所信表明

はじめに

 平成22年12月議会におきまして、所信の一端を述べる機会をいただきましたことに心から厚くお礼申しあげます。
 はじめに、栗東市政激動の2期8年間の舵取りをしてこられました國松正一前市長に深甚なる敬意と感謝を申し上げます。
 このたび私は、先の栗東市長選挙におきまして、栗東市議会の皆様をはじめ多くの市民の皆様の温かいご支援を賜り、光栄にも第3代栗東市長として市政にあたらせていただくこととなりました。
 今、改めて議場にて登壇いたしますと、議員時代とは違った緊張と責任の重さを感じています。同時に、選挙期間中にもひしひしと感じた市民皆様の市政への大きな期待、そして多くの叱咤激励を心に刻み、國松市政で築かれたまちづくり実績と切り拓かれた道筋に、私自身の思いを乗せて新たな市政をスタートしてまいりたいと決意をしております。
 私は、まちづくりの根幹を揺るがす新幹線新駅事業中止後において、前市長が今日までの三年余で一定の道筋をつけてこられたことをはじめとして、様々な重要課題解決に向けて努力されたことを決して無駄にすることなく、将来に責任の持てる栗東市を今こそ築き上げる時であると強く思っています。そのためにも、今日まで市政の基本理念とされてきた「官から民へ」を私の市政においても踏襲し、第五次栗東市総合計画に基づいた政策を推進します。そして着実な市政運営で市民の利益を守り、安心をしっかり提供できるよう全身全霊を捧げて市政の舵を取る覚悟であります。
 また、議員の皆様、市民の皆様、職員の皆さんをはじめ、市政に携わる皆様とがっちりスクラムを組み、さらにパワーアップした市政運営を目指してまいります。
 さて、国では昨年政権交代がありました。新政権に対して国民からは景気回復をはじめとする諸施策への多くの期待が寄せられたものの、未だ不況感は拭い去れず、外交においても様々な問題が生じるなど、首相のさらなるリーダーシップの発揮でこれらの払拭に努められることを求めております。
 一方、我々地方自治体は、真の地域主権改革に向けた国の積極的な姿勢に大きな期待をしており、本年6月に閣議決定された地域主権戦略大綱に基づく様々な方針が今後具体化される過程において、国と地方の役割分担の徹底した見直しと権限・財源の一体的な移譲など、住民に一番近く地域の実情を最もよく知る地方の意見を聞き入れながら進められることが重要なポイントであると思っております。
 また、滋賀県におかれても、財源不足のために事業見直し等による行財政改革を推し進められていることは一定理解するものの、今日まで県と市町による十分な話し合いと合意のもとで削減が行なわれたとは言い難く、地方自治の最前線にある市町の実情を十分聞き入れながら、ともによりよい改革を進めるための議論を尽くす姿勢を持たれた県政運営を望むものであります。
 このように、国・県とは共にパートナーであるとの認識を持ちながら、「市民生活、市民利益を守る」ことを大前提に、国・県に対しては「是々非々」の立場で関係構築を図っていきたいと考えており、何事も対話と協働の姿勢でこれからの市政を運営してまいります。

 私は、住民に身近な基礎自治体を重視した改革が進められることは時代の要請でもあると思っており、市町には今までよりも増して自立した市民力、地域力、財政力、行政力が求められると痛感しています。こうした中、本市にあっては財政力が低下した今、選択と集中による施策の厳選は不可欠であり、より一層、市民力、地域力、行政力を高めていく必要があると考えます。
 行政が抱える課題は、安全・安心のための防犯、防災をはじめ、少子高齢化、子育て、青少年育成などの福祉、教育、また人権、雇用、環境、産業振興等々多岐にわたっており、地域社会の再生、市民との協働という新たな行政手法への転換を強力に進め、市民力と地域力の醸成無くしては解決を図れないと言っても過言ではありません。

 また、財政力を高めるという点については、本市の場合、改革の手綱を緩めることなく財政健全化に取り組むことに尽きると認識しております。
 そして、行政力については、知恵と結束力を活かし、経営的感覚で常に考える行政運営を目指します。
そのためには、まず様々な政策施策の決定に至るまでの過程を行政が市民に対して積極的に情報提供し、情報の共有を図ることが必要であり、いわゆる行政の「見える化」を推進していくことが重要だと考えています。
 さらに「対話と協働」という「情報と人のつながりや人権」を大切にしたまちづくりを推進し、名実ともに「いつまでも住み続けたくなる 安心な元気都市栗東」創出に全力を尽くしてまいります。

重点施策方針

 それでは、これから4年間、市政を進めていく上での施策方針として「5つの安心」を柱に述べてまいります。

 まず、一点目「経済に安心を」であります。
 かつて栗東は、過去27年間の長きに亘り地方交付税の不交付団体であった事実が示すように、強固な財政基盤を背景に手厚い福祉施策を推進するまちでありました。
 しかしながら現在では危機的な財政状況を迎えるに至っていることも周知の事実であります。
 このような状況を改善するため、一つは新幹線新駅事業の中止後における新駅跡地周辺地域においては、環境と新技術をテーマとした後継プランによる地域活力創生のまちづくりに向けた取り組みを進められてきました。
 そして、時代の潮流に沿った継続性の高い企業立地を核としたまちづくりに相応しい、株式会社リチウムエナジージャパン様の誘致が実り、新たな市の経済活動活性化への第一歩を踏み出しました。
 今後、まちづくりを実現する基盤整備を短期で実施し、その他の土地利用なども含め、地権者皆様のご理解とご協力を賜りながら後継プランにかかる事業の確実な実施を図り、さらに商工会と連携し経済活動を活性化させてまちの活力を取り戻さなければならないと考えております。
 また、企業誘致や市内企業の支援をトップセールスで積極的に推進するとともに、中小企業振興のための条例の制定、或いは地域農林業や商工業発展のための施策として栗東ブランド化支援への取り組みを進め、さらに、広域観光施策の推進などを図り地域経済活性化に努めてまいります。
 私はこれらの経済活性化のための取り組みを軌道に乗せることで、税収増加や雇用の拡大を図り、そこから得られる財源をもとに、新たな福祉や教育施策を生み出せるよう一層の努力をしてまいります。

 次に、「子育てに安心を」であります
 今日まで私は子どもを持つ親としての目線を大切にした議員活動をしてまいりました。そうした目線でつぶさに栗東市の現状を見ますと、都市化の進展とともに地域連帯感の希薄化や核家族化が進み、孤立感の中で子育てをしなくてはならないという不安が広がっていると感じています。全国的にも深刻な問題となっている子どもの虐待も、こうしたことが要因の一つとなっていると思っています。
 そのため、家庭での養育機能を向上させ、子育てを安心して自信を持ってできるよう支援することが必要であり、家庭児童相談室や地域子育て支援センターを中心とした支援活動の強化や保健師等による育児支援の実施、妊婦健診費助成、小児救急医療体制への支援を継続してまいります。
 また、学校園においては、子どもたちが安心して学び、いきいきと学校生活を送れることが重要であります。そのため地域に根ざした学校づくりの推進を図るとともに、自ら学び考える力を醸成し、心豊かな人間性と社会性を育成する多様な教育の充実が図れるよう努めてまいります。
 さらに、今年度内に業務を開始する「栗東市学習支援センター」にことばの教室、児童生徒支援室や少年センターを移転させ、幼児、児童、生徒に対する支援の充実を図ってまいります。
 私は、何よりも子どもたちが「確かな学力」を身につけるためには「基本的な生活習慣の定着」と「わかる授業」が重要であると認識しております。家庭教育への支援、少人数学級推進と教師への支援等に努め教育向上に取り組んでまいります。
 また、保育園等の待機児童解消は重要な課題であります。民の活力によりその解消に向けた取り組みを引き続き進めてまいります。
 栗東西中学校の生徒増対策につきましては、1000人を超える規模の対応を見据え、増築工事を進めてまいりましたが、今後は人口動態等の推移に注視しながら教育環境面を十分考慮し、できるだけ早期に一定の方向付けをしていきたいと考えております。
 教育環境の整備につきましては、財源確保に努める中で調査研究を行い、優先順位を付けながら整備をしてまいります。
 特に本市は今、限りある財政の中で厳しい市政運営を強いられていますが、未来ある子どもたちがのびのびと育つ環境づくりと生まれてから社会に巣立つまでの学力向上を目指し努力をしてまいります。

 次に、「福祉・健康に安心を」であります。
 高齢者福祉につきましては、生活習慣病や要介護状態に陥らないための介護予防中心への政策転換が図られています。このため、生きがいの創造を含めた地域での支援が必要であり、地域包括支援センターの活動、地域間連携による自治会単位でのサロン的取り組み、老人クラブ活動や高齢者生きがい事業の支援、社団法人栗東市シルバー人材センターと連携した働く高齢者の応援環境づくりなどを充実し、今日まで栗東市発展の礎を築かれた高齢者に対し、いきがいと安心が提供できるよう努めていきます。
 また、急増する介護施設の待機者対策については、関係機関や待機の動向を注視しながら、対応をしてまいります。
 障がい者への対応は、障がい福祉計画に基づき、相談支援体制の充実や、一般就労への移行支援の強化に努めると共に、(仮称)障がい者総合福祉法の対応、また市内各作業所との連携、障がい者のための発達支援システムの活用など「ノーマライゼーション」の理念のもと、自立支援に重点を置き取り組みを進めます。
 命を守る施策としましては、引き続き済生会滋賀県病院をはじめとする市内医療機関及び医師会と連携を図りながら市民の命を守るための安心な医療体制の確立に向けて努力してまいります。
 特に、子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン等の実施につきましては、国の動向を見ながら取り組んでまいります。
 福祉医療助成事業については、引き続き市が果たすべきセーフティーネットを検討する中で進めてまいります。
 私は、人が健康で文化的な生活をするためにはスポーツや文化活動が大切であると考えています。これらの機会拡充への取り組みを進めていくためには、体育面につきましては、財団法人栗東市文化体育振興事業団と社団法人栗東市体育協会との一層の連携強化を図り、市民の皆様にわかり易く親しみ易い推進体制の整備を進めてまいります。
 文化面につきましては、芸術文化会館さきらを中心に、市民誰もが生きがいを感じながら文化活動に親しめる環境を目指して、その支援に努めてまいります。

 次に、「暮らしに安心を」であります。
 21世紀は人権の世紀として、今日まで各種の施策が実施されてきましたが、いまだに差別や偏見が払拭されたとは言い切れません。同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決は、心豊かな住みよいまちづくり実現のための根本であり、市政の大きな柱と位置づけ、人権意識の高揚と人権問題の解決に努めてまいります。
 市民生活の安全・安心の確保は、最優先すべき課題であると認識しています。そのためには、地域と協働による「防犯のまちづくり」の推進、自主防災組織との協働による「防災のまちづくり」の推進、公共施設の耐震化、安全な道路、河川の整備をしてまいります。また、通学時の安全確保を主としたカラー舗装化等の明示事業を推進していきます。
 旧株式会社RDエンジニアリング最終処分場問題につきましては、問題発生から11年が経過する中、本年に滋賀県と周辺自治会が有害物調査に同意する覚書等を交わされ、一定解決に向けた話し合いが前向きに動き出しました。これを受けて滋賀県では「旧RD最終処分場有害物調査検討委員会」を設置され、すでに調査に向けた検討も進められております。こうしたことから、今後市におきましては、周辺7自治会の皆様と調整を図りながら、国や県への積極的な働きかけをするなど、恒久対策工が早期に実施され市民の皆様の安全・安心が確保できるよう取り組んでまいります。
 冒頭に私は国や県の諸改革については、今後基礎自治体を重視して進められることは時代の要請でもあることを申し上げました。それは言い換えれば基礎自治体がそれに耐え得る適正な規模でなくてはならないとも言えます。市民皆様の暮らしの安心を確保する上での必要な政策施策のうち、広域的な取り組みによって市民生活向上に繋がるものを積極的に模索し、近隣自治体との広域連携の強化を図ってまいります。

 次に、「行政に安心を」であります。
 市民にわかりやすい組織機構のスリム化などの見直しを進め、厳しい財政状況のなかで選択と集中による諸施策の推進を図るため、行政改革の視点とあわせて、説明責任の果たせる市役所を目指します。
 併せて、当然のことながら職員の育成も重要であります。私は平成7年栗東町議会議員として初当選して以来、一貫して老・壮・青年・男女が協力して地域づくりやまちづくりに取り組むことの重要性を申し上げてまいりました。これは、私自身多くの活動を通じて、ひとの繋がりや絆がまちをつくり、そしてひとを育くむということを体験し、学んできたからであります。これからの市役所職員は、こうしたことを大切にして市民のための市役所職員として活躍してくれることを願い育成してまいります。
 また、本市は今日まで様々な行財政改革を実施し、事務事業の精査をしてまいりましたが、現下の厳しい行財政環境に対応するためには、さらなる見直しを実施しなくてはなりません。このため、市民目線ですべての事業を見直すための手法として事業仕分けを実施してまいります。
 こうした取り組みとともに、PDCAサイクルを活かした行政運営を継続しながら、さらなる民間活力の導入によって、フットワーク軽く動ける体制で議員皆様、全職員、市民の皆様との「全員野球」でこの難局を乗り切ってまいります。
 そして、今日までの市政の基本方針とされてきました「まちづくりの主役は市民」「行政はサービス業」「行政に民間的・経営的感覚を」を引継ぎ、「安心な元気都市 栗東」実現を目指した行政運営をしてまいります。

結びに

 結びに、私が尊敬する戦国時代の武将、武田信玄の言葉に「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」があります。つまり、頑強な城や石垣、堀よりも、人心が結束しなければ何事も治めることはできないということであり、これからの栗東市政の運営にたいへん重要な姿勢であると認識しております。
 職員とは良好な関係をつくりながら、一致団結した市政運営を心がけるとともに、私自身、人生の大きな岐路となった栗東市長選挙で市民の皆様から負託されたことに感謝申し上げながら、確乎不抜の信念で30年先にも責任が持てるまちづくりに向け、夢と希望を持って果敢に取り組んでまいります。
 どうか、議員皆様はじめ、市民皆様のご支援ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、私の所信と重点施策方針といたします。

この記事に関するお問い合わせ先
元気創造政策課(秘書)
〒520-3088
栗東市安養寺一丁目13番33号 栗東市役所3階
電話:077-551-0102
ファックス:077-553-1280
Eメール
みなさまのご意見をお聞かせください
このページの内容は分かりやすかったですか?
このページは見つけやすかったですか?
このページについてのご意見などがございましたら、ご記入ください。
回答が必要な場合は、電話、ファックス、Eメールなどで上記お問い合わせ先にお問い合わせください。

更新日:2017年06月08日