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りっとう再発見 栗東に残る日清戦争
 宅地造成に先立つ発掘調査を本年4月に終えた北中小路の霊仙寺・綣遺跡は、主に弥生時代から鎌倉時代までの遺跡であることが分かり、多くの調査成果を得ました。中でも、奈良時代(8世紀)の井戸からは「廣津(ヒロキツ)」と人名が墨書きされた土器2点が出土し、新聞報道されるなど話題を集めました。
 続く平安時代の集落跡からも井戸が数基発見されましたが、その中の一基には木枠が良好な保存状態でみつかりました。井戸は直径2・4メートル、深さ3メートルの穴を掘り、そこに木製の井戸枠を組み、外側に粘土を詰め込んで作られています。井戸枠は方形で、幅は一辺80センチ、一辺に幅20から30センチ、残存長1・4メートルに製材された縦板が3枚使われています。板材は、顕微鏡による組織の観察から杉材と判明しました。
 縦板は上部が腐っていましたが、当初は地表面まであり、その上に井桁を組んで使用していたのでしょう。井戸の底などから茶わんや皿などの土器が出土し、その形などから井戸が使われたのは12世紀後半、平安時代後期と判明しました。
 写真に見るように、礫層の地面を掘り抜き、地下水の湧く砂層まで掘り込んでいて、平安期の人々が大変な苦労をして飲み水を得ようとしたことが分かります。また、800年以上前の井戸枠が水分と粘土にパックされて現代まで残っていることにも驚かされます。
令和3年度出土文化財センター 入門講座 子ども考古学体験クラブ
〜勾玉づくり・出土文化財センター見学〜
●内容…和田古墳出土遺物(および古墳群)の見学、勾玉づくりなどの体験
●場所…栗東市出土文化財センター
●開催 日…8月21日(土)・22日(日)

●受付時間…9時30分〜16時
体験は密を避け、期間中随時実施します。マスクの着用をお願いします。

●対象…どなたでも(申込不要)
●小学生以下のお子様は保護者同伴でお願いします。
●材料費…300円/1個
●持ち物…水筒

※気象警報発表時、県内に緊急事態宣言発令時は中止。
問合せ
出土文化財センター TEL.553-3359 FAX.553-3514
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