椿山古墳(栗東市指定文化財第53号)

更新日:2024年10月15日

椿山古墳は、5世紀前半~中ごろの帆立貝形古墳です。全長99mで、古墳時代中期(5世紀)では近江最大の古墳です。周濠から日本最大級の笠形木製品が出土しています。

椿山古墳は、帆立貝形の前方後円墳です。全長は99m、後円部直径だけでも70mです。古墳のまわりの濠(ほり)を含めると全長は135mにも及び、この墳形を持つものとしては滋賀県下最大の規模です。昭和27年(1952)年の工事で前方部のほとんどが消滅しましたが、この際に行われた調査によって、副室とみられる粘土槨が発見され、長方板皮綴短甲1領、鉄剣17、鉄刀13、鉄斧14、鉄鏃などが原位置で発見されました。短甲は、肩甲、頸甲を備えていました。粘土槨の外側では鉄槍と革製の盾が発見されています。後円部は2段築成で、頂部は平坦です。発掘調査が行われていないので、どんな埋葬施設があったかは解明されていません。前方部出土の鉄製品や周濠から出土した埴輪などから、古墳時代中期(5世紀中ごろ)に築造された、この地域の豪族の墓と考えられます。
平成28年度(2016)に実施された周濠部分の発掘調査では、日本最大級の笠形木製品が出土しました。笠形木製品はコウヤマキ製で、「木製埴輪」ともいわれ、墳丘に立て並べられたものです。径76.2センチメートル~64.2センチメートルの楕円形で、日本最大級です。大和政権とのつながりを考えることができる貴重な資料です。

椿山古墳

椿山古墳の全景

日本最大級の笠形木製品

日本最大級の笠形木製品

地図情報