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いざという時、「共助」の力
 災害時には、まずは自分の命や財産を自分で守る「自助」が基本です。しかし、自分一人では対応できない状態になったとき頼ることができるのが、地域の助け合いである「共助」。救出活動も消火活動も、早く始めるほど、また、多くの人が参加するほど、被害を小さく抑えることができます。今月は、市内の「共助」を強くするための取り組みを紹介します。
 災害はいつ襲ってくるか分かりません。市が甚大な被害を受けた平成25年の台風18号から2年。今、地域の備えは万全ですか。
自治会で防災
一つ一つ積み重ね、高める防災意識 〜目川自治会〜
■防災リーダーのもと強い防災組織に
 平成25年の台風18号で、大きな被害を受けた目川自治会。浸水や構造物損壊などで、790世帯2,155人に避難勧告が出されました。現在、災害に強い自治会に向けての取り組みが進んでいます。
 「昨年度、自治会長をしていた時に、自主防災リーダー研修などに参加しました。特に自主的に参加した東近江市の消防学校で行われた研修では、災害被害を経験した県内の自治会とともに学びました。危険箇所の確認、災害図上訓練(DIG)、避難所訓練(HUG)などで、より防災意識が高まりました。また、市主催の防災士講座も受講し、防災士の資格を得ました。研修などにより、何をすべきかが分かるので、学んだことを自治会の皆さんに伝えていきたいです。今後、市内の防災士が集い、情報交換できるような場があればと思います」と語る、前自治会長の鎌田寛さん。
 自治会では、昨年度から自主防災組織の体制が見直され、本年度新たに防災リーダーが誕生。防災リーダーとなった鎌田さんをはじめ3人が防災の中心となる構成とし、役員が変わっても中心メンバーは変わらない、より強い防災組織となりました。
■積み重ねにより、住民の防災意識を向上
 6月26日は、防災研修として、福祉活動が防災活動にもつながっている、東近江市桜ヶ丘自治会を訪問。「桜ヶ丘自治会は公園が一次避難場所と安否確認場所になっており、看板も設置されています。市が指定する大きな避難場所は避難生活の場所で、災害時には、まずは危険を回避するために一時的に避難する身近な場所が必要になります。目川自治会の人口は約2,500人。小規模な公園が8つしかなく、一次避難場所とするには面積が少なすぎます。このため、自治会内の企業に協力いただき、空き地や駐車場を避難場所として提供していただくことができたらと考えています。その後、実際に避難訓練ができれば」と語る鎌田さんと、自治会長の上田正和さん。現在、同報系防災無線をより聞こえやすくするため、公園内に無線子局(スピーカー)の設置も計画されています。
 今後の課題として「自治会独自の一次避難場所を設定するほかに、集合住宅が増え、自治会では住民の皆さん全員を把握することが難しいので、集合住宅の中に防災リーダーになる人がいてくださればと思います。災害時は自治会が主になって動く必要がありますが、いきなりすべてはできません。一つ一つを積み重ねていくことで、一人ひとりの防災意識を高めていただき、災害に強い自治会づくりができれば」と語る二人。地域課題を踏まえた着実な取り組みが続いています。
支援が必要な人を地域みんなで助ける「栗東市災害時避難行動要支援者登録制度」
■「栗東市災害時避難行動要支援者登録制度」とは
 災害が起きたときに自力で避難することが困難な一人暮らしの高齢者や障がい者(要支援者)などにあらかじめ登録していただき、その情報をもとに地域の皆さん(支援者・関係機関)で情報を共有し、情報伝達や避難誘導などを迅速・的確にできるような体制を整える制度です。
 対象となる人には郵送や個別に案内しています。
■要支援者登録台帳に登録されたら
 地域支援者、自主防災組織、自治会、民生委員、社会福祉協議会、警察および消防署に対象者の情報が提供されます。地域では提供された名簿などにより、災害時の避難支援や安否確認が行われます。また、災害時以外にも防災訓練や平常時からの見守り活動に活用されます。
■対象者

@75歳以上で一人暮らしの高齢者または高齢者のみで構成される世帯に属する人

A介護保険の要介護1以上の認定者

B身体障がい者手帳1・2級

C療養手帳A1・A2

D精神障がい者保険福祉手帳1・2級

E難病患者

F@〜Eに該当せず、災害時に自ら避難することが困難な人で、支援を要する人(社会福祉課に連絡ください。申請書を送付します)

※在宅の人を対象としています。施設、病院などに長期に入所、入院している人は対象になりません。

■現在の状況
 対象者3,540人のうち登録に同意いただいた人は1,565人で、登録率は44.2%です。
 登録者の情報は、6月以降に支援者、関係機関に提供しています。情報をもとに災害時の対応や、日頃の見守りなどに役立てていただきます。
○○避難行動要支援者に登録する人へ○○
 災害時には、要支援者が必要な支援を受けられるように、お住まいの地域の地域支援者・自主防災組織・自治会・民生委員・消防団が関わりますが、災害時は、何が起こるか分かりません。この制度に登録しても、地域の支援者自身が被災するなどして、要支援者を助けられない場合もあります。
 支援を希望する人も、災害には日頃からできる限りの備えをしてくださいますようお願いします。
問合せ
社会福祉課 社会福祉係 TEL.551-0118 FAX.553-3678
女性目線で防災
女性の意見を反映した避難所運営 〜きらめきRitto〜
■女性目線での避難所運営訓練
 平成26年11月22日、男女共同参画社会の実現に向け活動する、きらめきRitto実行委員会が「女性目線での避難所運営訓練」を開催しました。
 「避難所での意思決定は主に男性主導で行われてきたことが多いようです。しかし、避難所のトイレは暗く不安で行きづらかった、物資の配布には男性が多く、特に衛生用品の調達はもらいづらかった、授乳時に周囲への気遣いでより気疲れしたなどの東日本大震災時の声をいかしたくて、女性目線での防災訓練をやってみようと取り組みました。企画の立案、話し合い、準備などできるだけ女性ならではの視点をいかしました」と語る、きらめきRitto実行委員長の桑田悦子さん。当日の訓練には、男女40数人が参加しました。
■女性の視点から、よりよい避難所運営を考える機会に
 訓練では、女性消防士による講演と防災体験が行われました。避難所設営訓練では、段ボールを使って生活スペースを作りました。また、避難所運営ワークショップでは、グループごとに救護班、環境衛生班などに分かれて避難所のルールや生活の工夫を考え、よりよい役割分担を発表しました。
 「男性にとっては取るに足らないようなことでも、女性にとっては大きなストレスになることがあります。着替えや授乳などは少し囲ってもらうだけでも、プライバシーが確保できます。男性も今回の訓練で、新しい気付きがあったのではないでしょうか」と語る桑田さん。
 男女が協力し合い、互いの負担を少しでも軽減できる避難所運営を考える大きな機会となりました。
子ども目線で防災
栗東市初の防災塾 〜治田学区〜
■発見と感動の連続
 平成27年2月15日、本市が治田学区地域振興協議会、栗東市消防団、湖南広域消防局中消防署との共催により、「防災塾in治田」を開催しました。
 防災塾には、治田小学校の4〜6年生22人が参加。コミュニティセンター治田・治田小学校で、応急救護技術の習得、紙食器づくり、ロープの結束方法の学習、救出訓練などを行いました。
 「子どもたちにとっては、体験一つ一つが発見と感動の連続だったようです。毛布と物干し竿で担架が作れると分かった時は驚きの声が上がりました。また、実際に消防士の服に身を包み、消防車に乗ったり、訓練する貴重な体験ができ、帰る時の子どもたちの表情は本当にいきいきとしていました」と語る、コミュニティセンター治田の谷村ひさみセンター長。子どもたちが充実した内容で災害時の実践的な知識と技術を学びました。
■防災塾が多くのことにつながる
 「防災塾で子どもたちは人の命を救うことを学びました。AEDの学習では、実際、治田小学校ではどこにAEDが置いてあるかという話題にもなりました。訓練は班単位でしたので、学年が違う子どもたち同士が交流し、縦のつながりもできたことと思います。この出来事を子どもたちから聞いた保護者が防災を考えるきっかけにもなったのではないでしょうか」と谷村センター長。
 今回の体験から「将来は消防士になりたい!」という声もあがっているという防災塾は、今年も治田学区で11月28日に開催される予定です。
さらなる「安全・安心なまちづくり」に取り組んでいます
■平成25年台風18号被害の復旧状況

安養寺山…滋賀県により復旧工事を実施中。全13か所のうち9か所が完了し、3か所が施工中。残り1か所は対策工の検討中。

金勝山林道…林道の被災箇所61か所中、49か所を完了し、本年度は残る12か所を復旧予定。

御園地先…急傾斜地対策事業として、滋賀県により1か所を施工中。その他の箇所は復旧済。

■同報系防災無線の改善
 「聞こえにくい」との声を受け、昨年度、音達状況の調査を実施。聞こえにくい地域があることから、本年度は、災害リスクを考慮し、市内2地区に無線子局(スピーカー)を設置する予定です。
■防災士の育成・避難所用災害トイレの設置
 地域防災力を高めるために、専門的な知識を取得した防災リーダーの育成に努めています。平成26年度〜28年度の3年で150人の防災士を養成します。
 平成26年度は47人の防災士が新たに誕生し、各自治会で活躍いただいています。本年度も50人の防災士の育成を目指し、平成28年2月に防災士養成講座を計画しています。
 また、新たに広域避難所となっている小学校に避難所用災害トイレの設置に取り組んでいます。本年度は4か所に設置予定です。
問合せ…危機管理課 総合防災・危機管理係 TEL.551-0109 FAX.551-0149
■非常災害用井戸に登録ください
 対象者3,540人のうち登録に同意いただいた人は1,565人で、登録率は44.2%です。
 登録者の情報は、6月以降に支援者、関係機関に提供しています。情報をもとに災害時の対応や、日頃の見守りなどに役立てていただきます。
学 区 登録数
治 田
治田東
治田西
葉 山 10
葉山東
金 勝 16
大 宝
大宝西
大宝東
47
問合せ…上下水道課 浄水係 TEL.551-0134 FAX.554-3866
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