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椿山古墳を活かそう!
 栗東市役所の南西となりにある椿山古墳は、古墳時代(注1)中期の豪族のお墓です。帆立貝形古墳という形(注2)で、全長は99m。県内の古墳では4番目に大きく、古墳時代中期(5世紀)だけに限ると県内最大を誇ります。

注1 3世紀中ごろ〜7世紀前半。列島各地に前方後円墳など豪族の古墳が作られた時代です。とくに中期(5世紀)は百舌鳥・古市古墳群の仁徳天皇陵(大山)古墳や応神天皇陵(誉田御廟山)古墳など巨大古墳が築造されました。

注2 円形の後円部と方形の前方部が組み合わさったものが「前方後円墳」ですが、帆立貝形古墳はその前方部が短いものをいいます。

問合せ
スポーツ・文化振興課 TEL.551-0131 FAX.552-5544
椿山古墳について
 椿山古墳の前方部の墳丘は昭和7年から27年にかけて土取りが行われ消滅しています。この時には、粘土で覆われた木棺の痕跡(粘土槨)が発見され、京都大学により調査がおこなわれました。調査では、短甲・肩甲・頸甲などの武具や鉄剣・鉄刀、鉄斧、鉄鏃、革製盾などが出土しています。昭和55年には後円部の墳丘が栗東市史跡に指定されました。
 墳丘の周りには最大幅18mの濠が巡っていましたが、今は水田や宅地になっています。
笠形木製品が出土
 平成28年2月〜3月に周濠部分で行われた発掘調査では、濠の底から6点の笠形木製品が発見されました。これは「木製埴輪」ともいわれるもので、いずれもコウヤマキでつくられていました。埴輪のように古墳の周りに立て並べられていたと考えられています。
 このうち直径75p程度のものは、応神天皇陵古墳出土品に次いで全国最大級です。こうした出土遺物から、椿山古墳に葬られた豪族が、豊かな山林資源を掌握していたことが考えられるとともに、大和政権との深い結びつきがあったことがわかってきました。
 出土した木製品は、乾燥や変形を防ぐため、平成30年度〜令和元年度にかけ保存処理が行われました。今後、博物館などで展示できるようになります。
安養寺景観まちづくり協議会里山部会の活動
 椿山古墳の後円部はこれまでうっそうとした森となっていました。平成25年度より、地域のにぎわいづくりや住みよさにつなげることを目的として、安養寺景観まちづくり協議会里山部会により、草刈りや階段の設置など手作りの整備が行われています。
 この活動により、椿山古墳は誰もが訪れることができる場所に変わってきました。現在も2か月に1度は会員が集まり、和気あいあいと整備作業を行っています。また秋のいちょうまつりでは、段ボール埴輪でいにしえの古墳の姿を再現し、多くの見学者が訪れます。
栗東市の遺跡を活用しよう
 今年度、栗東市教育委員会では、「栗東の遺跡を活用しよう!」を栗東市元気創造事業として実施し、埋蔵文化財発掘調査を実施している公益財団法人栗東市スポーツ協会、地域で活躍する里山部会や郷やまの会とともに椿山古墳を活用する取組みを実施しています。
 事業では、「いちょうまつり」などのイベントで古墳をアピールするほか、シンポジウムの実施、さらに3月には椿山古墳の測量体験を行います。
 地域が誇る遺跡で、古代を感じてみませんか?
ふれあい いちょうまつり〜黄な祭〜で椿山古墳をアピール!
日時:11月17日(日) 10:00〜15:00 
場所:栗東市役所周辺
 今年も安養寺一帯が黄色に染まり、楽しいステージや屋台などが楽しめるイベントが開催されます。椿山古墳エリアでは、段ボール埴輪の出現、勾玉づくりワークショップ、野点などが楽しめます。
 一日限り、いにしえの首長墓に思いを馳せてみませんか?市役所ロビーでは「古きよき安養寺博物館」を開催し、椿山古墳出土埴輪などの展示もあります。
シンポジウム「5世紀近江の盟主〜椿山古墳の実像に迫る〜」
日時:12月1日(日) 13:00〜17:00
    ※イベントに先立ち、栗東市ボランティア観光ガイド協会が椿山古墳を案内します(11:00〜12:00)
場所:栗東市危機管理センター大研修室 ※資料代200円が必要 
内容:講演「巨大古墳の時代」一瀬 和夫さん(京都橘大学教授)
    講演「安養寺古墳群を解き明かす」高橋 克壽さん(花園大学教授)
    報告「椿山古墳の発掘調査」近藤 広(公益財団法人栗東市スポーツ協会)
    討論 司会 佐伯 英樹(公益財団法人栗東市スポーツ協会)
        雨森 智美(栗東市教育委員会)
・定員100人
・事前申し込み要(11月1日から)
・申込み…スポーツ・文化振興課 TEL.551-0131 FAX..552-5544
  Eメール:[email protected]
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