トップページ(目次)へ 
 地域で子育て
放課後
 勉強や遊び。放課後は、地域の人がいろんなことを教えてくれる。
 「地域の子どもをみんなで育てよう」と家庭・小学校・地域が連携した取組みが市内各所で展開されています。
 子どもたちを見守る、たくさんのやさしいまなざし。地域の皆さんが、子どもたちの成長を支えています。
地域の大人がスタッフとして放課後、子どもたちを見守る
 市内7学区には、放課後、子どもたちの安全な居場所づくりを目指して開かれている場があります。ここで、スタッフとして子どもたちを見守っているのは、地域の皆さんです。
 その一つとして、大宝西学区で開催されているのが「大宝西ふれあい子ども広場」。子ども広場は、毎週水曜日、15時〜17時に活動しています。大宝西小学校の1〜3年生40人が、小学校の体育館やコミュニティセンターで、自由な遊び、宿題、季節の行事、誕生会などで、放課後の楽しい時間を過ごしています。
 スタッフとして登録しているのは、15人。民生委員・児童委員、地域のボランティア、保護者スタッフの皆さんです。
7月は、季節行事「七夕」を楽しむ
 7月5日、小学校の体育館で開かれた子ども広場では、最初の30分間、子どもたちの宿題をスタッフが見守ります。
 宿題の後は、七夕にちなみ、七夕飾りづくり。一人ひとりが短冊に願いごとを書いて、みんなで笹に飾りました。「だれもが笑顔になれますように」「いいことがいっぱいおきますように」。参加者の願いでいっぱいになった笹は、コミュニティセンターに飾られました。
子ども・スタッフ・保護者だれにとっても大切な場
 保護者スタッフ代表の中村里美さんは、長女が小学1年生の時に、子ども広場に預け、翌年にスタッフとなって以来、6年間、関わり続けています。
 「次女が5年生のため、子ども広場は卒業しているのですが、今もスタッフとして関わっています。民生委員さんやボランティアさんがおじいちゃん・おばあちゃんのような役割をしてくださっているので、保護者である私は、お母さん役として接し、必要な時は、子どもをしかったりもしています。保護者にとって、いつも子どもと一緒にいるのではなく、少し離れた時間も大切だと思います。ここでは、子どもの普段と違った姿を見ることができ、新しい発見ができます。地域のつながりもできました。今、保護者スタッフが3人なので、もっと増えてほしいと願っています」と語ってくださいました。
 また、3年生の福島巧さんは次のように話します。「地域の人と一緒にじゃんけんしたり、毎週楽しみにしています。よく遊んでくれるスタッフの奥原さんは、まるで本当のおじいちゃんのようです。来年は4年生になるので、ここで遊べなくなることが寂しいです」。
 地域の力で開かれている、放課後の安全な居場所。関わるすべての人にとって、子ども広場は大切な場になっています。
 見守るスタッフ
 孫が子ども広場でお世話になったのをきっかけに、8年前から関わっています。消極的な子には、積極的に声をかけるように心がけています。自宅の畑にいると、ここで出会った子が声をかけてくれることもあり、うれしいです。
奥原庄吾さん(72歳)
 今回初めて参加しましたが、子どもたちの学びや遊びを見守りながら、とても楽しい時間でした。まるで昔の寺子屋のようで、地域の絆が深まる素晴らしい場だと思います。
小林嘉代子さん(65歳)
 民生委員・児童委員をしています。育ってきた時代が違うため、今、子どもたちはこんなことを学んでいるのかと、勉強になります。この場でみんなと会えることが楽しみで、子どもたちからエネルギーをもらっています。
田村重之さん(69歳)
授業
 授業で交流。地域の人と一緒の楽しい時間。
畑でともに野菜を育てる 収穫した野菜は感謝のカレーに
 市内各小学校では、子どもたちと地域の皆さんが交流する授業が展開されています。
 治田東小学校では、毎年、2年生が生活科の授業で、校内にある畑で地域の皆さんに教えてもらいながら、一緒に野菜を栽培。約10uの畑は、開かれた学校を目指して、平成25年度に作られました。一緒に苗植えをし、収穫した野菜は、カレーパーティーを開き、日頃の感謝を込めて、皆さんを招待し、ともに味わっています。
 7月13日に開催された「夏野菜カレーパーティー」には、スクールガード、放課後の子どもたちを見守る「チャレンジはるひがっこ」のボランティア、民生委員・児童委員の13人の皆さんが招待されました。
クイズとカレーを楽しみ ともに過ごすひととき
 まず、児童は、自分たちの学校や地域のよさを見つけて、クイズにして皆さんに発表。「タコ公園のすべり台の数は?」「平葉の長い道の横には何がある?」などの地域ならではのクイズで盛り上がりました。
 カレーパーティーでは、畑で収穫した、トマト、ピーマン、ナス、ししとうがたっぷり入ったカレーが登場。食材は前日に児童が切りました。ともに育てた野菜を使ったカレーを囲みながら、ふれあいを深める時間になりました。
分団探検で大発見! 案内してくれるのは地域の人
 葉山小学校では、6月29日、「分団探検で大発見!葉山の『すてき!』や『ふしぎ?』を詳しく調べよう」と題した授業が行われました。
 3年生が5班に分かれて保護者とともに地域を探検し、各場所で、地域の人から話を聞きました。
 大橋を巡るコースでは、慶崇寺で、大橋の歴史や伝統文化に詳しい大隅良次さんが説明。「仏教は、命の大切さや生きる目的を説いた教えであること。また、地域の文化を知ってもらいたい」と、堂内に続いて、境内にある、昔の住職が詠んだ「栗太八景」の碑文などを解説しました(写真)。
 歩いて探検しながら、校外で学習した子どもたち。熱心にメモをとりながら、自分たちの住む地域を学びました。
登下校
 登下校も安心。雨や雪の日もあたたかな見守り。
毎朝、多くの皆さんが登校する児童を見守り
 毎日の登下校にも、子どもたちを見守る地域のあたたかなまなざしがあります。
 金勝学区でも、毎日、多くの皆さんが子どもたちの安全な登校のために見守り活動を展開。その一人、山本正一さんは、毎朝、井上から山入の交差点まで約1qを20分かけて、観音寺・井上に住む子どもたちに付き添います。「スクールガードとして8年前から見守りをしています。今、孫が1年生ですので、運動をかねて、毎朝一緒に歩いています。子どもたちが安全に元気に通学してくれることを願っています」と話してくださいました。
 多くの児童が通る山入の交差点では、保護者や見守り活動をする地域の人の姿が見られます。「痛ましい交通事故を金勝で起こさないため、交通量が多い、この交差点に先々代の頃から毎朝立ち、みんなの安全を守っています」と語るのは、草津警察署金勝駐在所の岡田敏之さん。学校や地域と連携した活動が続きます。
 小学校周辺で、先生とともに児童を迎えていたのは、西口智子さん。10年間見守りを続け、子どもが高校生になった今も、滋賀県が委嘱する「おうみ通学路アドバイザー」として活躍中です。「地元で、娘の同級生が3歳の時に交通事故で亡くなりました。悲惨な事故をここで絶対に起こしたくありません。4月はじめには、通学路の点検をしました。何かあってからでは遅く、危険箇所は学校や地域と情報共有し、改善を求めています」と安全な通学路を目指すための地道な努力が続きます。
青色回転パトロール車で防犯活動
 また、金勝学区では、平成24年から青色回転パトロール車での防犯活動を展開。金勝学区防犯連絡協議会 青色パトロール隊員8人が毎週、2人1組で交代でパトロールしています。草津警察署で講習を受けた隊員は、約1時間かけて、不審者がいないかなど地域を安全点検し、気付いたことを駐在所に報告。夏季と年末年始は、自治会長などもまじえ、4台の車で夜間集中パトロールもしています。
 子どもたちを見守る多くのまなざし。地域の皆さんの活動が、子どもたちの安全を守っています。
来月号の特集は、「栗東の特産品」の予定です。
トップページ(目次)へ
次のページへ