収蔵品展
「栗東の歴史風土をさぐる−金勝寺文化圏の諸像−」
 

会期:9月17日(土)〜10月23日(日)

 栗東市は滋賀県の東南部に位置します。市南部の金勝山にある金勝寺は、現在は天台宗に属しますが、奈良時代に東大寺にゆかりの深い良弁によって開かれ、平安時代はじめの弘仁年間(八一〇〜二四)に奈良興福寺の僧願安によって伽藍が整備されたと伝えます。かつては興福寺にゆかりの深い寺院として、湖南から湖東にかけて大きな求心力を持ち、当地域の仏教文化の一つの核となっていきました。金勝寺をとりまく地域は、とりわけ金勝山北麓を中心に古像を多く伝え、金勝山を中心に仏教文化が栄えたと考えられることから「金勝寺文化圏」とも称されてきました。
 金勝山の尾根筋に出ると、琵琶湖とその対岸の湖西の山々を見渡すことができます。中でも、ひときわ高く見えるのが比叡山です。大陸に渡って天台の教えを持ち帰った最澄は、この比叡山に延暦寺を開き、延暦二十五年(八〇六)に桓武天皇の勅許を得て天台宗を開きました。
 天台宗が近江全域に影響力を拡大していくのは十世紀半ば頃からのことです。金勝寺とその周辺にも、十世紀末ごろより天台の影響をうかがわせる彫像の作例が見られるようになり、当地域における天台勢力の伸展の様相をうかがうことができます。
 本展では、湖南地方を代表する古刹である金勝寺と、金勝寺を中心に栄えた「金勝寺文化圏」とも称される仏教文化の広がりについて、栗東市内外の社寺からご寄託いただいている彫像を中心に紹介します。当地域の豊かな仏教文化に触れていただければ幸いに存じます。

 

 資料名 員数 所蔵者 備考
金勝寺四至絵図(複製) 1鋪 館蔵 現品:金勝寺蔵
金勝寺本堂再建勧進帳 1巻 金勝寺(栗東市) 栗東市指定文化財
木造薬師如来坐像 1躯 成谷寺(栗東市)
木造天部形立像 1躯 金勝寺(栗東市) 滋賀県指定文化財
木造毘沙門天立像 1躯 西遊寺(草津市) 重要文化財
木造毘沙門天立像 1躯 西遊寺(草津市)
木造天部形立像 1躯 春日神社(東近江市) 東近江市指定文化財
木造毘沙門天立像 1躯 善勝寺(栗東市)
木造薬師如来坐像 1躯 善勝寺(栗東市) 重要文化財
木造日光菩薩立像 1躯 善勝寺(栗東市) 栗東市指定文化財
木造月光菩薩立像 1躯 善勝寺(栗東市) 栗東市指定文化財
木造地蔵菩薩立像 1躯 善勝寺(栗東市)
木造地蔵菩薩半跏像 1躯 善勝寺(栗東市)
熊野本地仏像九躯のうち阿弥陀如来立像 2躯 熊野神社(草津市) 草津市指定文化財
熊野本地仏像九躯のうち千手観音立像 1躯 熊野神社(草津市) 草津市指定文化財
熊野本地仏像九躯のうち十一面観音立像 1躯 熊野神社(草津市) 草津市指定文化財
熊野本地仏像九躯のうち地蔵菩薩立像 2躯 熊野神社(草津市) 草津市指定文化財

展示解説会 (解説・・・・当館学芸員)
       9月19日(祝) 14:00〜
      10月10日(祝) 14:00〜
   

解説集……こちらからダウンロードしていただけます(PDFファイル、60KB)


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栗 東 歴 史 民 俗 博 物 館
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