縁側から春の庭園を堪能して
縁側から春の庭園を堪能して
5月22日(和中散本舗・六地蔵)
ふだんは予約制でしか見学できない旧和中散本舗ですが、庭園に咲く花々が最も美しい時期にあわせて、5月21日・22日、27日~29日に、特別公開が行われています。
特に国指定名勝「大角氏庭園」は、さつきなどが見頃を迎えていました。
無料のボランティアガイドの解説を交えて見学することができ、より詳細に当時の様子を知ることができます。


旧和中散本舗は、石部宿場から草津宿場の間に位置し、「間の宿」としても栄えました。
徳川家康公の腹痛を治した「和中散」は全国で広く評判になったと伝えられています。
製薬技術を見学するために、著名人も多く訪れたそうです。


入口から見える大きな歯車は、当時使用されていた製薬機です。
手前の大きな石臼で大量の薬草を曳けるように作られており、国内で唯一現存しているそうです。
店の看板や天秤、薬箱など、ガイドの解説を交え、鑑賞していきます。



店の横には小休み本陣があり、公家や大名などの休憩所としても活用されていました。
旧和中散本舗は歴史的・芸術的価値のある欄間や筆致の美しい襖絵、庭園に合わせて建築された格式高い座敷など、見所がたくさんあり、ガイドから一点一点に伝わる解説を聞き、鑑賞することで、その貴重さと多くの人に慕われていた様子をうかがい知ることができます。


庭園は屋敷の一番奥に位置しています。
襖を開けて広がる庭園の鮮やかさに、観光者から感嘆の声が上がりました。
この季節はさつきなどが見頃を迎え、木々の新緑が青々と輝き、春ならではの雰囲気を堪能することができます。
池には亀を模した岩、鶴の飛翔を模した松の木が配置されています。
これは玄関先の欄間と同じ構図で作庭されているそうで、交互に見て、意匠の意図に触れられる貴重な体験となりました。
縁側に座って清々しい景色を眺めながら、皆で遥か昔に想像を巡らせ、話が盛り上がります。
東海道を散策して来られた人や見学者の人たちの間で情報交換もされていました。

店先では「たてば珈琲」の屋台や「栗東あられ」のお土産などが販売されています。
軒下でゆっくりと東海道を眺めながら、当時の旅人の気分を味わってはいかがでしょうか。
旧和中散本舗・大角氏庭園特別公開
5月27日(金曜日)から29日(日曜日)まで
主催:一般社団法人栗東市観光協会
https://www.ritto-kanko.com/event/detail/?id=160
更新日:2022年05月25日