りっとう再発見

221風景画家・西田恵泉と新蔵資料「魞漁」

魞漁
▲魞漁
海津大崎
▲海津大崎

 西田恵泉は、栗太郡大宝村綣(栗東市綣)出身の画家で、明治35年(1902)に西田宇之助・こんの三男として生まれました。幼い頃より画家を志し、大正6年(1917)の大宝尋常高等小学校卒業後、さまざまな師や環境で研鑽を重ねたことで、昭和3 年(1928)に中央美術展に入選しています。中央美術展入選後は、帝展・文展・日展など活躍の場を増やし、滋賀県内でも勢力的な活動がみられます。そんな恵泉は特に風景画家として著名で、郷里である湖国・滋賀の風景を好んでよく描いており、農村風景や琵琶湖に関わる作品を多く残す郷土画家でもあります。

 栗東歴史民俗博物館では、開館以来、郷土画家である西田恵泉の作品を収集しており、令和7年には個人から新たに5点の作品が寄贈されました。その内、比較的大型のものが「海津大崎」と「魞漁」です。2点とも栗東市内の風景ではないものの、滋賀県内の風景を描いた作品であり、湖国の風景画家である恵泉らしい作品です。特に「魞漁」は、柔らかい筆致や淡い色使いなど恵泉の作品に度々見られる表現が用いられ、青々とした比良山系を背景に、早朝の朝日が魞と湖面を照らす様子が描かれる、どこか情緒的で味わい深い作品となっています。

 「魞」は本品以外にも複数の作品があることから、特に恵泉が好んだ画題でもあることが分かります。

栗東歴史民俗博物館は令和8年度の展覧会、栗東市市制施行25周年記念特集展示として西田恵泉を取り上げます。市制施行25年の節目の年に、郷土の画家である西田恵泉の作品を通して栗東の原風景を辿る展示を目指します。今回紹介した新蔵資料である「魞漁」も出品する予定です。

 ぜひ現地にて、恵泉の描いた湖国と栗東の風景に触れてみてください。

■栗東市市制施行25周年記念特集展示
「郷土の原風景─西田恵泉のみた栗東─」

会期 5月23日(土)から7月5日(日)まで
※詳細はお知らせ版をご覧ください

西田恵泉 自画像(大正8年)
▲「西田恵泉 自画像」(大正8年)

問合わせ
歴史民俗博物館
TEL:077-554-2733 / FAX:077-554-2755