栗東市パブリックコメント実施要綱の考え方(解説)

更新日:2023年03月14日

目的

第1条 この要綱は、市の基本的な政策等に係る素案の事前公開及び市民等からの意見提出手続きに関して必要な事項を定め、市の基本的な政策等に対して市民等が意見を述べる機会を保障することによって、市の意思決定過程における公正の確保と透明性の向上を図り、もって市民主役のまちづくりの推進に資することを目的とする。

考え方

  1. 施策等の立案から決定までの過程を公開し、それに対して市民が意見を述べる機会を保障し、市が意見に対する考え方を示すことで、施策等の形成過程における公正の確保と透明性の向上を図る。
  2. 政策等の素案の内容をよりよいものにするため、市民からの意見を募集し、意思決定を行うための参考とするものであることから、賛成・反対の意見の多さで意思決定の方向を判断するものではない。
  3. 基本的な政策等の立案にあたってはこれまでも委員会や審議会等で意見をもらってきたが、この制度導入により、情報収集元の拡大や多様性が図られ、幅広い意見をもらえるようになる。また、議会との関係として、議会制民主主義のもと市が素案の考えをまとめる際には広く市民の意見を聞き、議会での審議の参考となるより市民意向を反映した質の高い素案を作成する必要があることから実施するものである。

第2条 この要綱において「パブリックコメント」とは、市の基本的な政策等の決定にあたり、その素案の段階で、当該政策等の趣旨、内容その他必要な事項を広く公表し、市民等からの意見、情報及び専門的知識(以下「意見等」という。)を求め、提出された意見等に対する市の考え方を公表する一連の手続きをいう。

  1. この要綱において「実施機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
  2. この要綱において「市民等」とは、次に掲げるものをいう。

(1)市内に住所を有する者

(2)市内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

(3)市内に存する事務所又は事業所に勤務する者

(4)市内に存する学校に在籍する者

(5)前各号に掲げるもののほか、パブリックコメントに係る事案に利害関係を有するもの

考え方

  1. この要綱に基づくパブリックコメント制度の実施機関は、議決機関である議会を除く市のすべての機関を対象とする。
  2. 「市民等」とは栗東市の住民に限らず、栗東市に関係する個人、事業者、団体等とする。

手続きの対象

第3条 実施機関は、次に掲げる事案について、パブリックコメントを実施する。

(1)総合計画等市の基本的な政策を定める計画、個別行政分野において広く市民生活に影響を及ぼす施策の基本方針、その他基本的な事項を定める計画若しくは指針の策定又は重要な改定

(2)市の基本的な方向性等を定める憲章、宣言等の策定又は改定

(3)市の基本的な制度を定める条例の策定又は改廃

(4)広く市民等に義務を課し、又は権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃。ただし、金銭徴収に関する条項を除く。

(5)市民生活又は事業活動に重大な影響を与える、規則、規定、要綱その他行政指導の指針の策定又は改廃

(6)広く市民等の公共の用に供される施設の建設に係る基本的な計画の策定

(7)その他制定又は改廃しようとする制度等の趣旨、市民生活への影響等を勘案して、パブリックコメントを実施することが適当であると市長が認めたもの

考え方

  1. 個別の案件が、本制度の対象であるか否かは、案件を所管する部署が、この制度の趣旨に基づいて判断し、また、その判断の説明責任を負う。
  2. 「市の基本的な政策を定める計画」とは長期総合計画などの市の将来の施策展開の基本方針や進むべき方向、その他基本的事項を定める計画等のことを言い、基本構想、基本計画、条例、指針など名称は問わない。
  3. 基本的な方向性を定める憲章、宣言等とは、市民憲章、各種宣言等(1)には該当しないが、市の基本的な方向性を定めるものを言う。
    ・「市の基本的な政策を定める計画」の例…「栗東市総合計画」など
    ・「個別行政分野における施策の基本方針、その他基本的な事項を定める計画」の例…「都市計画マスタープラン」、「土地利用計画」、「地域防災計画」、「地域福祉保健計画」、「エンゼルプラン」、「介護保険事業計画」など
    ・「市の基本的な制度を定める条例」の例…「行政手続き条例」、「情報公開条例」など
    ・「市民の権利を制限し、又は義務を課す制度等」(地方自治法第14条第2項の規定によるもの)の例…「介護保険条例」、「生活環境保全に関する条例」、「都市公園条例」、「市営住宅管理条例」など

ただし、金銭賦課徴収に関する事項は除く。

  1. 地方自治法第14条第2項
    「普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。」
  2. 地方自治法第74条第1項
    「普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者(以下本編において「選挙権を有する者」という。)は、政令の定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃の請求をすることができる。」

適用除外

第4条 実施機関は、前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、パブリックコメントの対象としないことができる。

(1)迅速又は緊急を要するものである場合

(2)軽微なものである場合

(3)政策等の策定にあたり、実施機関の裁量の余地がないと認められる場合

(4)政策等の策定にあたり、意見聴取の手続きが法令等により定められている場合

(5)地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定による附属機関又は実施機関が設置するこれに準ずる機関が、次条から第10条までの規定に準じた手続きを経て策定した報告、答申等に基づき政策等の策定を行う場合

考え方

  1. 「迅速もしくは緊急を要するもの」とは災害等市民等の生命や健康を守るため緊急に条例案を議会に上程しなければならない場合や、本手続きに係る所要時間の経過等により、その効果が損なわれるなどの理由で本手続きを経る時間的余裕がない場合をいう。
  2. 「軽微なもの」とは大幅な改正又は基本的な事項の改正を行わない場合や、上位法令・計画等の変更に伴い表現等を変更する場合をいう。
  3. 意見聴取の手続きが法令等により定められている場合とは、設定・改廃の方法・内容について法令等により定められており、裁量の余地がない場合をいう。
  4. 市が審議会等の答申等を受け、政策等の意思決定を行う場合で、その審議会等がその答申等の審議経過において既にこの要綱に準じた手続きを実施している場合、同手続きを本要綱の手続きを経たものと見なす。

政策等の案の公開等

第5条 実施機関は、パブリックコメントの対象となる政策等の策定を行おうとするときは、当該政策等の意思決定前のできるだけ早い段階で、当該政策等の案を公表するものとする。

  1. 実施機関は、前項の規定により政策等の案を公表するときは、次の事項を公表しなければならない。

(1)政策等の案を作成した趣旨、目的及び背景

(2)政策等の案の概要

(3)政策等の案を附属機関等における審議に付した場合にあっては、答申等の概要

(4)市民等が当該政策等の案を理解するために必要な関連資料

考え方

  1. 法定の縦覧手続きなど、案の公表、市民等の意見提出が法令等で定められている場合、提出された意見とこれに対する実施機関の考え方を公表することで、パブリックコメント手続きを実施したものとする。
  2. 付属機関等(審議会など)の答申等を受けて意思決定する場合、付属機関等がこの要綱に定める手続きに準じた手続きを経て策定した答申等を受けて市が意思決定に行う場合には、同様の案について手続きを繰り返すことは、費用対効果他効率性の観点から望ましくないと考えられるので改めてこの要綱に定める手続きを経ずに、その答申の概要を公表することでこの要綱に定めた手続きを実施したものとして扱うものとする。

予告

第6条 実施機関は、前条の規定により政策等の案及び同条第2項各号に掲げる事項(以下「政策等の案等」という。)を公表する前に、次に掲げる事項を市の広報紙又はホームページに掲載することにより、パブリックコメントの実施を予告しなければならない。

(1)政策等の案の名称

(2)政策等の案に対する意見等の提出期間

(3)政策等の案等の入手方法

考え方

  1. 「政策等の案及び関連資料を公表する前」とは、当該政策等の素案がまとまり、意思決定をする前の時点をいう。なお、条例案や議決を要するものは、議会提案前のことをいう。
  2. 公表時期は政策等の意思決定前に、政策等の素案について、この手続きを実施するために必要な相当の期間を設けるものとする。
  3. 公表する内容は、意見を表明する市民が市の考え方を十分に理解できるよう、その政策等を実施する背景や目的、計画等の案を立案する際に整理した市の考え方や論点などについて、具体的かつ、わかりやすく詳細な資料を提供するものとする。
    ・当該政策等の素案の概要
    ・政策等を実施する背景や目的
    ・法的根拠や上位計画等の概要
    ・検討した際の考え方や論点
    ・政策等の実施により生じることが予測される影響など

公表方法

第7条 実施機関は、政策等の案等を公表しようとするときは、次の各号のいずれかの方法により市民等に周知しなければならない。

(1)実施機関の窓口での閲覧及び配布

(2)市広報紙への掲載

(3)市のホームページへの掲載

(4)報道機関等を通じた発表

(5)その他実施機関が適当と認める方法

考え方

  1. 公表方法については、広く市民等に周知することが必要であり、できるだけ多様な方法により周知するよう努め、市民が容易に政策等の案の情報を入手できるよう努める。
  2. 広報紙など紙面が限られ十分な情報の公表ができないときには、必要に応じて紙面上では政策等の案の概要を掲載し、併せて詳細な資料の閲覧場所を明確にする。また、案だけでは十分に理解できないと考えられる場合は、関係資料、関連情報の提供を行う。
  3. 条例案については、条文のみを公表するのではなく、市民等に分かりやすいよう骨子等を示すものとする。

意見等の提出期間

第8条 実施機関は、市民等が政策等の案等に対する意見等を提出するために必要な期間を勘案し、政策等の案等の公表の日から1箇月程度の期間を設けて、意見等の提出を受けなければならない。

  1. 実施機関は、公表の際に、当該意見等の提出期限、提出方法等の要件を明示するものとする。
  2. 第1項の規定にかかわらず、実施機関は、緊急その他やむを得ない理由によるときは、その理由を公表した上で、意見等の提出期間を1箇月未満にすることができる。

考え方

  1. 案等の公表後、市民が資料等を入手し検討する期間を保障するため1か月以上の期間を目安とする。
  2. 政策等の策定期間の制約などにより、急を要し、1か月の期間が確保できない場合は、その理由を明らかにした上で処理できるものとする。

意見等の提出方法

第9条 政策等の案等に対する意見等の提出方法は、次の各号のいずれかとする。

(1)実施機関が指定する場所への書面の持参

(2)郵便

(3)ファクシミリ

(4)電子メール

(5)その他実施機関が適当と認める方法

  1. 意見等を提出しようとする市民等は、住所及び氏名(法人その他の団体にあっては、所在地、名称及び代表氏名)並びに連絡先を明らかにしなければならない。
  2. 前項の規定により明らかにした住所及び氏名等の情報について、公表を望まないものは、意見等の提出をするときに、その意思を表示するものとする。

考え方

  1. 市民等に責任ある意見等の提出を求める。また、提出された意見の内容について確認等を要する場合も想定されるため、意見等を提出しようとする市民等には、住所、氏名、または団体名(所在地、代表者名)、連絡先を求める。
  2. 電話など口頭による意見等の提出に対しては、意見等の内容が不明確になることを避けるため、書面による提出を求めるものとする。
  3. 匿名による意見等の提出、口頭による意見等の提出に対しては、実施機関の考えを示さないものとする。

意見等の考慮

第10条 実施機関は、前条の規定により提出された意見等を十分考慮して、政策等の意思決定を行わなければならない。

  1. 実施機関は、前項の意思決定を行ったときは、提出された意見等の概要及び提出された意見等に対する実施機関の考え方を公表しなければならない。
  2. 実施機関は、第1項の意思決定により政策等の案を修正したときは、その修正内容を公表しなければならない。
  3. 第7条の規定は、第2項及び第3項の規定による公表を行う場合について準用する。

考え方

  1. 市民等から提出された意見等を考慮して意思決定をするもので、政策等に対する賛否を問うものではないため、賛否の結論だけを示した意見への実施機関の考えの公表は行わないものとする。また、提出された意見等を必ず取り入れるものではなく、提出された意見等の内容を十分に考慮し、政策等に取り入れるものとする。
  2. 類似した意見が多数寄せられた場合、類似する意見を集約するなど整理して公表する。
  3. 提出された意見等を踏まえ、公表した案を修正した時は、その修正内容および修正理由を公表する。

実施状況の公表

第11条 市長は、パブリックコメントの実施状況を取りまとめ、市のホームページへの掲載により公表するものとする。

考え方

市民がいつどのような案件がパブリックコメント制度の対象となっているかを知ることができるよう、パブリックコメントの実施案件や実施状況を一覧表にまとめ公表する。

パブリックコメントの再実施

第12条 パブリックコメントを終了した後に、政策等の実施までに相当の期間が経過した場合又は情勢の変化等により当初の案と異なる案を立案する必要が生じた場合は、実施機関は、再度パブリックコメントを行わなければならない。

考え方

パブリックコメントを実施した後に長期間が経過した場合、社会情勢等の変化により当初の案から大幅に変更が予想される場合には、その時点において再度本要綱に基づく手続きを経て意思決定を行うものとする。

附則

  1. この告示は、平成17年2月1日から施行する。
  2. この告示の施行の際、現に立案過程にある政策等で、市民等の意見等を反映させる機会を確保する手続きを経たものについては、この告示の規定は、適用しない。

考え方

パブリックコメント手続きに要する期間等を考えた時、政策等の策定過程の一連の手続き途中から本要綱を適用することは困難であることから、本要綱の円滑な導入を図るため、制度施行日において策定中の政策等で、市民の意見を反映する機会を確保する手続きを経たものについては本要綱に基づくパブリックコメント手続きの実施を行わないものとする。

この記事に関するお問い合わせ先

秘書広聴課(秘書係、渉外係、市民対話室)
〒520-3088
栗東市安養寺一丁目13番33号 栗東市役所3階
電話:077-551-0102
ファックス:077-553-1280
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