第4回 マイ・ミュージアム展

2005年7月2日(土)〜7月18日(月・祝)

 第4回マイ・ミュージアム展は、10年続いたマイ・コレクション展を継承した展覧会です。コレクションや思い出の品だけではなく、創作活動の成果を発表していただけるようにと名前を変えたのです。
 今回は特に、昨年12月に75歳の生涯を閉じられました清水光麿先生の土鈴コレクションと先生の油絵をお願いいたしました。土鈴は、何かにつけて博物館を支えてくださった清水先生が第一回マイ・コレクション展に出品してくださったものです。金勝の山景をこよなく愛した先生の代表作とともに、在りし日の先生を偲ぶことができれば幸いです。
 また、「安養寺大輔と赤坂&治田東スケッチクラブ」の皆さんからは、日頃の成果を披露していただきました。研修室での展示もスケッチクラブの皆さんによってなされたものです。マイ・ミュージアム展への出品を楽しみにいていただいている皆様との出会いほど嬉しいものはありません。今年もまた一つ積み重ねることができましたこと、心より感謝申し上げます。


【出品目録】

1 「父、清水光麿」土鈴コレクション、油絵 栗東市御園 河合多恵子さん
2 蛙猿熊鷹 栗東市小平井 大橋 勝さん
3 木彫作品 栗東市綣 青山 實さん
4 能面 栗東市目川 清水 宏基さん
5 サイン本 栗東市目川 青木 完二さん
6 絵画(水彩、油絵、日本画) 栗東市川辺   安養寺大輔さんと赤坂&治田東スケッチクラブのみなさん


1.父、清水光麿
           栗東市御園 河合多恵子さん

 人と語らうことが好きで、自然が好きで、食べることの好きだった父は、旅行することも好きでした。忙しい日常の中で旅といってもほんの二泊程度のバス旅行でしかありませんでしたが旅先のひと時は、日常とはちがうなにかを感じさせてくれたのでしょうか。そんな父がいつのころからか買って帰ってきたものが土鈴です。郷土色あふれるそれが父にとって最高の旅の思い出だったのかもしれません。買ってきたばかりの土産の荷を解いては鈴の音を何度となく聞いていたことが思い出されます。そんな父の許にはその趣味を知ってかお土産として土鈴を下さる方もあり、私の土産も土鈴で、いつの間にかこのような数になっていました。又、こんな父は生まれ育った湖南の地が、とても鍬でした。父が描く風景にもそんな思いが込められていたような気がしてなりません。この度、このような機会を頂戴いたしましてご高覧いただけることを深く感謝いたします。合掌

2.蛙猿熊鷹
           栗東市小平井 大橋 勝
さん

 マイ・コレクションから、蛙と猿の置物は中国福州からのものです。木の姿を生かし、なおかつ緻密に刻み込んだ蛙と猿、岩山を想わせる石とまとわりつく木との妙がなんとも楽しくなります。熊の木彫りは、これまた正反対にチェーンソウによって豪快に刻まれています。まったく異なった彫り口なのですが、こうしてとりまとめてみると、なんとも面白いと、一人悦に入っています。そこで、背景に馮朝輝の描いた鷹の絵をもってきて遊んでいます。

3.木彫作品
             栗東市綣 青山 實
さん

 おこがましくも2回目の出品をさせていただきました。前回(平成14年)は立体像主体でしたが、今回はレリーフばかり。集合住宅内での作業ですので、小さな工具しか使えません。材料は廃棄寸前の桐の長持。以前から捨てるに忍びず使い道を考えあぐねていたのですが、羽子板が桐板製と知り、正月用の飾りに作ってみたのが切掛けです。(本来は押し絵で作られるもの)大きいのは歌舞伎の三演目からツーショットの構図にこだわりました。小型のほうは、昨今注目の昭和レトロ調、オカッパ頭の少女たちです。ぬりえの「つたやきいちさん」や「松本かつぢさん」のクルミチャンの顔に似せました。(昭和元年〜30年頃)リースについてはせまい空間(拙宅のことですが)を少しでも晴の気分や季節感を演出するため。額の3点については戯作者気分で作ってみたものですが、少しでも笑っていただけたら冥利に尽きるというものです。

4.能面
            栗東市目川 清水宏基
さん

 木彫を始めてかれこれ30年になる。小槻大社に奉納した宮殿や狛犬は、この先もずっと伝わっていく。思ったように彫れたときは嬉しい。ただし、だんだん手のほうが言うことを聞いてくれなくなってきた。ここしばらく彫り進めてきた能面が30面余りになったので、一度に出せるのならと、ここに披露させていただくことにした。

5.サイン本   
            栗東市目川 青木完二
さん

 著者の自筆による『サイン本』は、私のコレクションのひとつです。
 作家との出会いがあります。ですが、そのときどき、どんな話を交わしたかは、定かではなくなりました。しかし、個々の特徴的なことは、いまでも鮮明に憶えています。それぞれが、懐かしい想い出の一冊です。

6.安養寺大輔と赤坂&治田東スケッチクラブ展  
    栗東市川辺 安養寺大輔さんと赤坂&治田東スケッチクラブのみなさん

 自然は時に厳しく、妥協を許さない。また或る時は優しく美しく人を包んでくれる。目の前の自然に最敬礼をして向かって行くと、何か新しい啓示を受けとることができます。自然の中にどっぷり浸かり込んで、よく見つめ、肌で感じ取ろうとするのがスケッチです。栗東市は自然と文化が調和して、落ち着いたところです。スケッチをしているといろいろな人と出会いがある。美しい郷土を描いて欲しいという人もあり、郷土愛の気持ちが伝わってきます。絵の本質は遊びです。やりたい放題子どものように歌いながら夢を描く、詩を色で描く、一つの蜜柑は皮が大切ですか?ジュースが大切ですか?解放された心から生まれた絵に、カリスマ性がでたらほんまものの絵です。

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