史跡旧和中散本舗大角家住宅の人車製薬機が機械遺産に認定

更新日:2024年01月29日

史跡旧和中散本舗大角家住宅の人車製薬機が機械遺産に認定

史跡旧和中散本舗の大角家住宅(重要文化財)は、東海道梅ノ木立場付近に元禄年間(1688~1704年)に建てられ、「和中散」などの薬を製造販売していました。天保2年(1831)には、街道に面して大きく開かれた店舗西側に、製薬機械が新調されました。この機械は、直径4mもの大きな動輪に人間2人がはいって歩き、その力を歯車に伝えて石臼を動かす仕組みです。昨年度に調査が行われ、人車3回転につき石臼が10回転すること、人車の動力が0.5馬力であることが報告されています(参考文献1)。

石臼には刻んだ薬草をいれ、細かくすりつぶしました。街道を行き交う旅人は、回転する巨大な動輪や歯車のきしむ音、薬草の匂いに惹きつけられたことでしょう。現在も建物とともにのこされ、江戸時代の文化を今に伝えています。

令和5年8月7日、この人車製薬機が歴史的にも古く、人間社会と機械とのつながりの一端を示すものとして、一般社団法人日本機械学会により「機械遺産」(第119号)に認定されました。

(参考文献1)石田正治 緒方正則「旧和中散本舗の人車製薬機の実測調査報告」『産業遺産研究』第30号 2023年7月

 

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機械遺産Mechanical Engineering Heritage (jsme.or.jp)

 

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大角家住宅の人車製薬機
機械遺産の認定証
史跡旧和中散本舗