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知ってる?栗東のまちの成り立ち
 平成13(2001)年10月1日に、滋賀県内8番目の市として誕生した栗東市。
 令和3(2021)年は、栗東市の誕生(市制施行)から20年の節目の年にあたります。
 ここでは、栗東というまちの成り立ちについて、少し振り返ってみたいと思います。
全国的にも珍しい!単独市制施行で誕生した市
 本市が誕生した平成13(2001)年は、行財政基盤の強化や、地方分権の推進などを目的として、政府が主導した"平成の大合併"の真っ只中。平成11(1999年の時点で、全国に3232あった地方自治体は、平成22(2010)年には、1727までその数を減らすこととなります。滋賀県内でも、50(7市42町1村)を数えた地方自治体が、19(13市6町)までその数を減らしました。
 そのような中にあって、当時の栗太郡栗東町は、周辺の市・町と合併することなく、単独で市制を施行し、栗東市となりました。21世紀になってから、単独で市制を施行した町・村は全国でも14のみ。本市の単独市制施行は全国的に見ても珍しい事例で、のちの平成17(2005)年・平成19(2007)年の、"住みよさランキング"日本一にもつながるような、当時のまちの成長ぶりを象徴する出来事でした。
"栗東"の由来って?
 今から10年前に本市が市制施行10周年を迎えたころ、栗東歴史民俗博物館を訪れた小学生から、「どうして"栗東"っていうの?」と質問を受けました。栗東という地名は、"栗太郡の東"に由来していることを説明すると、「でも、栗東市って、合併していないのに、どうして"栗太郡の東"なの?」と尋ねられました。
 実は、栗太郡はもともと、現在の栗東市のほか、草津市の全域、大津市の瀬田川より東側、守山市の南部の一部(物部地区)にまたがる広い地域でした。そして、今から67年前、全国的に"昭和の大合併"が進められていた昭和29(1954)年10月1日に、"栗太郡の東"にあった治田・金勝・葉山・大宝の4つの村が合併して、栗東町が誕生したのです。
 なお、滋賀県(近江国)には、古代以来12の郡がありました。そして、栗太郡も含めてその多くが、平成の大合併の時期に消滅しています。平成13(2001)年の栗東市の誕生には、古代以来続いてきた栗太郡の消滅という、歴史的な意味もあったのです。
栗東町に先駆けて 栗東中学校の開校
 昭和29(1954)年に栗東町が誕生するよりも先に、"栗東"が使われた事例として、昭和23(1948)年に開校した栗東中学校があります。栗東中学校は、のちに栗東町となる治田・金勝・葉山・大宝の4つの村の組合立として開校しました。
 当初は、その前年の昭和22(1947)年に、各村立の小学校に併設して設置された各村立中学校を、栗東中学校の分校として利用していました。そして、現在の場所(安養寺)に新たな校舎が完成した昭和24年(1949)に、一つの中学校として統合されています。
 また、同じ時期、現在の瀬田中学校(大津市)が、瀬田町と上田上・下田上・大石の各村の1町3村(いずれも現在は大津市)の組合立栗南中学校として運営されていました。"栗南"とは、"栗太郡の南"を意味しており、当時の栗太郡の広さを感じるとともに、栗太郡の中での地域の区分に関する認識を知ることができます。
栗東町が生まれたころ
 昭和29年(1954)10月1日に誕生した栗東町では、当初、旧治田村役場(坊袋)を栗東町役場として利用し、金勝(御園)、葉山(高野)、大宝(綣)の各旧村の役場は、それぞれ栗東町役場の支所に置き換えられました。栗東町役場が、現在の場所(安養寺)に移ったのは、昭和32(1957)年のことです。各旧村の役場が置かれていた場所の近くには、それぞれの村立小学校も置かれており、各村の中心地として位置づけられていました。栗東町役場が新たに移された場所は、既に置かれていた栗東中学校からも近く、また、役場の向かい側には、名神高速道路開通に向けた事業を行う道路公団の事務所が設置されるなど、栗東町としてのあゆみをスタートさせるにあたっての意気込みが感じられます。
  誕生したころの栗東町には、旧治田村の大字の一つであった渋川(現在の草津市渋川・西渋川)も含まれていました。しかし、渋川地区の人々の強い要望もあり、昭和31(1956)年には栗東町から分離し、草津市に編入されています。渋川は、明治22(1889)年に現在のJR草津駅が置かれた場所でもあります。誕生したころの栗東町には、草津駅の周辺が含まれていたというのも、歴史の一コマとして面白い出来事ではないでしょうか。
 今から67年前の昭和29(1954)年に誕生した頃、栗東町の人口は1万5千426人。旧村時代以来の農村風景が広がる地域でした。その後、昭和38(1963)年の名神高速道路栗東インターチェンジの設置を大きな画期として、企業の進出や住宅の開発など、都市化が急激に進み、市制施行から20年を迎える現在の人口は7万人を上回っています。
■市制施行20周年記念展
 本市の誕生から20年という節目の年を記念する栗東市市制施行20周年記念展「栗東のあゆみ」を開催します。この記事で紹介したようなまちの成り立ちや、栗太郡の歴史を含めて、まちのあゆみを紹介します。栗東のことをよりいっそう知る機会にしていただければと思います。

※展覧会に関する詳細は、お知らせ版のこちらをご覧ください。また、こちらの「りっとう再発見」もあわせてご一読ください。

問合せ
栗東歴史民俗博物館 TEL.554-2733 FAX.554-2755
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