マイ・ミュージアム展

会期:2006年7月1日(土)〜7月17日(祝)


↑出品資料のうち「イソップ童話飛双六」


 マイ・ミュージアム展は、広く市民から、コレクションや家宝、創作品をつのり、開催するものです。
 今年は、7名の個人と1団体の方々から出品をいただきました。また展示品にまつわるさまざまな思いなどを、出品者自ら解説として添えていただきました。
 さまざまなモノ資料を集め、あるいは分類し、楽しみながらそれらについて考えることは、博物館の活動の基本となるコレクションの収集や調査研究にも通じるところがあるように思います。またモノをつくりだす情熱は、博物館に収蔵されているさまざまな資料がこの世に送り出される豊かな母体となったことでしょう。会場に並んださまざまな資料と出品者の思いから、人とモノの織り成すさまざまな関係に思いをはせていただけると幸いです。
 ご出品者のみなさま、また陳列にご協力いただきました栗東西中学校キャリアスタートウィーク(勤労体験学習)の2名に、厚く御礼申し上げます。
 

【出品作品とその紹介】

幻の湖東焼に出会って (西田 均)
 一昨年の9月、近江商人の発祥の地として有名な五個荘町金堂にある、ボランティアで運営されている喫茶&骨董「みちくさ」に休憩した時、初めて湖東焼に出会いました。ショーケースに「湖東焼」とメモ書きされた染付小皿がありながめていると、店の方が「彦根で焼かれていた焼き物で余り出回っていないみたい」という話しを聞き衝動買いしたのがコレクションの始まりです。
 それ以後、図書館で湖東焼を調べたり、彦根城博物館や美濠美術館で湖東焼を見たりしながら、骨董屋や弘法さん・天神さん等の骨董市で買い求めていますが、品物が無いのと、それに高額であるため、私は傷がある物や銘が入っていない物を集めています。
 集め出して二年、今後も色々な場所に出向き又、人と出逢い楽しみながら集めていきたいと思います。

盆栽小鉢 (大橋 勝)
 長年にわたって盆栽を趣味としてきましたので、いつも出品したいと願っているのは盆栽なのです。ですが、盆栽そのものの展示はかないそうにありませんので、写真で代用し、盆栽小鉢のコレクションから、茶山・松泉・竹峯・石州・梅甫・祝峯らの作になる小鉢を選んでみました。
 あわせて、気に入っている信楽焼きになる小振りの壷を出品してみました。
 
トンボ玉 (近藤 広)
 日本の古墳から出土する玉のなかで、6世紀以降によくみられるようになるガラス玉の一種で、トンボ玉という2色以上のガラスを使用した鮮やかな玉が特殊なものであることを知り、そのルーツに強く関心をもった。
 このことがきっかけとなり、トンボ玉の文様や色にますます関心が高まり、集めやすい18世紀から19世紀に流行したヴエネチア産のトンボ玉を中心に、東南アジアやアフリカなど各地のガラス玉も集めるようになりました。

近江・京の風景写真集 (青木完二)
 私のコレクションは「本」です。作家との出会いを求めてサイン本を収集したり、一国の文化水準を示す豪華本を集めたりしています。後世に残る凝った商品づくりを目指した豪華本の出させていただいたことがあるのですが、今回は近江と京都の風景写真集にテーマを絞ってみました。 印刷から製本、装幀、製凾、外凾にいたるまで最善のつくされる豪華本の世界を見ていただければと思っています。

絵双六 (青山 實)
 昭和初期に発行された少年少女雑誌の新年号の付録には「絵双六」が付きものでした。当時の子供たちにとって双六で遊ぶことは、カルタや羽根つき、凧揚げとならぶお正月最大の楽しみだったといえます。低学年には童話やお行儀、高学年向きには伝記や歴史などが学べたわけです。昨今のテレビゲームのような一人遊びでなく、何人かの子供たちが一緒に楽しめ、時には大人たちも付きあって遊んでくれました。たいていは畳に広げなければならないため、友達やよそのお家の座敷に上がって、おやつを頂いたりするチャンスでもありました。
 双六には「飛び越え」や「逆戻り」もあり、目出度く「上がり」にでもなれば「大出世」「大成功」。夢の世界に一瞬浸れたりしたものでした。かつては、どこにでもあったものが、今はどこにもないものになったのは、年月や世情の移り変わりのほか、紙製のため、すぐに傷んでしまうこともあります。
 今回の出品は、叔父たちが遊んで、実家の納戸にあったものを核に、私の少年時代の郷愁と思い入れを込めて京都と県内で集めたものです。優品揃いとはいえませんが、少しでも楽しんでいただければ、うれしく思います。
 
色紙 (個人)
 公民館もいまではコミュニティセンターと名前を変えましたが、私が公民館活動と関わりを持っていたとき、歴史講座や文学講座であちらこちらと、各地を回るのがとても楽しみでした。
 出かけた先での人との出会いも数多くありました。そうした先々で必ず色紙への揮毫をお願いしてきました。40枚近くの色紙のコレクションができあがったなかから、近江にゆかりの深い人、言葉などを選んでみました。
 
フィギュア (くのり だいち)
 ぼくはコンビニで飲み物を買います。どうしてかというと飲み物にオモチャがついてくるからです。
 お茶やジュースのペットボトルについているビニール袋の中からグッズを出す時が一番楽しみです。
 中が見える透明の袋と見えない黒い袋があって、見える袋の時は、自分の好きなものが取り出せますが、見えない時は、何が出るかのドキドキ感がたまりません。
 いらない物は友達にあげたり、捨ててしまいましたが、こうしてきれいに並べてもらって小学校の皆に見てもらえてうれしいです。
 
油絵・水彩画 (安養寺大輔とその仲間たち)
 私達は身のまわりいっぱいの自然にとり囲まれています。季節の美しさにおどろき、感動し、新しい啓示を受けています。花や風景、人物、風や香り太陽の光を目の前にして遊び、癒され、不可思議な色に引き込まれ、個人がそれぞれに受けとり、自分の美意識をとおして絵をこしらえようとしています。
 スケッチをするとき、自然の深い美を凝視して、純粋に悩むこともありますが、スケッチの目的は、目や腕を磨くものと思っています。
 具体的な作品に表れなくても、それによって感性が磨かれ、表現のもととなる手や、目や、心がつくられていくものと信じています。
 未熟な作品ですが、御高覧の上、御批判、御鞭撻よろしく御願い申し上げます。

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