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りっとう再発見 栗東に残る日清戦争
 国指定名勝の大角氏庭園が借景とする日向山(多喜山城跡)は本市六地蔵・伊勢落にあり、平成の「ふるさと創生事業」で山頂まで721段の石段が整備されました。地元の人が健康づくり、学生が脚力鍛錬の場として訪れます。標高は222・9mで、石段を登ると約20分で山頂に到着。眼下に戦国時代に合戦の舞台となった野洲川、湖南平野、三上山、遠くに琵琶湖が一望できます。
 この眺望の良さと旧東海道を見下ろせる要衝に位置することから、元亀年間(1570〜1573年)に織田信長陣営が多喜山城を築いたと言われています。多喜山城は山頂を平らに削り、城内を曲輪(平坦地)としました。東隅には主郭(近世では本丸と呼ばれた)があり、周りを土塁で囲んでいます。城郭への出入り口である虎口は西と東に造られました。この虎口は土塁を食い違いにすることで敵兵が曲がりながら城内に入る構造となっており、近世の「桝形虎口」に似ていると注目されています。また、侵入する敵兵の側面を攻撃するための横矢掛りや石垣を設けるなど、近世の城郭につながる初期の形であったと言われています。多喜山城は現存しませんが、今に残る山頂の曲輪(平坦地)、土塁、虎口や石垣は当時のもので、在りし日の姿がしのばれます。
 滋賀県には、中近世に1300を超える城郭が築かれ、単位面積当たりでは日本一と言われています。城の魅力を伝える「近江の城カード」に本市から多喜山城が選ばれました。(県が企画・配布終了)
 戦国の乱世を感じながら、手軽に登ることができる日向山(多喜山城跡)に行かれてみてはいかがでしょうか。

参考資料:「近江の山城ベスト50を歩く」多喜山城
問合せ
商工観光労政課 TEL.551-0236 FAX.551-0148
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