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りっとう再発見 栗東に残る日清戦争
 今回は出土文化財の記録写真の撮影についてお話しします。
 今年も、撮影を待つ出土文化財が揃いました。日々、発掘調査に携わっている私たちでも、洗浄され、接合復元されて当時の姿に戻された歴史の証人たちのその迫力には、毎回圧倒されます。
 文化財そのものを実物資料として管理・保管することと同時に、記録として別の形で残すことも、文化財の保護にとっては大切なことといえます。
 記録には、文字情報によるものと画像情報によるものがあります。最近では、まさに3D画像などもありますが、出土文化財としての画像情報は、実測図や拓本、そして写真がその主な記録手段として利用されています。
 通常、出土文化財は現地調査での調査記録写真の撮影と同じく、調査担当者が整理調査の中で撮影するのが一般的です。しかし、その中でも資料的な価値の高い重要な出土文化財については、高品質の記録写真を残す必要があることから、文化財写真専門のカメラマンに依頼して撮影を行っています。
 皆さんは一般にフィルムによる写真撮影といえば、微妙な色の違いを表現できるその情報量の多さでカラー写真を想像されるでしょう。一方、最近広く知られた幕末に撮影された坂本龍馬の写真に代表されるモノクロ写真は、半永久的な保存性を持っています。市の出土文化財の撮影では、このように情報量と情報の信頼性が高いフィルムで撮影を行っています。デジタルカメラによる写真撮影が今日では主流となっていますが、保存媒体の破損などによりデータが永久に失われてしまう恐れがあることなどから、重要な出土文化財の撮影には採用していません。
 図は、文化財写真専門カメラマンの撮影用設営機材の一例です。今回撮影した写真も、このような大掛かりな撮影機材を利用して撮影しました。
 さて、今年はどんな発掘調査の調査成果が撮影されたのでしょうか。これから、記録から情報に加工され、パンフレットや広報紙などを通じて皆さんに紹介できると思います。ご期待ください。
問合せ
出土文化財センター TEL.553-3359 FAX.553-3514
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