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 市内の道路や公園などの公共空間を彩る美しい花々。今月は、「花と緑」をキーワードに潤いのある地域をつくろうと取り組む活動の一部を紹介します。地域の思いが込められた活動は、住民の交流や魅力発信にもつながり、栗東のまちを豊かにしています。
ガーデニングが住民同士の交流につながる 〜下戸山グリーンハイツ「花和会」〜
■花と緑のガーデン事業」を活用し、美しい地域づくり
 下戸山グリーンハイツにある西公園には、四季折々の花が美しく咲き誇っています。雑草が生い茂っていた花壇を潤いある空間に変えたのは、「花和会」の皆さん。
 「子ども会で作った花壇が雑草であふれていたのが気になっていました。そんな時、都市計画課で募集していた『花と緑のガーデン事業』を知り、やってみようと思い、応募しました。都合のつく人が集まり、花の世話をきっかけに、人と人とのつながりが深いものになり、その和が大きくなればと、『花和会』を立ち上げ、ボランティアを募集しました」と語る世話人の今村勇さん。
 こうして集まったメンバーは、どのような花壇を作るか都市計画課やガーデニング講師とともに話し合い、イメージを共有。平成26年11月、「ガーデニング講座」が開かれ、色合い・バランス・肥料や水をやるタイミングなど、講師のアドバイスを受けながら花の植え付けをしました。定期的な活動により、今では、花壇は色とりどりの花であふれています。
■ガーデニングで交流し、地域の絆を深める
 現在のメンバーは17人。毎月第1土曜日に集まっています。5月7日は、マリーゴールドの苗を花壇に、ルドベキアの苗を金勝川(山田川)の堤防沿いに植えるなど、約1時間30分、汗を流しました。活動後は毎回、ティータイムが設けられ、親ぼくを深めています。
 「引っ越して来て、知り合いがいませんでしたが、ここでいろんな人と知り合うことができました」「花の世話だけでなく、お花見、忘年会などもあり、いつも楽しく活動しています」「子どもと一緒に参加しています。地域には子どもが少ないのですが、ここで皆さんにあたたかく見守り、育てていただいています」と語るメンバーの皆さん。
 「ガーデニング活動は住民が交流するための手段の一つです。活動で地域が美しくなるとともに、住民の絆も深まり、一石二鳥です」と今村さん。「花和会」の名前どおり、花をとおして、地域の和が広がっています。
潤いのある景観まちづくり」にともに取り組みませんか
 市では、「花と緑のガーデン事業」を実施しています。自主的な花と緑の活動が活発に継続していくように、ガーデニング講座を開催することで皆さんを支援します。ガーデニングの講師も交えて皆さんと相談し、工夫しながら開催しますので、まずはご応募ください。
■地域でこのように実践されています
 人通りの多い道沿いで草が生い茂り困っていた場所を季節の花とハーブのある花壇に。みんなで楽しみながら管理できるようになりました。
 広くて管理が大変な花壇の半分を植え替えなしの植栽に変え、手間を減らせるように。
一緒に花の苗を植えることで、子どもたちにも親しみを持ってもらえるようになりました。
 川沿いの土手を、四季を通じて花が楽しめる花壇に。草に埋もれていたアジサイも楽しめるようになりました。
■「花と緑のガーデン事業」市民グループ募集
対象…自主的な活動を実践している、実践しようとしている市民グループ、自治会など
開催期間…平成28年8月〜平成29年2月
対象場所…市内(道路、公園の空地など)

費用…ガーデニング講座開催に伴う専門家派遣、草花・樹木代・肥料・土壌改良の費用は予算範囲内で市が負担します。

※個人が持ち帰る場合は、自己負担となります。
受付期間…6月1日(水)〜30日(木)まで(審査により実施団体を2団体以内で決定します)
問合せ…都市計画課 景観・まちづくり係 TEL.551-0116 FAX.552-7000
美しい花々で里山の魅力をさらに高める 〜金勝学区地域振興協議会〜
■「心のふるさと金勝」にふさわしい地域づくり
 豊かな自然に囲まれた金勝地域。恵まれた自然環境を生かし、「地域の公園や市道などにスイセンやコスモスを植え、緑豊かな田園風景と里山の原風景に合う花を咲かせ、『心のふるさと金勝』にふさわしい地域づくりをしよう」と、平成26年度から地域振興協議会が「金勝里山魅力づくり事業」を展開。社会貢献活動の活性化を目指す、本市の元気創造まちづくり事業の一つとして行われ、現在3年目を迎えています。
■新しい名所「コスモス街道」「スイセン街道」を目指して
 取組みは、自治会長4人で構成される実行委員会を中心に、18自治会が連携して実施しています。
 昨年度は、7月にコスモスの種、10月にスイセンの球根を各自治会に配布。金勝山ハイキングコースの入口や金勝寺などの観光名所にもそれらを植えました。自治会などの独自の取組みと合わせ、花壇や道路沿いなどに春はスイセン、秋はコスモスを中心に、美しい花々が咲き誇りました。また、金勝産の間伐材を活用して花壇を作製し、コミュニティセンター金勝など3か所の公共スペースに設置。植えられたスイセンが利用者の癒やしにつながりました。
 実行委員長の澤九麻男さんは次のように語ります。「地域には金勝寺などの素晴らしい歴史遺産やハイキングコースがあり、市外から多くの人が来てくださいます。先進地も視察し、春・秋の行楽シーズンに金勝を訪れる人に楽しんでいただこうとスイセンとコスモスを選びました。子どもから高齢者までが地域一帯で取り組むことにより、環境への関心や地域の愛着につながればと思います。
 活動により、地域内のごみも減少しました。将来は、『金勝といえば、コスモス街道、スイセン街道』と言われる、新たな観光名所づくりを目指します。花をキーワードに、特色ある地域づくりと交流が進めばと考えています」。 美しい里山に大きな夢が描かれています。
まちの玄関口、JR栗東駅周辺に彩り 〜大宝学区地域振興協議会〜
■栗東市を訪れる人に地域の魅力を伝える
 大宝学区の皆さんが日常的に利用する、JR栗東駅。「駅周辺をいつまでも快適な空間として保持し、住民の環境美化に対する意識を高めよう。また、市民をはじめ、本市を訪れる人にこの地域の魅力を伝えよう」と、平成27年度から地域振興協議会により「栗東駅周辺環境美化事業」が開始。「金勝里山魅力づくり事業」と同様、元気創造まちづくり事業の一つとして行われ、2年目を迎えています。
■花が持つ、人の心を和ませる力で笑顔や交流が広がる
 取組みは、約20人で構成されるプロジェクトチームメンバーを中心に実施。毎月第2土曜日に集合し、栗東駅東口の環境美化活動をしています。
 昨年度は、7月にプランターにジニアを植え、駅の噴水周辺に設置。12月にパンジーに植え替え、季節の花を楽しんでもらえるようにしました。また、滝形状となっている壁面に、夏は琉球アサガオ、冬はパンジーのプランターを設置。水に代わり、花で滝を演出しました。水やりや清掃も定期的に行い、駅前が住民の力で美しい環境に保たれています。
 「栗東駅はまちの玄関口でもあります。ここに降りた人に、美しい駅だという印象を持っていただけるような魅力ある地域づくりができればと取り組んでいます。それは、栗東のまち全体の美しいイメージにもつながります。無理なく、楽しいことを第一に活動し、ミーティングも重ねています。
 始めは苦労もありましたが、駅前を歩く人が『きれいな花を咲かせてくれてありがとう』『ごくろうさま』と声をかけてくださることが励みになっています。ごみやたばこのポイ捨ても減りました。花には人の心を和ませる力があり、花を通じて笑顔や交流が広がります。今後は、よりよいまちづくりのため、市と連携して取り組んでいくことができれば」と語る、代表の吉仲幸子さん。
 地域の皆さんにより、まちの玄関口に潤いがもたらされています。
子どもたちが人権の花「サルビア」を育てる

 市内小学校では、毎年順番に2校がサルビアを育てています。たくさんの花びらが仲良く寄り添いながら咲く姿から、昭和61年に大津地方法務局と滋賀県人権擁護委員連合会が、サルビアを「人権の花」に指定。「命を大切にする思い」「みんなで協力し合う習慣」「相手を思いやる心」を子どもたちに持ってもらおうと、県全体で子どもたちがサルビアを育てる「人権の花運動」が展開されています。本市では、本年度、大宝小学校と治田東小学校で運動が進められています。
〜市内に広がれ!優しい思いやりの心〜

 大宝小学校では、5月9日、5・6年生のボランティア委員会の23人が人権擁護委員から説明を受けた後、プランターに種をまきました。「子どもたちの優しい気持ちを育むとともに、人権の花として地域に広めていってもらうことにつながれば」と語る地域の人権擁護委員・夏見きみ子さん。「サルビアが人権の花だと初めて知りました。これから、みんなで大切に育てたいです」と委員長の中尾優心さん。
 児童により大切に育てられた花は、秋、地域のコミュニティセンターや老人福祉施設などに届けられる予定です。
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