新開古墳(遺跡番号42、43、106~108)

更新日:2024年10月16日

名神高速道路建設に先立ち調査されました。1号墳(36m・円墳)からは甲冑や馬具が発見され、「近江新開古墳出土品」として重要文化財に指定されています。

新開古墳は安養寺山山麓に位置します。名神高速道路建設に先立ち樹木伐採が行われたところ、埴輪が散乱していたため昭和34年8月から9月にかけて発掘調査が行われました。

1号墳(円墳・36m)には2基の主体部があり、このうち北遺構は長さ3.95m、幅約0.6mで、両端がこぶし大の割石で固められていました。棺内からは変形五獣鏡1面、盤龍鏡1面、櫛1枚、鉄剣2口、鉄刀3口、鉄刀子2口のほか、碧玉や瑪瑙の勾玉、ガラスや滑石の小玉が700個以上出土しました。南遺構は長さ4.9m、幅約0.6mで、両端部が粘土で固められていました。遺構内からは変形神獣画像鏡1面、鉄刀5口、鉄剣7口、鉄鏃73本などの武器、鉄製工具類、滑石製小玉1866個等の装身具類、革綴短甲や鋲止短甲、革綴衝角付冑、鋲止眉庇付冑などの武具類が出土し、遺構外からは盾や馬具類などが出土しました。

2号墳の主体部は1mほどしか残っていませんでしたが、鉄剣・鉄刀が出土し、館外からは鉄鋌10枚が出土しています。1、2号墳はあわせて前方後円墳とする考え方もあります。
2号墳の西側の3号墳は直径22mの円墳で、平成15年(2003)に発掘調査が実施され、捩文鏡や工具などが発見されています。4号墳は1号墳の南西側にあり、平成6年(1994)に船形埴輪や家形埴輪が出土しています。


https://www.shiga-bunkazai.jp/wp-content/uploads/2023/06/kyoushitsu-132.pdf

新開4号墳の船形埴輪

椿山古墳の全景

新開古墳と周辺古墳群

新開古墳群と周辺の古墳群

地図情報