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りっとう再発見 栗東に残る日清戦争
 地籍図とは、土地の1筆ごとの区画、地種・地目、面積、所在場所の名前と地番、所有者などを示した地図のことです。江戸時代までの年貢(物納)を中心とした税制から、地価(土地の価格)に対する課税(金納)による税制への転換が行われた明治時代初期に、土地の状況を把握することを主な目的として、全国各地で多く作られました。
 明治時代初期の村は、江戸時代と同じく、現在の大字に相当することが一般的で、地籍図には、江戸時代以来の村のすがたが色鮮やかに描かれています。日本の近代化政策の産物である地籍図は、より古い時代の地域のすがたを伝える貴重な歴史資料でもあるのです。
 ところで、江戸時代の栗東には、東海道・中山道を中心に街道文化が花開いていました。そのような街道文化を身近に感じていた明治時代の栗東の人々にとって、明治22(1889)年に開業した鉄道(現在のJR琵琶湖線と草津線)は、強い印象を残したことでしょう。
 栗東歴史民俗博物館が収蔵する地籍図には、もともとの図面に、鉄道の線路部分を貼り付けたものがあります。鉄道の開業が、地域の景観に変化をもたらしたこと、また、当時の人々とが、地籍図に修正を加えながら利用していたことが分かります。初めて鉄道に接した、明治時代の人々の驚きを想像してみるのも面白いかも知れません。



■栗東市 市制施行20周年 特集展示「よみがえる明治の村―館蔵地籍図展―」
会期…5月22日(土)から7月4日(日)まで

※詳細はこちらをご覧ください。
問合せ
栗東歴史民俗博物館 TEL.554-2733 FAX.554-2755
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