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私たち、栗東の大学生
 栗東にある二つの大学「栗東100歳大学」「はつらつ教養大学」。高齢者を対象に、いつまでも元気にいきいきとした人生を送ることを支援するために市が開校しています。今月は、どんな講義が行われているのか、その一コマをのぞいてみましょう。
 「自分も何か学んでみたい」「楽しそう」と思った皆さん、より充実した日々のため、来年度は栗東の大学生として仲間と学び合いませんか。
100歳人生をどう生きる?全国初の取り組み「栗東100歳大学」
■充実した今後の人生を学び、考える
 「栗東100歳大学」は、充実した今後の人生を学び、考えていくための大学として、昨年10月に開校しました。可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるようにする「地域包括ケアシステム」の確立を目指し、全国初の取り組みとして始まりました。
 開校に先駆けて、9月19日に開催された第1回の公開講座では、100歳大学を提唱した元滋賀県知事の國松善次さん(出庭)が「人生100歳時代をどう生きる」と題して講演。「100歳大学には入試も試験もない。だれもが『老い方』について学べる仕組みを作りたい」と意義を語りました。
 受講対象となっているのは、市内在住の65歳・66歳の皆さん。今後の人生で、自身の健康づくりや生きがいづくりに取り組みながら、社会貢献も期待される世代です。カリキュラムは、「健康づくり」「生きがいづくり」「福祉」「地域」「幸せづくり」の5科目。週1回、全40回の講座で、38人が学んでいます。
■身近な実例から現状や課題を知る
 100歳大学の特徴は、講師が地域で活躍する人材であること。講義と実技を踏まえ、身近な実例から知識や実践能力を高めています。
 2月4日は、コミュニティセンター葉山で「地域」の科目が開かれ、栗東市自治連合会の富永健二郎会長を講師に、自治会の現状と課題を学びました。「顔を合わせることや笑顔を大切に、さまざまな自治会行事をつうじて住民同士の結束力を高めることができればと思います。どんな時も話し合いを大切に、できるだけ住民の皆さんが無理なく参加できる垣根の低い仕組みが作れるように励んでいくことが重要です」という、4年間の自治会長経験をもとにした富永さんの言葉に、熱心にメモをとる受講生の皆さん。実技では、「もしも自分が自治会長になったら」と仮定し、やりがいや難しさを隣同士で話し合い、発表しました。
■これからの取組みを受講生が主体的に考えていく大学
 100歳大学に入学したきっかけは「栗東を愛する気持ちが強く、自分のためになると考えて」「いきいきとした老後を送るために頑張っている人の話を聴きたい」「ネットワークを作りたい」「生涯現役で社会と関わり、自分には何ができるのか糸口を見つけたい」と受講生の思いはさまざま。
 半分の講義を終え、今後は、「残りの人生のいかし方を考えたい」「同じ志を持つもので活動したい」「地域への奉仕活動がしたい」「栗東を住みよい活力のあるまちにしていきたい」と前向きな意見が出ています。これからの取組みは未知数。どうしていくのかを受講生自らが主体的に話し合いながら、講座は7月まで続きます。
 仲間とともに生き方を見つめ、人生を創造していく皆さん。続く2期生は広報などで募集し、9月に開校予定です。65歳を迎える皆さん、100歳大学で充実した今後の人生をともに考えてみませんか。
 自治会長になったと仮定し、仲間と考えました

水野 繁さん
(66歳)
 もし、自治会長なら、みんなに喜んでもらえることができたらと思います。
 難しさは、その「みんなに喜んでもらう」ことがなかなかできないところにあり、だからこそやりがいにつながるのではないでしょうか。

千代平一郎さん
(65歳)
 今、ちょうど自治会長をしています。
 自治会長が情熱を持たないとダメだと思います。やりがいを感じるのは、皆さんの笑顔を見た時です。「やってよかった!」と思います。
 しかしながら、世代間の差もあり、すべての人に満足してもらおうと思うと、難しいです。
問合せ
長寿福祉課 地域支援係 TEL.551-0198 FAX.551-0548
学区内の仲間が同級生 身近な学びの場 「はつらつ教養大学」
■高齢者の身近な「大学」
 「はつらつ教養大学」は、おおむね60歳以上の高齢者の学びの場として昭和50年代に始まりました。長い歴史の中、平成18年度から21年度は、各コミュニティセンターの独自企画運営として実施。平成22年度からは再び市が主催し、多様化する受講生のニーズや地域課題にも対応した講座を開催し、生きがいづくりにつなげています。
 講座は学区単位で年間5回開催され、それぞれの地域の希望や課題に合わせたものになっています。学区内の仲間と交流し、学びを深めることができるため、高齢者にとっては、身近な「大学」です。
■似合う色で心身ともに若返ろう
 金勝学区では、11月13日、コミュニティセンター金勝で、本年度4回目の講座を開催。「おしゃれ講座〜5歳若返るおしゃれの秘訣〜」として、カラーコーディネーターの村上瞳さんを講師に色が与える心理的影響などを学びました。
 受講生15人は、色の持つイメージを学習後、実際に顔や手に色布をあて、自分を健康的にいきいきと魅力的に見せてくれる色を探しました。「例えば赤を取り入れるとエネルギッシュな自分になれます。今日はどんな自分でいたいのかを考えながら服を選んでみましょう」「おしゃれをすると心がうきうきします。まさに心の栄養です。自分に似合う色を知り、取り入れることで、若々しさを保つことができます」という村上さんの言葉に明るい表情の受講生の皆さん。持参したマフラーやスカーフでおしゃれに見える巻き方も教わり、「色でこんなに自分のイメージが違うことに驚きました」「これからは似合う色で、どんどんとおしゃれをして外に出ていきたい」と笑顔があふれる時間になりました。
■「参加したい!」の気持ちがあれば、だれもが学べる場
 「健康医学」「健康体操」「音楽会」「介護」「歴史」「物作り」など、多様なテーマで生涯学習を推進する、はつらつ教養大学。「独りでテレビを見ている時もいいですが、みんなと集まり、気楽な雰囲気で勉強するのも楽しいです」「来年度も元気で参加したい」「いろんな講座があり、学ぶことがたくさんあります」との声があがっています。
 平成28年度の大学は5月に開講。市内在住の高齢者であれば、だれでもその学区の受講生になることができます。案内はコミセンだよりなどに掲載予定。受講料も無料で、必要なのは、「参加してみたい!」と思う気持ちだけです。地域にある身近な「大学」として、気軽に参加できる学びの場。来年度は同じ仲間として、楽しい時間をともに過ごしませんか。
 スカーフやマフラーを素敵に。はつらつ教養大学でおしゃれ力アップ!
高野恭子さん(66歳) 山口重三さん(79歳) 辻 鈴枝さん(79歳)
はっきりした色が似合うことが分かりました!自分に合う色を取り入れ、スカーフ使いもマスターしたいです。 ここではいろんなことが勉強できます。毎回楽しみにしています。 いつも家族がコーディネートを助けてくれます。赤色が好きなので、これからも赤でエネルギーをもらって若返りたいです。
 小学1年生に昔の遊びを伝授
岩本さよ子さん(76歳) 寺澤 清さん(72歳)
 はつらつ教養大学の講座の一つとして、葉山学区では、毎年、葉山小学校の児童との交流が企画されています。12月4日は、受講生の皆さんが先生役となって、おはじきやコマまわしなど、昔の遊びを1年生に教えました。
 「約20年間、この大学に参加しています。地域の子どもが声をかけてくれますし、何より元気をもらっています」と岩本さよ子さん。「同じ年頃の孫がいます。孫に教えているかのようで、楽しかったです」と寺澤清さん。ふれあいが深まるひとときになりました。
問合せ
生涯学習課 生涯学習推進係 TEL.551-0145 FAX.552-5544
 より豊かな人生を送るための学びのススメ

吉田進さん
(77歳・川辺)
60歳で会社を定年退職し、滋賀県レイカディア大学に入学しました。この大学は、高齢者が新しい知識や技術を身に付け、地域の担い手として登場できるように支援するために開校されています。私は「畑で野菜作りをしてみたい」と考え、第22期生として、園芸学科で2年間学びました。
 レイカディア大学の仲間は、クラスで年齢・経歴がさまざまで刺激を受けましたが、卒業後も地域で活躍する多くの仲間がいます。私は草津栗東支部のOB会で「同窓会だより」の発行などに携わり、多くの会員とのつながりがあります。
 また、入学と同時期にレイカディア大学の先輩の勧めで栗東市の観光ガイド養成講座を受講し、栗東を知り、今でもボランティア観光ガイドの一員として皆さんをおもてなししています。
 NPO法人街道をいかしたまちづくりの会、栗東歴史民俗博物館市民学芸員の会のメンバーとしてもボランティア活動をしています。
 常に興味のある講演などには積極的に参加するようにしています。
 退職後の学びはすべて自分のためになり、多くの人との出会いにつながっています。今後、高齢の域に入っていく皆さんには「何にでも興味を持ってやってみてください」と伝えたいです。
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