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 このページは、さまざまな分野で活躍されている皆さんを紹介するコーナーです。

増田 廣行さん

(霊仙寺・73歳)

京都・滋賀の料亭で修業を積み、大阪の老舗料亭で20年間総料理長として活躍。1997年に瀬田川沿いにある「椀向八寸 行楽庵」を開業し独立。古式四条流包丁道師範の資格を有し、滋賀県調理短期大学校指導員として講師を務めた経験もあり、現在は自店で後進の料理人の育成にも取り組む。令和3年度 卓越した技能者「現代の名工」、滋賀県技能者表彰「おうみの名工」を受賞。



卓越した技と豊かな感性で「現代の名工」 に輝く
 今年度の「現代の名工」に、滋賀県から4人が選ばれ、日本料理調理人の増田廣行さんが受賞。「現代の名工」は、特に優れた技能を持つ技術者や職人を厚生労働大臣が表彰するものです。穏やかな口調の先に、日本料理調理人としての威厳と、芯の強さを感じさせる和の職人・増田さん。日本料理の真髄を語ってもらいました。
 ■日本料理の世界に入ったきっかけは?
 京都の料亭で日本料理の「五味、五色、五法」が巧みに演出された料理と出会い、その美しさに、魅了させられました。
 一生をかけてもやり遂げたい仕事だと思い、日本料理の道を歩み始めました。
 ■日本料理へのこだわりは?
 日本料理は、椀と刺身が基本で、茶事にならった「椀、向、八寸」にこだわっています。一枚の皿の中に季節を表現する八寸は、料理人の力量が問われ、「切る、味付け、盛る」のすべてが凝縮されています。また、調理する上で大切な事は「五味、五色、五法」です。甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の五味。焼く、揚げる、蒸す、煮る、生を活かした五法。赤、緑(青)、黄、白、黒の五色。これらを組み合わせた上で、季節感や食材の調理法、器や盛り付けなど、視覚的に楽しめるように献立を考えています。
 料理人は、どれだけお客さまの思いを読んで創り上げることが出来るかが大切であり、心遣いやおもてなしの心を大事にしています。
 ■今後の目標は?
 京都・滋賀での修行時代から、今日に至るまで、調理技能の習得研鑽に一切の妥協をせずに、努力してきました。長年の研鑽の中で学んだ伝統的な手法を守りつつも、時代の変化をとらえ、創意工夫を凝らした料理を提供していきたいです。日本料理を基本に、「現代の名工」の名に恥じないようにさらなる進化を目指し、今後も今までと同様に、一皿一皿心を込めて、感動のある料理を作り続け、精進していきたいと思います。
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