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 このページは、さまざまな分野で活躍されている皆さんを紹介するコーナーです。

大東 真也さん

(23歳・小平井)


 京都精華大学 芸術学部造形学科 立体造形コースを経て、今春から同大学の大学院芸術研究科 博士前期課程 立体造形専攻。
 昨年は、「第71回滋賀県美術展覧会」 立体の部で芸術文化賞(写真右は、受賞作品「海のかたち」)、「第4回藝文京展」で京都市長賞を受賞。若い感性で創作し続けている。

必然にある偶然を表現する、立体造形作家
 ■立体造形を始めたきっかけは?
 趣味で劇団の座長を務めていた父の影響が大きいです。小さな頃から舞台で使うものをつくったり、舞台道具で遊んだりと「つくること」が身近にありました。高校2年生の秋から、芸術大学入学を目指して、画塾に通い、デッサンを始めました。大学のオープンキャンパスで立体造形に出会い、志望しました。
 ■作品に込める思いは?
 ガラス瓶、空調ダクト、塩化ビニルファイルなど日常の中で埋もれがちな素材で作品をつくっています。中でもガラスは実用品である工芸に使われることが多く、芸術の素材として使うことに非常に魅力を感じています。今まで「魂の行方」という統一したタイトルでガラスを使った約30作品を発表してきました。
 写真で手に持っているのは、昨年12月に2週間かけてつくった作品です。ガラス瓶に熱を加えて溶かし、「瓶」という今生きている生活サイクルから逸脱させ、「ガラス」という素材そのものに戻しました。ガラスが溶ける必然性の中にある偶然性の造形美が現れた作品で、見た人それぞれに感じてもらえたらと思います。透け方、透明感の中にある堅さ、素材の強さなど、偶然が重なって作品ができるのもおもしろさの一つです。
 ■今後の夢は?

企画サークルで関わった鯖江市でのまちおこしが原点。
作品一覧は、
https://www.instagram.com/masayadayo000/
 大学に入学当初、福井県鯖江市でアートを使ったまちおこしに関わりました。「大きなものを焼いて作品にしたい」と地域の人とみこしを担ぎ、最後に田んぼでみこしを含め、12時間木材を焼きました。固定観念を打ち砕いたり、熱を加えるイメージが今とつながり、自分の原点のような気がします。海外展示も経験し、卒業作品では、直径3mの窯を手作りして1000本以上のガラス瓶を焼きました。
 もともと家具を作りたかったので、プロダクトデザイン志望でしたが、立体造形に出会い、選択肢が広がりました。今後も出会いや人との関わりを大切に、作品をつくり続けていきたいです。
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