若い世代の皆さんや最近市民になった皆さんはあまりご存じではないかもしれませんが、明治の頃まで、現在の栗東市は、草津市・守山市の一部や、大津市瀬田周辺地域とともに「栗太郡」という行政単位を構成していました。また、野洲市、守山市の大部分は「野洲郡」となっていました。その範囲は、おおむね野洲川流域から瀬田川東岸にかけての、いわゆる「湖南地域」にあたります。
「郡」という制度は奈良時代前後に整えられたとみられますが、栗太郡と野洲郡のつながりや関係はそれよりはるか以前から深く、地域の歴史・人々の営みを考えるためには、現在の行政区域を越えた、少なくとも旧「郡」単位程度の大きな視点が必要なのです。
その際、重要な地域資源でもある考古学資料は有効な道具となっています。そして湖南地域は滋賀県下でも遺跡の数、発掘調査例ともに有数な地域であり、これまでに各時代にわたる多くの考古学資料が蓄積されてきています。
今回、博物館では「出た・見た・触れた 先人からのメッセージ〜湖南の最新発掘調査成果を中心に〜」と題する企画展を開催します。
この展覧会は、草津市・守山市・野洲市および滋賀県の各教育委員会と連携して、平成26〜28年度を中心に湖南地域で実施された発掘調査によって発見された最新の考古学資料、黒土遺跡・榊差遺跡(草津市)、三上遺跡・西河原森ノ内遺跡(野洲市)、吉身西遺跡・二ノ畦遺跡(守山市)、蜂屋遺跡・手原遺跡(栗東市)出土資料などを用いて構成します。
展示をとおして、近江(滋賀県)の歴史における湖南地域ならびに栗東市が占める重要性を再認識できるとともに、そこから郷土に対するよりいっそうの愛着を深めていただけると考えています。
ぜひこの機会に、栗東市の歴史に思いをはせてください。
●会期…
7月8日(土)〜8月20日(日)
●報告会…
7月29日(土) 13畤〜17時
※博物館研修室で関係調査機関担当者による調査研究報告会を開催します。当日受付で、資料代は200円です。
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問合せ
栗東歴史民俗博物館 TEL.554-2733 FAX.554-2755 |
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