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 りっとうの景観を語る
*ふるさと風景〜わがまち栗東〜を百年先の次代へと継承するため、「景観条例」「百年計画」を制定しました。
「すだじい」は、団栗の一種。団結する栗東市民を意味します。
 
第23回寄稿 西川 賢司

栗東芸術文化会館さきら 事業担当部長
栗東市街道百年ファンクラブ・会員

◎景観と芸術文化を活かしたまちづくり

 芸術文化を活かしたまちづくりを目指して、これまでに、「下鈎甲自治会」・「観音寺自治会」・「六地蔵自治会」、そして「栗東市街道百年ファンクラブ」の皆さんとコラボレーションし、「さきら御旅所コンサート」を行ってきました。美しい景観に包まれ、地域の人々との語らいを通じて、今、このまちに連綿と息づく自然の恵みに対する感謝の気持ちや、歴史に刻まれた先人たちの思いに深い感銘を受けています。長い歴史を経て受け継がれている、素晴らしい景観や地域の人々の生活文化の趣は、アーティストやわれわれ創り手の心を奮わせ、一瞬にしてその地の魅力に吸い寄せられます。
 「御旅所コンサート」では、まず地域にまつわるいろいろなエピソードを取材し、オリジナルの物語を創ります。歴史的な文脈に連なり創られた物語が、地域の人々の語りと音楽により生命を持ち、普段見慣れた光景から呼び覚まされる魅力となって、住む人々や訪れた人たちと交信されるのです。
 悠久の時を超えたまちづくりへの思い〜住み続けたいまち・下鈎〜を物語にした「下鈎甲百年先にとどけるストーリー」。少年の成長と母の気持ちを、山の息吹と清らかな水音、精霊が奏でる天上の響きに乗せて創作した物語「観音寺のおとげしき」。いにしえの時代から道が人と人をつなぐ、行き交う人の喜怒哀楽とそこに住む人々の営みを物語にした「六地蔵シンフォニー」。その地に住む語り手の言葉が、時空を超えた心情風景を浮かび上がらせ、大切な心の原風景を共感することができたと思っています。
 こうしたコラボレーションを通じて、生活文化から生まれ培われてきた地域の人々の価値観や美意識は、新たな物語、歴史を生み出すための根源的なエネルギーであると深く感じました。この美意識や誇りを百年先に届けていくために、芸術文化の役割はたくさんあるのではないかと思っています。
 この取り組みを最初に行った時に、自治会長さんとお話ししていて特に印象に残っているのが「歴史は求めるものではなく、動き出した後ろに歴史は出来る」というお言葉でした。
 新たな物語を創り続けるこのまちのポテンシャルを大いに感じています。

問合せ
都市計画課 TEL551-0116 FAX.552-7000
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