○栗東市空家等対策条例

平成30年10月2日

条例第28号

目次

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 空家等の対策(第10条―第15条)

第3章 調査等(第16条―第20条)

第4章 特定空家等(第21条・第22条)

第5章 緊急安全措置等(第23条―第25条)

第6章 栗東市空家等対策協議会(第26条)

第7章 雑則(第27条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、空家等の増加が防災、防犯、衛生、景観等の生活環境に多くの問題を生じさせ、さらには地域社会の活力を低下させる原因の一つになっていることに鑑み、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)に定めるもののほか、空家等に関する必要な事項を定めることにより、空家等対策を総合的かつ計画的に推進し、もって市民等の安全で安心な生活環境の確保、魅力ある地域社会の実現及び地域の良好な景観の保全に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 空家等 市内に所在する建築物(居住の用に供するもので長屋及び共同住宅を除く。以下同じ。)又はこれに附属する工作物で居住その他の使用がなされていないことが常態(概ね半年以上をいう。)であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。以下同じ。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

(2) 特定空家等 前号に規定する空家等のうち、市長が次のいずれかに該当する状態(以下「管理不全状態」という。)であると認めたものをいう。

 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

 そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

 その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

(3) 跡地 空家等を除却した後の敷地をいう。

(4) 所有者等 空家等及び跡地の所有者又は管理者をいう。

(5) 市民等 市内に居住し、勤務し、又は在学する者をいう。

(6) 自治組織 自治会その他の地域住民で組織される団体をいう。

(7) 市民活動団体等 地域コミュニティの活性化若しくはまちづくり活動の促進に関わる市民活 動団体(ボランティア活動その他の公益的な活動を行うことを目的として市民が組織する団体をいう。)又は個人をいう。

(8) 事業者 不動産業、建設業その他の空家等又はその跡地の活用に関連する事業を営む者をいう。

(9) 関係者 所有者等、市民等、自治組織、市民活動団体等及び事業者の総称をいう。

(基本理念)

第3条 第4条から第9条までに定める各主体は、空家等の対策において、安全で安心な生活環境の保全を図り、あわせて地域資源としての活用を促進するため、地域の特性に応じた的確な対策を推進するとともに、各々の責務又は役割を果たし、相互に連携を図り、協力して取り組むよう努めるものとする。

(所有者等の責務)

第4条 所有者等は、基本理念にのっとり、所有し、又は管理する空家等が周辺の生活環境及び地域社会に悪影響を及ぼさないよう、自らの責任において適切に管理しなければならない。

2 所有者等は、周辺環境及び地域社会に配慮し、空家等及び跡地の活用に努めるものとする。

(市の責務)

第5条 市は、国の基本方針に即して空家等対策計画を策定し、これに基づき空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施しなければならない。

2 市は、基本理念にのっとり、空家等対策の推進に向け、関係者の参加及び協力を促進しなければならない。

(市民等の役割)

第6条 市民等は、基本理念にのっとり、空家等の活用に協力するとともに、空家等の発生の予防に努めるものとする。

(自治組織の役割)

第7条 自治組織は、基本理念にのっとり、空家等の状況及び所有者等に関する情報の把握に努めるものとする。

2 自治組織は、空家等の適正管理に関する助言及び相談に協力するよう努めるものとする。

3 自治組織は、地域の特性及び課題に応じて、空家等を地域資源として捉え、空家等及び跡地の活用に努めるものとする。

(市民活動団体等の役割)

第8条 市民活動団体等は、基本理念にのっとり、空家等を地域資源として捉え、空家等及び跡地の活用に努めるものとする。

(事業者の役割)

第9条 事業者は、基本理念にのっとり、地域の特性及び課題に応じて、空家等を地域資源として捉え、空家等及び跡地の活用並びに流通の促進に努めるものとする。

第2章 空家等の対策

(基本的施策)

第10条 市は、この条例の目的を達成するために、関係者と相互にその果たす責務又は役割を理解し、協力して、次に掲げる空家等対策の基本的施策に取り組まなければならない。

(1) 空家等の地域に与える影響、経済的な負担等を情報発信する啓発活動及び基本理念の意識醸成

(2) 将来空家等となることが見込まれる建築物の情報収集、相談体制の整備等空家等の発生の総合的な予防対策

(3) 空家等の早期発見及び情報共有

(4) 空家等及び跡地を地域コミュニティ及びまちづくりの地域資源として捉えた活用並びに流通の促進

(空家等の発生の予防)

第11条 建築物(次項に規定するものを除く。)の所有者又は管理者は、当該建築物の老朽化、未登記その他将来において空家等の発生原因となるおそれがあるときは、改修、除却、登記その他空家等の発生を予防するために必要な措置を講じるよう努めるものとする。

2 地域の景観及びコミュニティを構成する重要な建築物の所有者又は管理者は、保全する関係者と連携し、当該建築物の管理及び空家等の発生の予防に努めるものとする。

3 市は、前項の建築物の保全のために必要な支援その他空家等の発生の予防に資する措置を講じるものとする。

(空家等に関する相談)

第12条 市は、関係者と連携し、空家等の予防に向け、空家等の相続、登記、将来の活用等に関する相談に対応できる相談体制の整備に努めるものとする。

(空家等の適切な管理)

第13条 所有者等は、当該空家等が管理不全状態とならないように、自らの責任において適切に管理しなければならない。

2 所有者等は、当該空家等が管理不全状態にあるときは、自らの責任において直ちにその状態を解消しなければならない。

(所有者等への情報提供等)

第14条 市は、空家等が管理不全状態となることを予防する必要があると認められるとき又は管理不全状態になっているときは、当該所有者等に対し、除却、修繕及び立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために、法第12条による情報の提供、助言その他必要な支援に努めるものとする。

(空家等及び跡地の活用)

第15条 所有者等は、当該空家等及び跡地を利用する見込みがないときは、賃貸、譲渡その他の活用に努めるものとする。

2 市民等、自治組織、市民活動団体等及び事業者は、前項の取組に協力するよう努めるものとする。

3 所有者等は、利用の見込みがなく取り壊す空家等から発生する建築材の再利用及び再資源化に努めるものとする。

第3章 調査等

(空家等の現況把握)

第16条 市は、自治組織と連携し、市内に存在する正確な空家等の数、立地、状態等を把握するため、空家等の現況調査を実施するよう努めるものとする。

(情報提供)

第17条 建築物の所有者又は管理者は、当該建築物が空家等となった場合は、市又は自治組織に報告し、所在地、連絡先その他必要な情報を提供するよう努めるものとする。

2 市民等は、適切な管理が行われていない空家等を発見したときは、速やかに、その情報を市又は自治組織に提供するよう努めるものとする。

3 自治組織は、新たに空家等が発生したときは、速やかに市にその情報を提供するよう努めるものとする。

(実態調査)

第18条 市長は、空家等に関する情報提供があったとき又は適切な管理が行われていない空家等があると認められるときは、当該空家等の実態について調査を行うものとする。

(報告の徴収)

第19条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、所有者等に対し、当該空家等の使用及び管理の状況について報告を求めることができる。

(立入調査等)

第20条 市長は、管理不全状態である空家等の所有者又は管理者に対し、法第9条第1項の規定による調査を行うときは、同条第2項の規定により、市長が指名する職員又は市長が委任する者(以下「職員等」という。)に当該空家等の敷地に立ち入らせることができる。

2 市長は、前項の規定により職員等を空家等の敷地に立ち入らせようとするときは、事前に当該所有者等にその旨を通知しなければならない。

3 空家等の敷地に立ち入ろうとする職員等は、その身分を示す証明書を携帯し、所有者等の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第1項による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第4章 特定空家等

(特定空家等の認定)

第21条 特定空家等は、法第6条第1項の規定により定める空家等対策計画に基づき市長が認定する。

(特定空家等の所有者等への助言等)

第22条 市長は、特定空家等の所有者及び管理者に対し、法第14条第1項から第3項までの規定による助言又は指導、勧告及び命令をするものとする。

第5章 緊急安全措置等

(緊急安全措置)

第23条 市長は、特定空家等に倒壊、崩壊、崩落その他著しい危険が切迫し、それにより人の生命若しくは身体に対する危害若しくは財産に対する甚大な損害を及ぼし、又はそのおそれがあると認められるときは、その危害等を予防し、又はその拡大を防ぐため、行政代執行法(昭和23年法律第43号)第3条第3項の規定に基づき、必要な最小限度の措置を講ずるものとする。

2 市長は、前項の措置を講じたときは、当該所有者等に係る空家等の所在地及び当該措置の内容を当該所有者等に通知しなければならない。

3 市長は、第1項の措置を講じた場合において、当該措置に係る所有者等又はその連絡先を確知できないときは、前項の規定にかかわらず、当該措置に係る空家等の所在地及び措置の内容を告示しなければならない。

4 市長は、第1項の措置を講じたときは、当該措置に要した費用を当該所有者等から徴収する。

(軽微な措置)

第24条 市長は、特定空家等の敷地内に立ち入り、開放されている窓の閉鎖等軽微な措置を取ることにより、地域における防災上、防犯上若しくは生活環境若しくは景観の保全上の支障を除去し、又は軽減することができる。

2 市長は、前項の措置を講じるときは、当該所有者等に係る空家等の所在地及び当該措置の内容を当該所有者等にあらかじめ通知しなければならない。

3 市長は、第1項の措置を講じる場合において、当該措置に係る所有者等又はその連絡先を確知できないときは、前項の規定にかかわらず、当該措置に係る空家等の所在地及び措置の内容を事前に告示しなければならない。

4 市長は、第1項の措置を講じたときは、当該措置に要した費用を当該所有者等から徴収する。

(災害等緊急時における措置)

第25条 第23条の規定は、災害等により空家等が管理不全状態となり著しい危険が切迫している場合について準用する。この場合において、同条第1項中「特定空家等」とあるのは、「管理不全状態の空家等」と読み替えるものとする。

第6章 栗東市空家等対策協議会

(栗東市空家等対策協議会)

第26条 特定空家等に係る措置の実施等に関し必要な事項を調査し、協議するため、法第7条第1項の規定により、栗東市空家等対策協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

2 協議会の運営について必要な事項は、規則で定める。

第7章 雑則

(委任)

第27条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(栗東市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 栗東市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年栗東町条例第24号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

栗東市空家等対策条例

平成30年10月2日 条例第28号

(平成30年10月2日施行)

体系情報
第9編 設/第5章
沿革情報
平成30年10月2日 条例第28号