二期目所信表明

はじめに

 平成26年第5回栗東市議会定例会の開会にあたり、栗東市政を担う私の所信と施策方針に基づく主たる取り組みについて申し上げます。

 平成22年の栗東市長選挙に当選して以来、二期目の市政の舵取りを市民皆様から託していただき、今日まで以上にその責任の重さを実感し、身の引き締まる思いであります。

 前四年間を振り返りますと、「いつまでも住み続けたくなる安心な元気都市栗東」の実現を目指し、「五つの安心」という施策方針のもとで市政を運営してまいりました。

 特に、厳しい財政状況の健全化を第一義として、将来を見据えた中長期財政見通しでの収支不均衡の是正、そして、新幹線新駅中止の負の影響を解決するための市土地開発公社問題の解決に向けての「新・集中改革プラン」の実行と「第三セクター等改革推進債の活用による市土地開発公社の解散」は、市民の皆様、議会の皆様のご協力のおかげで概ね予定通りに達成できたことから、これが財政面において「明るい兆し」となっているのが本市における現下の情勢であります。

 また、「五つの安心」に基づく各施策は、財政状況を勘案しながら喫緊の課題解決に向けてその対応を図ってまいりました。

 こうした中で特に、平成25年の台風18号による市内各地の被害は、現在においても復旧作業を続けている箇所もあるように、その爪あとは目に見える被害だけでなく、私たちの心の奥にまで達するほどの甚大さであったとともに、本市の防災政策を大幅に見直す必要性を痛感してきました。

 このように四年間を振り返る中で、引き続き取り組むべき施策は今後四年間においても踏襲をしてまいりますが、まずは台風18号被害からの復旧を最優先としながら、財政面での「明るい兆し」をより明確なものにし、市民皆様にそのことを実感していただくことが私に課せられた使命でもあると考えているところであります。

 即ち、着実に財政健全化の目標達成への取り組みを進めることと併せ、社会経済情勢の変化等に伴う必要なセーフティネットの検証をしつつ、行政サービスの実行を両立させることが今後の市政運営の基本姿勢となるものと考えています。

 さて、地方自治体を取り巻く情勢は、防犯防災をはじめ、少子高齢化、子育て、青少年育成などの福祉教育、また人権、雇用、地球環境、産業振興、地域コミュニティ、社会資本整備などの継続した課題に加え、昨今では、子ども子育て制度や人口減少問題、女性活躍などに対する対応も求められています。

 国においては「まち・ひと・しごと創生」にかかる議論がされるなど、地方の自主性と自立性を向上させ、創意工夫を活かして地域の特性に即した課題解決が図れる地方分権改革が一層進められ、さらに、県では2040年を見据えた新たな基本構想を策定し、県政運営が推進されようとしています。

 これら国・県の動向と併せ、社会経済情勢の変化等を見極め、本市においては、現在策定中の第五次栗東市総合計画後期基本計画や第七次栗東市行政改革大綱、これらに関連する市の諸計画で的確に対応し、引き続き、全員野球の精神で「いつまでも住み続けたくなる安心な元気都市栗東」の実現に向け、市政運営にあたる決意であります。

施策方針に基づく主たる取り組み

 それでは、今後四年間、市政を進める上で施策方針である5つの安心に基づく主たる取り組みについて申し述べます。

 まず、一点目に「経済に安心を」であります。

 冒頭申し上げましたとおり、本市の財政状況は(新)集中改革プランや土地開発公社の抜本的な改革をはじめとした諸改革により、「明るい兆し」が見えてきたものの、引き続き厳しい財政運営は続くことから、新たな税収確保につながる地域活力の向上が、重要な政策目標になるものと考えております。

 そのためには、これまで同様トップセールスにより様々な企業を訪問し、情報の共有と信頼関係の構築を行い、引き続きこの栗東の地で操業いただくことの働きかけと合わせて、お聞かせいただいた情報や様々な企業ネットワークを活用し、新たな企業誘致にもつながる取り組みを積極的に行ってまいります。また、国道1号バイパスの供用が開始されることから、企業立地の適地としての潜在性が非常に高い東部地域の活用への対応など、産業の活性化と雇用拡大に取り組みます。

 また、中小企業者は、地域経済を支える極めて重要な存在でありますが、高齢化の進行やグローバル経済下における国内外での競争の激化など多くの課題を抱えています。栗東市中小企業振興基本条例に基づき商工振興ビジョンやロードマップを基本に、小規模企業振興基本法との整合も念頭に置きつつ、商工会と連携しながら地元商工業の発展・地域経済の活力創出に取り組んでまいります。

 農林業におきましては、山林や農地が有する多面的機能の促進を図り、栗東ブランド化支援や地産地消への取り組みを進めていきます。また、栗東観光案内所を活かしてさらに栗東の元気な観光振興にも努めるとともに、馬事業や栗東ブランド等、地域資源の活用とアピールに向けた取り組みについて、(仮称)地域資源活用ビジョンにより具体化を図ってまいります。

 新幹線新駅事業中止後における新たなまちづくり基本構想(後継プラン)においては、環境と新技術をテーマとした、地域活力創生のまちづくりの実現に向けた取り組みを県とともに進め、企業立地を図ることができてまいりました。今後、更なる立地を誘導するためにも、地元関係者のご理解とご協力をいただきながら基盤施設の早期整備、そして、関連する県事業との連携を図り、この地域のポテンシャルをより高め、立地促進につながるように、県の主体的な取り組みの中で事業の完遂を目指します。

 これらの経済活性化のための取り組みを軌道に乗せることで、税収増加や雇用の拡大を図り、そこから得られる財源をもとに、新たな福祉や教育施策を生み出せるよう一層の努力をしてまいります。

 次に「子育てに安心を」であります。

 次代を担う子どもたちが伸び伸びと育つ、そして育てることができる環境をしっかりと整えることは、少子高齢化に拍車のかかるわが国全体で解決していくべき大きな課題となっています。

 国は、地域活性化に向けた長期ビジョンで「将来にわたって活力ある日本社会を維持するためには、人口減少に歯止めをかける必要がある」と言及し、それの実現に向けた総合戦略の策定を進めています。

 滋賀県にあっても、過日「人口減少の局面に入ったとみられる」との見解を示し、今後の出生数増加や地域社会の維持に向けた取り組みを検討されています。

 本市においては、国立社会保障・人口問題研究所の推計による全体人口の増加は、いましばらく続くとされているものの、年少人口については減少していくと予想されています。

 このように少子化社会がより現実のものとなってきた中で、元気都市栗東の実現のために、子育てに安心できる諸施策を、財政状況とのバランスを見ながら積極的に講じてまいります。

 市では、今日までの長きにわたり、様々な政策・施策の実施により子育てしやすい環境づくりに努めてきました。また、財政の健全化途上にあっても「不妊治療にかかる助成」や「中学生までの入院医療費無料化」など、限られた財源を有効に活用した施策を行ってまいりました。

 今後においても、子どもがすくすく育つ環境整備のため、幼保待機児童の解消や幼稚園、小学校の空調設備の整備を目指すとともに、学校給食共同調理場の更新にあたっては、食育計画の推進や中学校給食への対応を含め、そのメリット・デメリット等を総合的に検証し、方向性を見出してまいります。

 また、乳幼児福祉医療費助成については、前述した社会情勢の変化を踏まえ、現状における他市町の制度やセーフティネットのあり方を参考にしながら、その負担軽減を図っていきます。

 また、子育てを安心して自信を持ってできるよう支援することが必要であり、家庭児童相談室、子ども発達支援課、地域子育て支援センターなどの支援活動の強化や、保健師等による成長や発達に係る支援の実施、妊婦健診費助成、小児救急医療体制を維持してまいります。

 次に、「福祉・健康に安心を」であります。

 いつまでも住み続けたくなる安心な元気都市の構築を目指すには、市民の皆様がいきいきと暮らせるまちづくりが必要であります。

 社会福祉施策については、ともに支えあい、助け合い、パートナーシップによる地域づくりを目指し、関係団体との連携や協働を図り、第2期栗東市地域福祉計画による施策を推進していきます。

 わかりやすく、安心できる医療体制については、引き続き済生会滋賀県病院をはじめ、市内医療機関、医師会および近隣市と連携してまいります。

 併せて、健康的な生活習慣が実践できる取り組みを通じて、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸に向けた健康づくりの行動計画として策定した「第2次健康りっとう21」に基づき、健康づくりに関する市民意識の向上と取り組みの推進を図るとともに、「第2次食育推進計画」による食育を基本とした健康づくりを推進してまいります。

 また、高齢者施策については、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを一層すすめていく上で、社会参加や生きがいの創造を含めた地域づくりが必要であり、第6期栗東市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づき、いきがいと安心が提供できるよう努めていきます。

 さらに、介護サービスの基盤整備については、在宅生活を支援するための居宅サービスと施設サービスのバランスをとりながら、介護施設入所待機者の解消につながるよう取り組んでまいります。

 障がい児者施策については、障害者総合福祉法や第2期栗東市障がい者基本計画、第4期栗東市障がい福祉計画に基づき、相談支援体制の充実や、就労支援体制の整備を図るとともに、生活支援の基盤整備や地域生活支援事業を推進してまいります。

 市民が健康で文化的な生活をするためには、心と体を鍛えるスポーツと芸術文化への機会拡充を推進することが重要であります。

 体育面につきましては、栗東市スポーツ推進計画に基づいて、関係団体等と連携しながらスポーツニーズの多様化に対応してまいります。

 さらに、平成36年度開催予定の滋賀国民体育大会の準備に向けましては、今後、国、県、関係団体等との情報交換を図り、対応してまいります。

 また、文化面につきましては、文化振興計画の理念の具現化を目指し、芸術文化会館さきらを中心に、市民誰もが生きがいを感じながら文化活動に親しめる環境づくりに努めてまいります。

 次に、「暮らしに安心を」であります。

 本市においては、昨年の台風18号被害からの復旧について、金勝川堤防決壊箇所や農地・農業施設などの工事が概ね完了し、被害復旧に一定の目処がつく中にあって、現在、安養寺山の崩落箇所や治山、林道などの復旧工事を精力的に進めており、平成27年度完成を目標に全力を挙げて取り組んでいきます。

 また、昨年の災害時において明らかになった諸課題への対応を含め、風水害・地震災害等の発生時に行政機能の維持遂行を図り、市民の生命と財産を守る体制を構築することが必要であります。現在進めている「防災拠点施設のあり方検討」の結果を踏まえ、防災機能を高める施策に取り組んでまいります。

 一人ひとりの人権が尊重され、差別や偏見のない心豊かな住みよいまちづくりは、元気都市栗東の実現を目指す上での基本であります。

 差別事象の昨今の状況を検証し、引き続き、「人権擁護に関する条例」や「人権擁護計画」等に基づき、人権・同和教育を総合的かつ計画的に推進してまいります。

 男女共同参画社会づくりの推進については、「まちづくり女(ひと)と男(ひと)の共同参画プラン」に基づき、あらゆる場面で男女平等の視点にたち、女性が活躍できる施策を推進してまいります。

 また、JR栗東駅の構内及び西口のエレベーター設置については、栗東駅周辺まちづくり基本方針でも優先すべき施策とした通り、現在策定中のバリアフリー基本構想による特定事業へ位置づけ、整備財源の確保を図りつつ、平成30年度の供用を目指します。併せて、当該構想に基づく重点整備地区内のバリアフリーを順次進めてまいります。

 安全な道路整備に向けた広域的な協力体制の充実については、現在進めております国道1号・8号バイパスや山手幹線、県道片岡栗東線など広域的な幹線道路整備において、国・県はもとより関係する周辺市とも連携・協力を図る中で取り組む必要があり、渋滞緩和など課題解消に向けその進捗を着実に図ってまいります。一方、児童生徒の通学路の安全確保に向けては、公安委員会や各道路管理者など関係機関との協議を踏まえ、カラー舗装をはじめとした安全対策に引き続き取り組み、未然の事故防止に努めます。また、市道をはじめ身近な道路の整備と維持管理については、道路長寿命化施策に基づく舗装や橋梁等の補修整備を年次的に進めるとともに、地域の要望も踏まえ対応してまいります。

 河川整備については、今日のゲリラ豪雨による被害が懸念される中にあって、金勝川・葉山川平地化事業や中ノ井川ショートカット事業、更には、守山栗東雨水幹線整備などについても、県や周辺市をはじめ関係する自治会のご理解とご協力が不可欠であり、事業進捗を図り安全確保に努めます。普通河川等については、地域要望を踏まえ、浸水被害の軽減に取り組みます。

 住宅については、公営住宅等長寿命化計画に基づく事業を年次的に進めます。

 上下水道については、ほぼ整備がいきわたる中、今後も安全に安定的に供給できる水道水、水質保全や快適生活に寄与する下水道を保つため、管渠や施設の維持管理が適切に持続できるように健全経営に努めます。

 市民参画と協働によるまちづくりについては、現在策定中の「市民参画と協働によるまちづくり推進条例行動計画」により条例の具現化を目指し、市民・事業者・行政の役割を整理し、それぞれがまちづくりに取り組みやすい体制や仕組みづくりを進めます。

 環境を重視した市政運営では、本市が目指すべき環境像である「共に育もう、いつまでも自然あふれる元気都市栗東」の実現に向け、第二次環境基本計画に基づき、資源化率の向上を図るなど資源循環型社会の構築を目指します。

 旧株式会社RDエンジニアリング産業廃棄物最終処分場問題につきましては、問題発生から15年が経過する中、現在二次対策工を滋賀県が鋭意進めており、これが確実に実施され、市民の皆様の安全・安心が確保できるよう対応してまいります。

 次に、「行政に安心を」であります。

 これまでに申し述べました4つの安心を着実に進めるためには、何よりも市民の皆様に行政の安心感を実感していただき、信頼を得ることが大切であります。「官から民」への基本理念のもと、引き続き「行政はサービス業」との認識に立ち、市民から信頼される行政サービスの提供に努めてまいります。

 また、市民の皆様に安心してもらえる行財政運営の改革を進めるための「第七次行政改革大綱」は、今日までの「抑制型」を中心としたものではなく、多様な主体による新しい公共や地域資源の活用、企業や大学等との連携・交流による新たな価値観の創造を中心とした「プラス 創造型」とし、第五次総合計画後期基本計画に掲げる政策・施策実現を担うべく位置づけ、着実に進めてまいります。

 さらに、行政の「見える化」については、既存の広報紙に合わせてホームページ機能の活用、また、SNSや各種メディアなど様々な媒体の特徴を活かし、迅速で効果的な情報発信などに努めるとともに、市長と気軽にまちづくり座談会や市長のこんにちはトークなどを通じて、市民との対話型まちづくりに引き続き取り組んでまいります。

 また、11月25日稼働の新しい住民情報システムの導入による新たなサービスとして、平成27年4月から税金や保険料、使用料などの納付を、全国のコンビニエンスストアでできるように準備しています。そして、平成28年1月の「社会保障・税番号制度」開始により個人に発行されるマイナンバーカードを利用して、住民票や印鑑証明書をコンビニエンスストアで交付できるよう計画しており、更なる市民サービスの向上を目指します。

 教育委員会との関係については、将来を担う子ども達のため、今回の地方教育行政法の改正に基づき、首長と教育委員会の権限と責任を明確化し、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、より一層相互の連携強化を図るため、適正な対応を進めてまいります。

むすびに

 戦国時代の武将、武田信玄の言葉である「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」を、四年前の所信表明のむすびでも引用いたしました。

 市民の皆様、議会の皆様、職員が一丸となって、全員野球で本市を支えていただいた前四年間は、まさにこの言葉通りであったと感じております。

 こうした中、二期目の市政をスタートするにあたっては、やはり一致団結して全員野球で引き続き市政の運営をしてまいりたいと考えており、この先に困難な状況が訪れても決断と実行で失敗を恐れずに積極果敢に一意専心まちづくりに取り組んでまいります。

 冒頭に申し上げましたように、財政健全化と行政サービスの実行を両立させることは決して簡単なことではありません。今日までの抑制型からプラス創造型への転換を図りつつ、栗東市の長所を一層伸ばしながら魅力を最大限に引き出し、いつまでも住み続けたくなる安心な元気都市栗東の実現を目指してまいります。

 どうか議員皆様をはじめ、市民皆様の格段のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

この記事に関するお問い合わせ先
元気創造政策課(秘書)
〒520-3088
栗東市安養寺一丁目13番33号 栗東市役所3階
電話:077-551-0102
ファックス:077-553-1280
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更新日:2017年06月07日