中川 泉三
里内 勝治郎 （里内文庫展覧室内）
『近江栗太郡志』
中川泉三と里内文庫
会期：平成21年（2009）9月12日（土）〜11月23日（月・祝）
中川泉三は『近江栗太郡志』を編纂した人物です。栗太郡のほかにも『近江坂田郡志』『近江愛智郡志』など、滋賀県内の多くの郡誌編纂に携わっています。
明治41年に里内勝治郎が郷里、栗太郡葉山村手原に設立した私立図書館里内文庫と泉三との関係は大正元年から始まります。当時、泉三が発表した論文を勝治郎が読み、その感想を書簡で送ったことがきっかけでした。泉三との出会いから、勝治郎は郷土史料収集にも力を注ぐようになり、里内文庫は一般図書が中心の蔵書構成から、郷土史料が中心の蔵書構成へとシフトしていきます。
勝治郎はまた、収集した史料をもとにした郷土史研究にも熱中するようになります。こうしたことから大正10年、泉三が『近江栗太郡志』の編纂主任となると、勝治郎は史料収集委員を命ぜられ泉三の手足となって史料調査を助けました。
泉三は大正15年に『近江栗太郡志』を完成させます。勝治郎ら史料収集委員の尽力もあり、多くの史料が収録される、質の高い郡誌となりました。
その後、泉三が記した郡誌の原稿は勝治郎の求めにより里内文庫に寄贈されました。
平成21年は中川泉三没後70年目にあたります。彼が郡誌編纂に携わった地域の博物館・資料館では彼を取り上げた展示を予定しています。栗東歴史民俗博物館では、9月12日から11月23日まで、中川泉三と里内文庫との関係を中心にとりあげて展示します。
中川 泉三
里内 勝治郎 （里内文庫展覧室内）
『近江栗太郡志』
栗 東 歴 史 民 俗 博 物 館
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