【平成11年度の展覧会】

◆特別陳列「近江の彫刻―湖南地方を中心として―」
会期:平成11年4月24日から平成11年5月30日まで

 栗東町南部の金勝山にあった大菩提寺は、かつて湖南から湖東にかけての仏教圏の中心的存在でした。それが今の金勝寺です。本展では金勝寺の開基である良弁僧正、伽藍を築いた興福寺僧願安の坐像をはじめとする金勝寺文化圏の彫刻のほか、近江の優れた彫刻などあわせて23件を展観、豊かな近江の宗教文化について紹介しました。


◆特別陳列「里内文庫コレクション」
会期:平成11年6月5日から平成11年7月11日まで

 明治41年(1908)、栗太郡手原(栗東町)に里内勝治郎(1877〜1956)が開設した私立図書館である里内文庫。当館ではこれまで「明治の図書館―里内文庫と里内勝治郎―」「里内文庫と絵図」「刻まれた歴史」「描かれた近江」「広告が語る近代」と、里内文庫展シリーズのなかで資料の分野別展示を行ってきました。また各種の企画展・テーマ展や常設展示の中でも、館蔵里内文庫を活用しています。本展では、里内文庫コレクションの中から名品や重要資料を選んで展観するとともに、里内文庫の収集・公開活動を歴史的に位置付けて紹介しました。
【関連企画】
・展示解説(開催日:6月12日、講師:本館学芸員 井上 優)


◆テーマ展 「1999 平和のいしずえ」
会期:平成11年7月17日から平成11年8月15日まで

 栗東町の「心をつなぐふるさと栗東」平和都市宣言をうけて、平成3年度から戦争と平和をテーマとして開催、戦争の歴史と戦時下の生活を再現、地域の視点から平和について考える展覧会。今年度は館蔵の資料から栗東を中心とする近代戦争関係史を振り返るとともに、滋賀県総務部総務課に協力をお願いして、平和祈念館(仮称)開設準備のため県下各地から収集された資料を特別展示、滋賀県史の中の戦争についても、広域的な視点で展観しました。


◆特別陳列 「櫟野寺の仏像・東方山安養寺の美術」
会期:平成11年8月20日から平成11年9月12日まで

 特別陳列「櫟野寺の仏像」では、甲賀六大寺の一つである櫟野寺の収蔵庫改修を機に、本尊木造十一面観音菩薩坐像と丈六の木造薬師如来坐像を除く重要文化財、県指定、町指定の仏像を一挙に公開しました。
 特別陳列「東方山安養寺の美術」では、良弁僧正の開基、聖武天皇の勅願寺と伝える東方山安養寺(真言宗泉涌寺派)に伝わる文化財のうち、釈迦三尊十六羅漢図(室町、栗東町指定文化財)や慈雲飲光書跡などの絵画、書跡を中心に10点を展示しました。


◆企画展 「近江湖東・湖南の画人たち」
会期:平成11年9月18日から平成11年10月17日まで

 江戸時代、近江の地においても、多くの画人たちが活躍していました。本展ではこうした近江の画人の中から、蒲生郡日野(日野町)の高田敬甫、栗太郡下笠(草津市)の横井金谷、大津の紀楳亭、栗太郡岡(栗東町)の岡笠山、栗太郡南山田(草津市)の旭応と玉リン(さんずい偏に「隣」の右側)など、とくに湖東・湖南で活躍した画人たちの作品を中心に55件を紹介しました。
【関連企画】
・展示解説(開催日:10月3日、講師:本館次長 佐々木 進)


◆企画展「ひとがた・かたしろ・人形」
会期:平成11年10月23日から平成11年11月23日まで

 「ひとがた」「かたしろ」などと呼ばれた人形は、様々な災厄を祓う呪具として使用されてきました。。それらは子供達の成長を願う雛人形や武者人形へと変化していったのです。さらには、愛玩目的の観賞性や遊戯性を備えた人形が盛んに造られるようになり、日本の人形文化の隆盛を招いたのです。
 今回の企画展では、人形の持つ民俗性・芸術性・実用性といった「三特性」にスポットを当て、嵯峨人形から御所人形・衣装人形といった人形の歴史的系譜をたどってみました。さらに栗東町内や滋賀県内の祭礼行事で登場する「依代」的役割を担った人形資料を展示し、内面に存在する信仰性についても紹介しました。
【関連企画】
・展示解説(開催日:10月31日、講師:本館学芸員 田母神 克幸)
・講演会「尼門跡と人形」(開催日:11月14日、講師:寶鏡寺門跡副住職 田中 惠厚 氏)


◆第8回マイ・コレクション展
会期:平成11年11月30日から平成11年12月19日まで

 今年で8回目を迎えるマイ・コレクション展は、住民のみなさんからの思い出の品や先祖から伝わる大切な家宝を出品していただき、こうした展示品をとおして、先人の貴重な遺産や文化を受け継ぎ、そこから新しい文化を育んでいく心を大切にするものです。今回は、掛軸・九谷焼・大皿・M&Mキャラクター・暖をとるシリーズ・木彫り・豪華本・プリペイドカード・袖珍本・カルタ・花見弁当箱や百人一首・メンコシート・少女マンガ雑誌の付録・ひょうたん・てまり等多くの人々から出品された品々を展示しました。


◆特別陳列「栗東の画家―国松桂渓・西田恵泉―」 
会期:平成12年1月5日から平成12年2月6日まで

 本展では聖護院洋画研究所・関西美術院において浅井忠・鹿子木孟郎に指導をうけた洋画家・国松桂渓(1883〜1962)と、堂本印象(1891〜1975)に師事した日本画家・西田恵泉(1902〜1980)の作品や関係資料などを公開。栗東が生んだ二人の画家の作品を紹介することにより、大正から昭和期における栗東の美術風土を探りました。


◆栗東の民具8「わら―暮らしの中の藁細工―」 
会期:平成12年2月11日から平成12年3月12日まで

 地域の生活様式、生産体系を物語る実物資料であり、時代の証言者でもある民具を紹介するシリーズも今回で8回目を迎えました。「暮らしの中の藁細工」の副題のもとに、米づくりの最後に産み出される「わら」にスポットを当て、燃料・肥料・飼料・細工・住宅素材と、無駄なく藁が活用された民具類約110点を展示しました。 夏の夜や農閑期の仕事として欠かせなかった「藁仕事」、プラスチック容器が普及するまで使われていた藁製品などをとおして、藁の加工・利用について紹介しました。


◆企画展「服部岩吉―湖国デモクラシーの足跡―」
会期:平成12年3月18日から平成12年5月7日まで

 栗東の出身で滋賀県初代民選知事として知られている服部岩吉(1885〜1965)。村助役を振り出しに、村会議員・村長・県会議員をへて衆議院議員に三選、昭和戦前期の湖国を代表する政治家となりました。翼賛体制下で中央政界から身を引くものの、戦後初の総選挙には当選し厚生政務次官を務めました。戦後は知事として食糧供出問題をめぐる「服部調査」の実施や県立農業短期大学の設置など、滋賀県の戦後復興を進める上で農業・文化政策を中心に業績がありました。本展では、湖国デモクラシーの代表的政治家といえる服部岩吉の生涯を歴史のなかに位置づけながら、書画を愛し「江南」の号をもつ文化人としての側面にも光をあてました。

【その他の展覧会】

◆第31回滋賀県児童・生徒版画展
会期:平成12年3月1日から平成12年3月5日まで



◆平成11年度巡回版画展
会期:平成12年3月18日から平成10年3月19日まで

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栗 東 歴 史 民 俗 博 物 館
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