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りっとう再発見 栗東に残る日清戦争
 本市南部に連なる金勝山一帯(竜王山・鶏冠山・金勝山・阿星山)には古い寺院が多くあり、近江のかくれ里と言われています。その寺院の拠点だったのが金勝寺で、杉木立に囲まれた静寂なたたずまいの天台宗の寺院です。天平5年(733)奈良時代に聖武天皇の勅願により平城京の東北鬼門を守る国家鎮護の祈願寺として東大寺初代別当の良弁僧正が開基しました。寺院としては、弘仁6年(815)嵯峨天皇の勅願で願安法師により整備されました。中世には湖南仏教の中心として栄え、25の別院を束ねて隆盛し、その後も時の権力者や将軍が詣でるなど保護されてきました。
 天文18年(1549)の火災により全山焼失しましたが、後に復興します。現在の本堂、二月堂は元禄年間に建立された仮堂のままですが、朝廷の祈願所としての勤行を怠ることはありませんでした。
 境内は、受付を過ぎるとすぐ参道になり、排水を考えた山型配石の苔むした石段が続きます。登ると仁王門があり、動の阿形(写真3)、静の吽形(写真4)が迎えます。そして正面が本堂で、重要文化財の御本尊釈迦牟尼如来坐像(写真5)が安置されています。右手前に二月堂があり、重要文化財の3.6mの軍茶利明王立像(写真1)が見下ろします。左側高台の虚空蔵堂に安置されている虚空蔵菩薩半跏像は無限の知恵と慈悲を持った菩薩で、十三参りの仏として信仰されています。また境内には、樹齢800有余年の大杉(良弁杉と伝わる)や楓、藤棚もあり一年をとおして楽しめ、心和むひとときを過ごせます。
 自然を生かして春から秋には、瞑想・ヨガ・森林浴や、11月はかがり火・行灯のあかりの演出などのイベントが開催されます。
 栗東八景「夏清の幽玄」に選ばれている金勝寺で、こんぜの自然に触れ、静寂の中に千年の重みを感じてみませんか。
問合せ
商工観光労政課 観光振興係 TEL.551-0236 FAX.551-0148
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