできますが、これから先、タロウさんの認知症が進んだときにお金の管理は誰がしてくれるのか心配です。
 そんなことを介護者の会の仲間に話すと、「あなたたち夫婦だけでがんばらなくてもいいのよ。ヨシエさん、ごきょうだいはいるの? ごきょうだいがいるなら今の様子を話して、お父さんのこれからのことを 一緒に考えてもらったらどうかしら?」とアドバイスをもらいました。
 ヨシエさんとヒロシさんは早速きょうだいに相談しました。そこでの話し合いで、やはり今後のタロウさんのお金の管理が心配という話になり、再び市役所に相談。日常生活自立支援事業や成年後見制度の説明を受けました。
日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)
 判断能力の不十分な高齢者などに代わって、生活支援員が福祉サービスの申し込みや契約の代行、預貯金の出し入れ、税金や公共料金などの支払い代行、年金証書や通帳・実印などの保管を行います。
問合せ・申込み…栗東市社会福祉協議会 TEL.554- 6105 FAX.554- 6106
成年後見制度
 認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力が不十分な人が、不動産や預貯金などの財産を管理したり、介護サービスや施設への入所に関する契約をしたり、遺産分割の協議をしたりする必要がある場合に、これらの人を法律的に保護し支えるための制度です。
申し立て手続きに関する案内…大津家庭裁判所 TEL.522- 4281
または市役所 長寿福祉課 地域包括支援センター TEL.551-0285 FAX.551-0548
●おわりに…
 ヨシエさん家族のお話はいかがでしたか? ここで、少しポイントを押さえながら話を振り返りましょう。
■それぞれの思いを大切に
 タロウさん、ヨシエさん、ヒロシさんは何度も家族で話し合ってこれからの生活を考えていました。介護をする側の思いも、介護を受ける側の思いも大切です。それぞれの思いを伝え、お互いの気持ちを尊重し、うまくサービスを使っていきましょう。
■一人で抱え込まない
 ヨシエさんはいろいろな人に相談をしながらタロウさんの介護について考えていました。介護は毎日休みがないもので、一人で抱え込むと負担が重くなってストレスがたまり、それが原因で身体を壊してしまうことも少なくありません。自分はそんなことはしたくないのに、介護の必要な人に対し暴力を振るい暴言を浴びせかけるなど、高齢者虐待につながることもあります。そうならないために一人で抱え込まずに、家族、家族の会、地域包括支援センターなど、周りの人にうまく協力してもらいながら介護をすることが大切です。
■地域包括支援センターの活用
 平成18年4月1日から市役所長寿福祉課内に地域包括支援センターを設置しています。地域包括支援センターでは、高齢の皆さんやその家族、近隣に暮らす人の介護に関する悩みや問題に対応します。タロウ さんの物語では、家族で協力し、それぞれの機関に相談していましたが、「どこに相談するのかわからない」といった場合であっても、問題に応じて適切な機関やサービス、制度につなげる役割も担っていますので、気軽にご相談ください。
※この物語の登場人物は全て架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
問合せ…栗東市役所 長寿福祉課 地域包括支援センター
〒520-3088 栗東市安養寺一丁目13番33号 市役所1階
電話:077−551−0285 FAX:077−551−0548
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