トップページ(目次)へ

 このページは、さまざまな分野で活躍されている皆さんを紹介するコーナーです。

須田 武志さん

(79歳・大橋四丁目)


 県内の高校教諭として38年間勤務。定年退職後は、平成14年から15年間、保護司として、罪を犯した人々の立ち直りを支援する更生保護と犯罪予防に尽力され、平成29年に法務大臣賞を受賞。「ボクが小学生だったころのお話」を令和2年5月に自費出版。高校教諭時代にはバスケットボール部の顧問として、25回チームを全国へ導いた。その経験を活かし、現在小学生や大学生の指導、ボランティア活動など多岐にわたり活動。



戦後の生活風景をつづった自伝を出版
 ■「ボクが小学生だったころのお話」
 幼少期の戦時中の話から戦後の暮らし、教師になるまでを書いた自伝です。
 戦時中はまだ4歳ぐらいでしたが、大阪から福井方面へ琵琶湖の上空を飛んでいくB29の姿や空襲警報が鳴り響く中、家族で防空壕に飛び込んだことなどを鮮明に覚えています。
 戦争が終わってももちろんすぐに生活が元に戻るわけではなく、食糧難におちいるなど苦しい生活が続いていました。そのような中で教師を目指すきっかけとなる出来事があり、そこから教師になるために過ごした学生時代や、教師になってからの話も書いております。
 ■自伝出版の動機
 戦後を共に過ごした7歳年下の弟が体調を崩したことをきっかけに「弟が生きている間に弟の生まれる前の戦時中の記憶と、共に生き抜いた戦後の生活や昔の思いを記録として残したい」と思い、執筆し始めました。
 また、小学生を相手にバスケットボールの指導をする中で、自分が子どもだった頃との物事の考え方の違いを感じるようになったこともきっかけです。
 ■現代の子どもたちに伝えたいこと
 いま手元にあるものを大切にしてほしい、ということです。
 現代は戦時中や終戦直後と違って、ものがあふれていて、食べ物も日用品もあって当たり前の時代です。例えば、戦時中は醤油や米すら十分になかったので、隣近所によく借りに行ったものです。もちろん私の家が何かを貸すこともありました。
 このように私たちが子どもだったころに比べると現代は非常にぜいたくな暮らしができています。戦時中や終戦直後のような切り詰めた質素な暮らしをするべきということではありませんが、まだ使えるようなものをすぐに捨てたり、次々に新しいものを買ったりするのではなく、今手元にあるものを大切にしながら暮らしてほしいと思います。
トップページ(目次)へ