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りっとう再発見 栗東に残る日清戦争
 市内安養寺に所在する東方山安養寺は、平安時代の創建と伝えられる古刹ですが、江戸時代には本尊を安置する堂舎が残るのみとなっていました。貞享2年(1685)、この寺の復興を主導したのは戒山慧堅という真言律宗の僧でした。「戒場本尊三聖像」と題される三幅対(3本組)の掛け軸は、元禄13年(1700)、卓峰道秀という黄檗宗の僧が自ら描き、安養寺へ贈ったものです。
 ここに描かれているのは、真ん中が釈迦如来、向かって右が文殊菩薩・左が弥勒菩薩です。多くの場合、釈迦如来に付き従うのは文殊菩薩と普賢菩薩ですが、ここでは弥勒菩薩が描かれています。また、左右の菩薩は頭を丸めて、あたかもお坊さんのような格好をしているのも特徴的です。このような釈迦三尊像は、授戒の儀式において用いられるもので、そのために「戒場本尊三聖像」と呼ばれています。
 江戸時代仏教のひとつの特徴は、宗派を問わず、戒律(僧侶たちが守るべき生活規範)への関心が強くなったことにあります。とりわけ指導的な役割を担ったのは真言律宗の僧や、中国から新しくやって来た黄檗宗の僧でした。彼らの最も重要な役割は、僧や信者に戒(仏教を学び、関わる上での制約)を授けることにありました。志を同じくする両者は交流を深めていき、このために黄檗宗の僧が制作した「戒場本尊三聖像」が安養寺に伝来することになったのです。また、現在は廃寺となっていますが、かつて大阪にあった真言律宗寺院・神鳳寺にも同様の像容を持つ木造釈迦三尊像があり、やはり黄檗宗の僧が制作に関与しています。
 東方山安養寺所蔵の「戒場本尊三聖像」は、この他に報告される類例が少なく、当時の仏教文化を考える上で貴重な文化財となっています。
※この掛け軸は、7月16日(祝)まで栗東歴史民俗博物館の特集展示「近江の近世 高僧たちの仏教文化」で展示しています。
問合せ
栗東歴史民俗博物館 TEL.554-2733 FAX.554-2755

◆今後の掲載予定
りっとう再発見…9、10、12、1、3月号
すだじいの百年日記…8、11、2月号

《葉山小学校》「くりちゃん元気いっぱい運動で元気な毎日!」
 夏休みや冬休みの後に自分の生活リズムを見つめ直す週間を設け、カードを使って2週間の自分の生活を振り返る取り組みを継続しています。特に、ゲームやテレビの時間が長くなりすぎないようにすることや望ましい睡眠時間を知らせ、おうちの人と相談しながら「起床・就寝時刻」「テレビなどの時間」を設定するよう声掛けをしています。また、季節に応じて、「手洗い・うがい」「歯磨き」などの項目を入れたり、保健室の掲示を工夫したりして、子どもたちの基本的な生活習慣の定着に向けた取り組みを進めています。
問合せ
学校教育課 TEL.551-0130 FAX.551-0149
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