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歴史文化を未来につなぐ
歴史文化をふるさとの宝物に
 栗東は、山間部から平野部まで特色ある自然環境のもとに立地します。また古代より官道・街道が通過し、さらに琵琶湖に流れこむ河川を介して西国や北陸・東海などとのつながりを有してきました。このような背景のもと、栗東には豊かな歴史とそれを物語る多くの文化財が残っています。
 しかし、山間部を中心に少子化・高齢化が進行している地域もあり、歴史文化を担い継承していく上での課題となっています。
 近年の地域活動の制限など、新たな問題による地域力の低下も今日の課題です。
 こうした課題解決のために、栗東に住む人・関わる人が、地域の歴史文化を構成する要素に気づき、守っていくことで、栗東の歴史文化をふるさとの資産(たから)としてとらえ、保存・活用・運用していくことが必要です。
 今回作成している「栗東市文化財保存活用地域計画」では、栗東の豊かな歴史文化を舞台として、継続的・発展的な文化財の保存と活用につなげ、地域に、愛着や誇りを持つことができる、魅力あるふるさとづくりをめざすことを考えています。
栗東のあらゆるものが歴史文化要素
 本市には、国・県・市で指定登録、選択された文化財が140件あります。しかし、文化財をとりまくさまざまな課題解決のためには、地域に存在する多様な文化財を広く捉え、総合的な保存活用を行うことが必要です。そのため、これまで「文化財」とされてきたものに、「子どもたちに引き継ぎたい栗東らしいもの」を加え、栗東を取り巻くさまざまなものを含め、「歴史文化要素」とし、保存・継承につなげていきたいと考えています。「栗東らしいもの」は昨年度、自治会あてアンケートで調査を実施しました。今後も継続して収集していく予定です。
市内の指定等文化財の件数(国、県、市指定など)
種別   件数
有形文化財 建造物 大野神社楼門 39
美術工芸品 木造狛犬(大宝神社) 81
無形民俗文化財 小杖祭りの祭礼芸能 6
記念物 遺跡(史跡) 狛坂磨崖仏 11
名勝地(名称) 大角氏庭園 3
合計 140
※詳細は市ホームページをご覧ください
歴史文化資産として活用・運用する
調査
 歴史文化要素を、歴史文化資産として活用・運用していくためには、その価値を見出し、明らかにしていくことが必要です。これまでの調査研究をベースとして、計画的な悉皆調査、詳細調査を実施し、さらなる価値を見いだしていきます。その成果はデータベース化し、保存と活用につなげます。
保存・継承
 これまで多くの人々によって守られてきた栗東の歴史文化は、地域の変化によりその基盤が揺らいでいます。市民一人ひとりが歴史文化とその要素を知り、守っていくことで、多くの歴史文化要素を資産として蓄えることができます。このような好循環により、栗東に住むすべての人がわがまち栗東に誇りを持ち、歴史文化を「みんなのふるさと」のより所とすることにより、次世代に継承していくことができると考えます。
活用・運用
 歴史文化要素は、価値を見い出し、一人一人のものとして保存することで、活用・運用できる歴史文化資産となります。歴史文化資産は、市民交流や観光資源として多様な場面で活用していくことができます。
 さらに多くの人々に親しんでもらえるよう、栗東の歴史文化の特徴に基づいて、ストーリー化します。
歴史文化要素の保存・活用についてお聞きしました
出土文化財センターで出土した土器などの整理を行っている皆さん((公財)栗東市スポーツ協会所属)

 「文化財保存活用地域計画」では歴史文化要素のリスト作成に関わりました。 
 伝統行事など、まだまだ知らないことがたくさんありました。
 ふだんは遺跡から見つかった土器を修復したり図面にする仕事をしています。発掘体験などで子どもたちにも実際の土器などに触れる体験会などを企画できればと思っています。
栗東の歴史文化の特徴を知る
 「栗東の歴史文化」とは、栗東に備わる歴史や文化、さらに栗東独自の風土によって育まれてきた人々の知恵や活動の成果、それらが存在する時間・空間、さらには自然的・地理的な環境をも把握した概念です。歴史文化の特徴は栗東らしさをあらわします。
特徴1 原始・古代から現代まで交通の結節点
 古代より都と東国を結ぶ東山道・東海道が栗東の地を通過し、多様なものや情報が行き交いました。近世には東海道、中山道が整備されます。
 運搬される資源と技術の往来や受け入れを基盤として原始・古代より集落が栄えました。
特徴2 奥深い山から扇状地 変化に富んだ地形に多様な歴史文化が展開
 平野部の耕作地では野洲川からの取水により水系が整備されました。水と耕作地、集落との関わりは、平野部に広大な信仰圏を持つ大宝神社の祭礼にも残されます。
 金勝山中は古代から山林修行の地で、平安時代には金勝寺の伽藍が整備されます。
 山間部の集落には、民家や棚田、祭礼などが今に受け継がれています。
歴史文化を未来につなぐ
 栗東の歴史文化を形成する歴史文化要素は、調査して価値を見出し、さらにそれを保存することにより、歴史文化資産として活用・運用できるようになります。
 歴史文化資産のサイクルは、栗東に住む人や関連する多くの人により、生かされることが期待されます。人の関わりが、歴史文化資産を増やし、地域で自らの歴史文化「みんなのふるさと」を守ることにつながります。
歴史文化についてお聞きしました
栗東市ボランティア観光ガイド協会会長
小森 鐘二 さん
栗東市を通る東海道、中山道は、昔から現代まで交通の要衝となる活きた歴史文化資産です。街道から三上山を望む景色は今昔変わりません。栗東の歴史文化を後世にも言い伝え、ふるさとを守っていく必要性を感じています。


京都橘大学3回生
佐伯 桃樹 さん
昨年度、金勝地域を歩くワークショップに参加しました。神社や遺跡までの道のりを実際に歩いてみると、身近なところに新たな発見や気づきがありました。ウォーキングしやすいように看板などがあるといいですね。


シンポジウム
いま栗太郡衙を考える〜岡遺跡発掘35年〜
第1部 「古代の郡衙遺跡とその性格」
講師 滋賀大学名誉教授 小笠原 好彦さん
第2部「栗太郡の郡司と古代氏族」 
講師 成安造形大学非常勤講師 大橋 信弥さん
報告「草津市域の調査から」
草津市教育委員会 岡田 雅人さん
報告修了後は、講演・報告者による討論
日時 3月19日(土) 13時〜16時45分
場所 JAレーク滋賀栗東総合センター 多目的ホール
定員 100人 ※申込先着順
申込み メールまたはFAXで左記へ
主催 教育委員会・(公財)栗東市スポーツ協会 
協力 栗東市ボランティア観光ガイド協会
問合せ
スポーツ文化・振興課 文化財保護係 TEL.551-0131 FAX.552-5544
メール:[email protected]
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