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市民活動 楽しく、長く
共通の思いを持ち、まちの課題や社会問題に取り組む活動は、「元気都市栗東」につながる大きな力。一方で、「メンバーの高齢化や後継者不足で、継続や発展が難しい」という悩みを多くの団体が抱えています。
二つの団体から、市民活動を楽しく、長く続けるためのヒントを探ります。
課題
さらなる発展
栗東ふぁざ〜ず倶楽部
社会貢献にとどまらないバランスよい活動で10年
退職後の人生を楽しく生きがいのあるものに
「退職後の人生を楽しく生きがいのあるものにしよう」と平成19年に結成され、10周年を迎えた栗東ふぁざ〜ず倶楽部。金勝寺の旧跡を周回する遊歩道や「泣き地蔵」へのルート整備など、市の観光振興にも大きく貢献してきました。
老人福祉センター「やすらぎの家」での喫茶ボランティアも活動の一つ。平成25年11月から週4日、12時から14時の間、2人が交代で喫茶を担当しています。
6月7日、職場体験に来ていた栗東西中学校2年生の2人も加わり、利用者の話に耳を傾けながら、居心地のよい空間がつくり出されていました。
「雰囲気がよく、いつもみんなが楽しみにしています。必ず寄ってコーヒーをいただいています」と語るのは利用者の一人、青木ハツさん。
「この前、一生懸命に草刈りをしてくれていたね」という利用者の言葉に笑顔を向けながら、当番の一人、深尾作治さんは、「滋賀レイカディア大学の園芸学科を卒業し、メンバーとなって3年目です。喫茶以外にも庭の手入れをしたり野菜や花を植えたりと、好きで学んだことが生きがいにつながっています。何よりも利用者の『ありがとう』の言葉がうれしいです」と語ります。
やすらぎの家を一緒に盛り上げるパートナー
メンバーが関わるのは喫茶だけではありません。花壇や庭の手入れ、音楽演奏、電子紙芝居や撮影した動画の上演など、それぞれの特技をいかし、幅広く活躍中です。
「ふぁざ〜ず倶楽部の皆さんは、やすらぎの家を一緒に盛り上げてくれるパートナーです。皆さんがいることで、利用者の出会いも広がります」と語る、職員の一人。施設にとって、ふぁざ〜ず倶楽部は大切な存在になっています。
社会貢献にとどまらないバランスよい活動
団塊の世代を中心としたメンバーが、退職後、特技や知識をいかしながら、いきいきと活動する姿は、健康寿命の延伸が重要とされる今、先駆的な取組みとして注目を集めています。
会長の松井昭明さんは、次のように語ります。「多様な事業ができるのも、それぞれに得意分野を持つ皆さんが集っているからです。男の料理教室なども定期的に楽しみ、講師もメンバーが務めています。活動理念は、『健康』『楽しく』『学び』『社会貢献』の4つ。10年間継続できたのは、社会貢献だけでなく、ウォーキング、研修、交流会など他の要素も取り入れ、バランスよく仲間との交流を楽しんできたからです。メンバーも当初の2倍となる42人になり、趣味趣向のあう仲間で同好会活動も始まっています。
今後の課題として、設立時、63・7歳だった平均年齢が72・8歳になりました。この先、ますますメンバーの高齢化が進みます。このため、活動内容の見直しや、他グループとの交流を行うなど、活動の活性化や多様化を図ることで生涯活動ができることにつながればと思っています」。
退職シニアのための居場所づくりから始まり、多様な仲間が交流しながら10年。生涯活動を目指し、さらなる発展のための取組みが続きます。
泣き地蔵に光をあて市の新しい観光資源に
金勝にある旧跡、「泣き地蔵」。高さ約2mの石に彫られた3体の如来像は、谷に下る途中の非常に行きにくい場所にあるため、草や竹の繁殖が激しく、今までは知る人ぞ知る隠れた観光名所でした。
栗東ふぁざ〜ず倶楽部は、「泣き地蔵」へのルートを整備。平成27年5月、荒れた周囲の草刈りをした後、金勝産の間伐材を使った階段を設置しました。
その後、栗東市観光物産協会により、案内看板の設置や「こんぜめぐりちゃんバス」周遊ルートへの組み込みなどがされ、「泣き地蔵」が栗東の新たな観光名所として現代によみがえっています。
毎年、春・秋の観光シーズンのバスの運行にあわせてメンバーが除草や階段の手入れもしており、「泣き地蔵」は新しい観光名所として愛されています。
課題
メンバーの高齢化
栗東市ボランティア観光ガイド協会
観光塾の開催でメンバー増と活性化
高齢化が進む中 観光塾から8人の新メンバー
5月の週末、六地蔵にある国指定史跡、旧和中散本舗で来場者を笑顔で案内する皆さんがいました。栗東市ボランティア観光ガイド協会のメンバーです。
協会は、平成7年に設立されましたが、20年以上経ち、平均年齢は74・1歳に。高齢化が進み、まちが誇る観光資源である金勝山を案内できる健脚なガイドも少なくなっていました。
こうした課題を解決するため、平成29年度から、「栗東市元気創造まちづくり事業」の採択を受けて活動。新たな観光ガイドの発掘・育成のための取組みが始まりました。
その一つが、「栗東ふるさと観光塾」。まちの魅力を再発見し、観光ガイドとして活躍してもらうため、昨年度、年間を通じて計9回の講座が開催されました。いずれも観光ガイドの案内で、各地域の史跡を巡るバスツアー、街道を楽しむウォーキング、金勝山ハイキングなどを企画。延べ121人が参加しました。
観光塾の終了後、メンバーは15人から23人に増加。平均年齢は68・4歳となり、新しく観光ガイドになった皆さんが活躍中です。
広がる活動 秋は郷土の祭りを発信
「住んでいながら知らないことも多く、観光ガイドとしてまちのことを自分自身も勉強したいと思いました」「歴史に興味があって参加した観光塾が楽しく、先輩ガイドから勉強させてもらっています」と話す、新しいガイドの皆さん。
観光ガイド協会の会長・小森鐘二さんは、「協会の存続のため、準会員の制度も新たに設けました。今、11月11日に開催予定の『りっとう市民秋まつり』で郷土の祭りを発信するために頑張っています。5月に、各地域にある神社のお祭りをそれぞれが取材し、それをもとに市内中学校・高校の美術部が絵を描いてくれています。ふるさと栗東を愛する人を増やすために今後も力を合わせていきます」と語ります。
他の市民活動団体と取り組む企画も考案中で、新しいメンバーの加入で活動の幅が広がっています。
市民活動団体を支援します
まちづくりのパートナー 〜元気創造まちづくり事業〜
市では、平成16年度より、市内を拠点に活動するNPO法人や市民活動団体(自発的で公益的な活動を行う団体)を「元気都市栗東」をともに築くパートナーとして位置づけ、助成金の交付や広報、サポート講座などの支援を行ってきました。
元気創造まちづくり事業助成は、市民活動を始めようとするきっかけづくりや、自立へのステップアップを支援するなど、団体の自立化と活発化を推進することを目的に実施しています。
本年度実施の事業は、昨年7月から8月に募集しました。書類審査と公開プレゼンテーションの結果、4団体の活動が採択され、取組みが進んでいます。
力を合わせてまちを元気に 〜協働事業提案制度〜
協働事業提案制度は、地域が抱える身近な課題について、市民活動団体やNPO法人などの団体と市が適切な役割分担のもと、お互いの強みを生かしながらともに力を合わせて課題の解決を目指す取組みです。
協働事業提案制度には、提案団体が自由なテーマを設定して提案する「自由テーマ型」と、提案団体が市の設定したテーマに基づき提案する事業「テーマ設定型」の2種類があります。
平成31年度 実施団体募集
■「元気創造まちづくり事業」「協働事業提案制度」募集説明会
募集にあたり、制度の仕組みや申請書の書き方、申請の流れや公開プレゼンテーションの進め方などの説明会を開催します。市民活動を始めたい、また、活性化につなげたい皆さん、ぜひご参加ください。
●7月11日(水) 19時〜20時30分
市役所2階 第4・5会議室
●7月14日(土) 10時〜13時
コミュニティセンター大宝東 大会議室
説明会に参加できない場合でも申請に関する相談は、気軽に自治振興課にお問合せください。
元気創造まちづくり事業
協働事業提案制度
助成金額
20万円まで
100万円まで
助成率
総事業費の4分の3以内
募集期間
平成30年7月9日(月)〜8月17日(金)
※募集要項は、市ホームページに掲載します
助成対象期間
平成31年4月1日〜平成32年3月31日
※1事業につき最長3年まで継続助成を受けることができます(毎年審査あり)。
審査方法
書類審査、公開プレゼンテーションにより決定
書類審査、協働担当課へのヒアリング、公開プレゼンテーションにより決定
平成30年度 元気創造まちづくり事業採択団体
栗東市ボランティアガイド育成(2年目)
実施団体:栗東市ボランティア観光ガイド協会
上記記事をご覧ください。
絵手紙で元気に!(3年目)
実施団体:くりちゃん絵手紙
学童保育・幼児園・地域の子ども会・老人クラブ・サロン・老人福祉施設などを訪問し、一緒に絵手紙を作成したり、展示会を行います。
また、研修会や体験教室などを開催し、絵手紙の魅力を広めるとともに、交流や絆を深め、地域に根ざした活動を行います。
はなもも市(3年目)
実施団体:はなもも市実行委員会
下戸山地域は、金勝山のふもとに広がる約800世帯の集落です。山がはぐくむ美しい水で作られた米や野菜は格別の味ですが、近くには直売所がありません。
「みんなに地元の農産物を食べてもらえる場所をつくりたい」。願いを叶えるため、マルシェを開催します。
音楽で地域を元気に!(3年目)
実施団体:安養寺山音楽会
地域のイベント出演・地元施設の依頼演奏などで、日頃から気軽に音楽と触れることができる機会を提供し音楽を愛する人びとの交流の場をつくります。
また、市民出演・参加型の音楽会を自主企画して開催し、幅広い人たちに音楽の楽しさを伝えられるよう取り組みます。
問合せ
自治振興課 協働まちづくり係 TEL.551-0290 FAX.551-0432
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