○栗東市農業次世代人材投資資金交付要綱

平成24年9月26日

告示第149号

(趣旨)

第1条 この要綱は、次世代を担う農業者となることを志向する新規就農者に対して経営開始型の農業次世代人材投資資金(以下「投資資金」という。)を交付することについて、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日23経営第3543号農林水産事務次官依命通知。以下「実施要綱」という。)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。

(交付対象者)

第2条 投資資金の交付対象者は、次の各号の全てに該当する者とする。

(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則45歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。

(2) 次に掲げる要件を満たす独立・自営就農であること。

 農地の所有権又は利用権を交付対象者が有していること(租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第70条の4第6項に規定する特例付加年金の支給を受けるため使用貸借による権利の設定をしている場合及び同条第22項に規定する営農困難時貸付けによる権利の設定をしている場合並びに同法第70条の4の2第1項に規定する特定貸付けの特例を受けている場合を除く。)ただし、親族から賃借した農地が主である場合は、交付期間中に当該農地の所有権を交付対象者に移転することを確約すること。

 主要な農業機械・施設を交付対象者が所有し、又は借り受けていること。

 生産物又は生産資材等を交付対象者の名義で出荷し、又は取引すること。

 交付対象者の農産物等の売上げ、経費の支出等の経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。

 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。

(3) 農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同条第3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。

(4) 青年等就農計画に農業次世代人材投資資金申請追加資料(実施要綱(別記1)別紙様式第2号)を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)が次に掲げる基準に適合していること。

 農業経営を開始して5年を経過するまでに農業(農業生産、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。

 計画の達成が実現可能であると見込まれること。

(5) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ、青年等就農計画等が、交付期間中に、新規作目の導入又は経営の多角化等の経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地及び資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始するものであること。ただし、1戸1法人(原則として世帯員のみで構成される法人をいう。)以外の農業法人を継承する場合は、交付の対象外とする。この場合において、交付対象者が農業経営を法人化している場合においては、第2号ア及び中「交付対象者」とあるのは「交付対象者又は交付対象者が経営する法人」と、同号ウ及び中「交付対象者」とあるのは「交付対象者が経営する法人」と読み替えるものとする。

(6) 人・農地プランに中心となる経営体として位置づけられていること若しくは位置づけられることが確実と見込まれていること又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)

(7) 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けておらず、かつ、原則として実施要綱(別記2)の農の雇用事業による助成を受けたことがある農業法人等でないこと。

(8) 原則として農林水産省経営局が運営する青年新規就農者ネットワークに加入していること。

(9) 園芸施設共済の引受対象となる施設を所有する場合は、気象災害等による被災に備えて、当該施設について、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険若しくは施工業者による保証等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。

(10) 農業経営の開始後5年以内であること。

(投資資金の額)

第3条 投資資金の額は、経営開始初年度は、交付期間1年につき1人当たり150万円とし、経営開始2年目以後は、交付期間1年につき1人当たり350万円から前年の総所得(農業経営開始後の所得に限り、投資資金を除く。以下同じ。)を減じた額に5分の3を乗じて得た額(その額に1円未満の端数が生じた場合は、その端数を切り捨てた額)とする。ただし、前年の総所得が100万円未満の場合は150万円とする。

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合における投資資金の額は、当該各号に定める額とする。

(1) 夫婦で農業経営を開始し、次の要件を満たす場合 交付期間1年につき夫婦合わせて、前項の規定により算出した額に1.5を乗じて得た額(その額に1円未満が生じた場合は、その端数を切り捨てた額)

 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。

 主要な経営資産を夫婦で共に所有していること。

 夫婦共に人・農地プランに位置づけられた者等であること。

(2) 複数の青年就農者が農業法人を設立し、共同経営する場合 当該青年就農者(当該農業法人及び青年就農者それぞれが人・農地プランに位置づけられた者等に限る。)に交付期間1年につきそれぞれ前項の規定により算出した額。ただし、経営開始後5年以上経過している農業者が法人を経営する場合は、交付の対象外とする。

(交付期間)

第4条 投資資金の交付期間は、最長5年間とする。ただし、申請年度の1年以上前に経営を開始した者にあっては、経営開始後5年度目分までとする。

(青年等就農計画等の承認申請)

第5条 交付対象者のうち投資資金の交付を受けようとするものは、青年等就農計画等を作成し、市長にその承認を申請しなければならない。

(青年等就農計画等の承認)

第6条 市長は、前条の規定による申請を受け付けたときは、青年等就農計画等の内容について審査しなければならない。

2 市長は、前項の規定による審査に当たっては、必要に応じて関係者で面接等を行うとともに、必要な書類等を追加で求めることができる。

3 市長は、第1項の規定による審査の結果、第2条に規定する要件を満たし、投資資金を交付して経営の開始及び定着を支援する必要があると認めた場合は、予算の範囲内で青年等就農計画等を承認し、審査の結果を申請した者に通知しなければならない。

(青年等就農計画等の変更承認申請)

第7条 前条第3項の規定による承認を受けた者(以下「承認交付対象者」という。)は、青年等就農計画等を変更しようとするときは、市長に計画の変更の承認を申請しなければならない。ただし、追加の設備投資を要しない程度の経営面積の拡大、品目ごとの経営面積の増減等の軽微な変更を除く。

(青年等就農計画等の変更承認)

第8条 第6条第2項及び第3項の規定は、前条の規定による申請があった場合について準用する。

(投資資金の交付申請)

第9条 承認交付対象者は、次に掲げる事項を記載した農業次世代人材投資資金(経営開始型)申請書(実施要綱(別記1)別紙様式第16号)を作成し、市長に投資資金の交付を申請することができる。

(1) 交付期間

(2) 交付期間のうち今回申請する投資資金の交付期間(以下「対象期間」という。)

(3) 前年の総所得

(4) 対象期間における交付金額

(5) 交付申請額

(6) 生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付の有無

(7) 投資資金の振込口座

2 前項の規定による申請は、半年ごと又は1年ごとに行うことを基本とし、原則として申請する投資資金の対象期間の最初の日から1年以内に行うものとする。

3 第7条に規定する青年等就農計画等の変更に伴い、第1項に規定する申請内容に変更が生じる場合は、承認交付対象者は、その変更を申請しなければならない。

(投資資金の交付)

第10条 市長は、前条第1項の規定による申請を受け付けた場合において、申請の内容が適当であると認めたときは、予算の範囲内で投資資金を交付する。

2 投資資金の交付は、半年ごとに行うことを基本とする。

3 市長は、前条第3項の規定による申請を受け付けた場合において、変更の内容が適当であると認めたときは、予算の範囲内で変更した内容に基づき投資資金を交付する。

(就農報告等)

第11条 投資資金の交付を受けた者(以下「受給者」という。)は、交付期間内及び交付期間終了後5年間、毎年7月末及び1月末までにその直前の6箇月の就農状況報告(実施要綱(別記1)別紙様式第9号)を市長に提出しなければならない。

2 受給者は、交付期間内及び交付期間終了後5年間に居住地又は電話番号等を変更した場合は、変更後1月以内に住所等変更届(実施要綱(別記1)別紙様式第12号)を市長に提出しなければならない。

3 受給者は、交付終了後の就農継続期間中にやむを得ない理由により就農を中断する場合は、中断後1月以内に就農中断届(実施要綱(別記1)別紙様式第15号)を市長に提出しなければならない。この場合において、就農中断期間は就農を中断した日から原則1年以内とし、就農を再開する場合は就農再開届(実施要綱(別記1)別紙様式第16号)を市長に提出しなければならない。

(就農状況の確認)

第12条 市長は、前条第1項の就農状況報告の提出を受け付けたときは、滋賀県大津・南部農業農村振興事務所、レーク滋賀農業協同組合等の関係機関と協力し、交付期間中、青年等就農計画等に即して計画的な就農ができているか実施状況を確認し、必要な場合は、関係機関と連携して適切な指導を行うものとする。

2 前項の規定による確認は、就農状況確認チェックリスト(実施要綱(別記1)別紙様式第17号)を使い、次のとおり行うものとする。

(1) 青年等就農計画等達成に向けた取組状況を確認するための受給者への面談

(2) 次に掲げる内容を確認するためのほ場確認

 耕作すべき農地が遊休化されていないこと。

 農作物が適切に生産されていること。

(3) 次に掲げる書類の確認

 作業日誌

 帳簿

 農地基本台帳の写し

(支援体制の整備)

第13条 市長は、交付対象者が抱える農業経営、農業技術、営農資金、農地等に係る諸課題への対応を支援するため、関係機関に属するものにより構成されるサポートチーム(以下「サポートチーム」という。)を組織するものとする。

2 サポートチームは、原則として毎年10月と4月の年2回、受給者を訪問し、当該受給者の経営状況の把握及び諸課題の相談に対応し、その結果をサポートチーム活動記録(実施要綱(別紙1)別紙様式第17号)に取りまとめるものとする。

(中間評価等)

第14条 市長は、受給者が投資資金を受給し始めてから2年が経過した時点で、当該受給者の農業経営状況等に関し中間評価を実施するものとする。

2 中間評価は、栗東市農業次世代人材投資資金交付事業中間評価会(以下「評価会」という。)において実施するものとし、就農状況報告等の関係書類、現地確認状況等を参考にしながら当該受給者の中間評価の区分を決定するものとする。

3 前項に規定する中間評価の区分は、A(良好)、B(やや不良)、及びC(不良)の3段階とする。

4 市長は、次の各号に掲げる受給者の中間評価の区分に従い、それぞれ当該各号に定めるところにより取り扱うものとする。

(1) A(良好)の評価を受けた受給者 投資資金の交付を継続する。

(2) B(やや不良)の評価を受けた受給者 サポートチームを中心とした重点指導の対象者として認定し、当該Bの評価を受けた時点から1年間は重点指導を行いつつ投資資金の交付を継続し、再度、評価会において中間評価に準じた評価を行う。

(3) C(不良)の評価を受けた受給者 投資資金の交付を中止する。

(受給の中止)

第15条 受給者は、投資資金の受給を中止する場合は市長に中止届(実施要綱(別記1)別紙様式第6号)を提出しなければならない。

2 市長は、前項の中止届の提出があった場合又は受給者が次の各号のいずれかに該当する場合は投資資金の交付を中止する。

(1) 第2条に規定する要件を満たさなくなった場合

(2) 農業経営を中止した場合

(3) 農業経営を休止した場合

(4) 第11条に規定する報告等を行わなかった場合

(5) 第12条に規定する就農状況の現地確認等により、適切な農業経営を行っていないと市長が判断した場合

(6) 国が実施する報告の徴収又は立入調査に協力しない場合

(7) 第14条第4項第3号の規定に該当する場合

(8) 交付対象者の前年の総所得(農業経営開始後の所得に限り、交付を受けた投資資金を除く。)が350万円以上であった場合(その後350万円を下回った場合は、翌年から投資資金の交付を再開することができる。)

(受給の休止)

第16条 受給者は、病気その他のやむを得ない理由により就農を休止する場合は、市長に休止届(実施要綱(別記1)別紙様式第7号)を提出しなければならない。

2 市長は、前項の休止届を受け付けた場合において、やむを得ないと認めるときは投資資金の交付を休止し、やむを得ないと認めないときは投資資金の交付を中止する。

3 前項の規定による休止を認められた受給者は、就農を再開する場合は、経営再開届(実施要綱(別記1)別紙様式第20号)を市長に提出しなければならない。

4 市長は、前項の経営再開届の提出を受け付けた場合において、適切に農業経営を行うことができると認めるときは、投資資金の交付を再開する。

(投資資金の返還)

第17条 受給者は、受給者が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該各号に規定する投資資金を返還しなければならない。ただし、第1号又は第4号に該当する場合であって、次条の申請により病気、災害等のやむを得ない事情として市長が認めた場合は、この限りでない。

(1) 第15条第2項第1号から第6号までに掲げるいずれかの要件に該当した時点が、既に交付した投資資金の交付対象期間である場合 残りの投資資金の交付対象期間の月数分(当該要件に該当した月を含む。)の投資資金

(2) 虚偽の申請等を行った場合 受給した全額の投資資金

(3) 第2条第2号アただし書に規定する投資資金の交付対象期間中に農地の所有権の移転が行われなかった場合 投資資金の全額

(4) 投資資金の交付対象期間(休止等により実際に交付を受けなかった期間を除く。)と同期間の営農を継続しなかった場合 既に交付した投資資金の総額に、営農を継続しなかった期間(月単位)を投資資金の交付対象期間(月単位)で除した値を乗じた額(ただし、第11条第3項の手続を行い、就農を中断した日から原則1年以内に就農再開し、就農中断期間と同期間更に就農継続した者及び第14条第3項に規定するC(不良)の評価を受けたものを除く。)

(返還免除)

第18条 受給者は、前条ただし書に規定するやむを得ない事情に該当する場合は、返還免除申請書(実施要綱(別記1)別紙様式第18号)を市長に提出しなければならない。

(その他)

第19条 この要綱に定めるもののほか、投資資金の交付に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この要綱は、平成24年9月26日から施行する。

(平成27年8月20日告示第122号)

(施行期日)

1 この告示は、平成27年8月20日から施行する。

(経過措置)

2 この告示の施行の際、現に改正前の栗東市青年就農給付金給付要綱の規定に基づき実施している事業に対する同要綱の適用については、なお従前の例による。

3 改正前の栗東市青年就農給付金給付要綱の規定に基づき給付を受けている者が、この告示の施行の日以後に、改正後の同要綱第3条第2項第1号の規定による夫婦での農業経営に計画変更する場合は、夫婦合わせて改正後の同要綱の適用を受けるものとする。

(平成30年4月1日告示第85号)

(施行期日)

1 この告示は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この告示による改正前の栗東市青年就農給付金給付要綱(以下「改正前の要綱」)の規定に基づき実施している事業に対する同要綱の適用については、なお従前の例による。

(令和3年3月24日告示第1016号)

この告示は、令和3年4月1日から施行する。

栗東市農業次世代人材投資資金交付要綱

平成24年9月26日 告示第149号

(令和3年4月1日施行)