特集展示「文字と読書」

2012年10月27日(土)〜12月2日(日)

 毎年秋の10月27日から11月9日までは「読書週間」です。これは、昭和22年(1947)に「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと定められたものです。また、平成17年(2005)には、「文字・活字文化振興法」が制定され、国民の間に広く文字・活字文化についての関心と理解を深めるようにするために読書週間の始まる10月27日が「文字・活字文化の日」に定められました。
 普段、皆さんがお読みになる「本」のほとんどは、洋装本という西洋風の製本様式の本であると思われますが、このような型式が広まったのは明治時代以降です。それ以前は、手書きや木版印刷で本文を記した和紙を糸や紙縒で綴じた和装本(和本)が一般的でした。このような和装本は、奈良時代以降、1000年以上に亙って文字や活字の文化を担いましたが、和装本の文字は、漢字を崩した草書体や変体仮名という今日とは異なる平仮名の字体で記されることも多く、今日、和装本は馴染みのないものになっているように思います。また、近年の書籍の電子化などの流れからみれば、和装本は私たちから一層距離を置く存在になっているのではないでしょうか。
 今回の展示では、出土文字資料や和装本を紹介し、人々と文字や読書との関わりを考えます。

展示解説会:11月11日(日)14時00分から

資料名 形状 員数 所蔵者
書物の伝来
『日本書紀』応神天皇15年条 板本 1 栗東歴史民俗博物館
『日本書紀』継体天皇7年6月条 板本 1 栗東歴史民俗博物館
文字の習得
北大津遺跡出土木簡(複製) 複製 1 滋賀県立安土城考古博物館
北大津遺跡出土木簡(赤外線写真) 1 奈良文化財研究所提供
『日本書紀』天武天皇11年3月条 板本 1 栗東市教育委員会
手原遺跡出土習書木簡(8世紀中〜後半) 4 栗東市教育委員会
岡遺跡出土円面硯(8世紀) 1 栗東市教育委員会
手原遺跡出土転用硯(8世紀中〜後半) 8 栗東市教育委員会
硯台用坏身(8世紀中〜後半) 1 栗東市教育委員会
読み続けられる書物
『慶応改正論語』(慶応3年〈1867〉11月) 板本 3 栗東歴史民俗博物館
『慶応改正孟子』(慶応3年〈1867〉11月) 板本 4 栗東歴史民俗博物館
『初刻改正孟子』(安政5年〈1858〉正月) 板本 3 個人
『慶応改正中庸』(慶応3年〈1867〉11月) 板本 1 栗東歴史民俗博物館
『慶応改正大学』(慶応3年〈1867〉11月) 板本 1 栗東歴史民俗博物館
『千字文』 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『実語教童子教具註抄』
(天保14年〈1843〉初秋)
板本 1 栗東歴史民俗博物館
『庭訓往来』(天明5年〈1785〉孟春) 板本 1 栗東歴史民俗博物館
『真草二行増補節用集』 板本 2 栗東歴史民俗博物館
江戸時代の学び
『康政状』 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『世話千字文』 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『手本』 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『商売往来』(天保15年〈1844〉) 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『風月往来』 板本 1 栗東歴史民俗博物館
『京町尽』 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『都往来』(文政12年〈1829〉初冬) 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『女大学絵抄』 板本 1 栗東歴史民俗博物館
亀吉と亀治良の手習い
『世話千字文』 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『書状手本』(天保7年〈1836〉葉月) 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『邑名御手本』(天保7年〈1836〉8月) 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『国尽』(天保7年〈1836〉葉月) 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『商売往来』 写本 1 栗東歴史民俗博物館
『諸職往来』(天保8年〈1837〉12月) 写本 1 栗東歴史民俗博物館
栗東最古の文字
 十里遺跡出土木簡
(天武天皇14年〈685〉)
1 栗東市教育委員会


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