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りっとう再発見 栗東に残る日清戦争
近江金勝十二景
名 称 場 所 場 所
久邇宮家御料地 荒張 久邇宮御料林
(現存せず)
大野神社 荒張 大野神社
春日神社 荒張 春日神社
七曲の奇景 荒張 七曲渓谷
狛坂国見岩 荒張 国見岩
狛坂寺の磨崖仏 荒張 狛坂磨崖仏
八大竜王 荒張 八大竜王
金勝寺本堂・仁王門 荒張 金勝寺
九品の滝 井上 九品の滝
阿弥陀寺 東坂 阿弥陀寺
善勝寺 御園 善勝寺
(現存せず)
日吉神社 上砥山 日吉神社
 古くから風光明媚な土地として知られた近江国(滋賀県)では、多くの名所が生まれました。その代表的なものに、「近江八景」があります。特定の地域の中から景勝地を選び、「八景」と称して愛でる行為(八景物)は、中国の瀟湘八景をルーツとしますが、江戸時代以降の日本でも流行しました。近江八景は、日本を代表する八景物の1つとしても知られています。近年では、各地の自治体や観光協会などが中心になってご当地の八景を選び、名所としてPRすることも多く、平成元年(1989)には栗東町(当時)でも「栗東八景」が選ばれています。
 今から100年ほど昔の大正時代にも、景勝地を選んでご当地を広く知ってもらおうという動きがありました。近江金勝保存会による「近江金勝十二景」の選定です。大正13年(1924)頃に選ばれた近江金勝十二景は、草津駅を起点とする全行程8里(約32q)のコースで、少々過密なスケジュールとはなるものの、1日で訪れることができる範囲から選ばれています。近江金勝保存会では、草津駅からの行程と金勝地域の案内図を描いたパンフレットや、絵葉書を作成し、近江金勝十二景や金勝を紹介しました。直前の大正11年(1922)に手原駅が開業していたことも相まって、金勝を訪れる観光客は増加したと言います。
 近江金勝保存会の中心となったのは、金勝小学校 校長の久保久一郎でした。彼は、後の大正15年(1926)に刊行される『近江栗太郡志』の編さん委員を務めたことで知られています。その過程で近江金勝十二景が選定された背景には、金勝で育まれた豊かな自然や、悠久の時を刻む文化財を後世に伝えたという思いがあったのかもしれません。
 秋の行楽シーズン、近江金勝十二景の世界を訪れてみてはいかがでしょうか。

良弁僧正1250年御遠忌記念・収蔵品展「栗東の神・仏」
 金勝寺を開いた僧・良弁僧正1250年御遠忌によせて、収蔵資料から、栗東に花開いた宗教文化について紹介します。
会期 11月26日(日)まで
※詳細はお知らせ版のこちらをご覧ください

 上記会期中に、通史展示「栗東の歴史と民俗」内で、「近江金勝十二景」に関わる資料を紹介します。
問合せ
栗東歴史民俗博物館 TEL.554-2733 FAX.554-2755
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