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 このページは、さまざまな分野で活躍されている皆さんを紹介するコーナーです。

磯貝 喜之さん(写真右・69歳)


磯貝 理絵さん(写真左・38歳)


旧東海道沿いの六地蔵に位置する「古梅堂 磯貝表具店」の4代目が喜之さん、5代目が娘の理絵さん。昔ながらの技術や材料(和紙や表装裂)を使い、掛け軸、額、衝立の仕立てや修復、ふすまの仕立てや張替え、障子の張替えなどを行う。それぞれ京都の老舗表具店で修業した後、特技を生かしながら、ともに家業を引き継ぐ。

表具師として人に寄り添う
  明治前期から約140年の歴史をもつ「古梅堂 磯貝表具店」。 「自分の思い描く空間を作りたい」と、4年前に新設されたギャラリー兼店舗から、表具師として伝統を受け継いできた親子2人の新たな挑戦が始まっています。
 ■それぞれの得意分野を生かして
喜之さん:ふすまや掛け軸の修復は元気なうちは私の仕事です。壁に和紙を張る壁装など大がかりな作業は、2人で協力しながら作業をしています。お寺などでの施工があると、後日家族で見に出かけるのも楽しみの一つです。
理絵さん:大学時代に日本画を専攻していたので、古い絵画を修復する「補彩」を得意としています。昔から伝わるふすまや掛け軸などすべてが一点ものの作品なので、筆を入れる時は息を止めていることも多く、とても緊張します。
 ■人とのつながりを大切に
喜之さん:お客さまと一緒に裂地を選び、材料を見極め、伝統的な技術で修復を行うことによって、作品が生まれ変わります。長い年月を経ても良い状態で保存できるので、何年も経た先にまた依頼があると、信用していただいていると実感できますね。
理絵さん:ここでたくさんの人と出会い、表具の歴史や魅力を伝えています。裂地を使う簡単なものづくりをとおした交流も楽しいです。皆さんの自由な発想には思いがけない発見があり、製作のアイデアにつながることもあります。
 ■今後の活動は?
 ふすまや掛け軸というと高価なイメージがあり、店には気軽に入りにくいと思われるかもしれません。ギャラリーでは、現代建築でも表具を身近に楽しめるようなしつらえを提案しています。信頼される表具店を目指して、来てくださったお客さまとの会話を楽しみながら、明るく、表具という文化を発展させていきたいと思っています。
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