小地域展「林の歴史と文化」

会期:2016年3月1日(火曜日)から5月8日(日曜日)まで

【関連企画】
市民学芸員の会公開講座「新善光寺の阿弥陀三尊像について」
 日時:3月12日(土曜日)14時から、講師:松岡 久美子 さん(龍谷大学 龍谷ミュージアム 講師)、参加費(資料代):200円
展示解説会:3月27日(日曜日)11時から

 栗東歴史民俗博物館では平成12年度から毎年度、市内のひとつの大字を取上げ、その歴史と文化を紹介する展覧会を開催してきました。平成27年度は旧葉山村から、林地区を取り上げます。
 林は、栗東市の北東部に位置し、野洲川南側の平地に立地する地域にあたります。
 この林で人々の生活の痕跡がみられるのは縄文時代からですが、本格的に人々が定住するようになるのは古墳時代になってからです。なお、林の小字名には「藤塚」「磐塚」「磐穴」「大塚」「小瓜塚」といった、古墳にちなむと考えられる地名が存在することから、かつては多くの古墳があった可能性があります。そして鎌倉〜室町時代のいわゆる中世には人々の活動が活発となり、それを示す考古資料(出土資料)が数多く発見されています。やがて江戸時代初期に東海道が整備されると、街道に沿った街村が形成されるようになり、地区内にある新善光寺は膳所藩主・本多俊次(1595〜1668)の保護を受け、街道を通じて幅広い信仰を集めるようになります。また東海道沿いと新善光寺付近に集落があり、その周りには田畑が広がっているという、江戸時代の栗太郡に多く見られた農村の風景である林には、農村では重要であった「水」に関する資料も多く残されています。  
 地区内には、江戸時代以来の東海道のほか、明治22年(1889)に開通したJR草津線(当時は関西鉄道)や国道1号が通り、現在も交通の要衝となっています。
 今回の小地域展「林の歴史と文化」では、林地区の歴史や民俗についてご紹介します。この展示が、皆さまに郷土の歴史を知っていただく機会となれば幸いです。

出品資料目録

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凡例:△は滋賀県指定有形文化財

  資料名 員数 年代 所蔵者等
    彼岸の栄華〜彼岸、木洩れ日の新善光寺〜
  【写真パネル】新善光寺 山門 1枚   原品:新善光寺
  【写真パネル】新善光寺 本堂 1枚  (明治22年=1889年建立) 原品:新善光寺
  【写真パネル】銅造阿弥陀三尊像
               (※原品:栗東市指定文化財)
1枚  原品:鎌倉時代 原品:新善光寺
  新善光寺図 1枚 明治15年(1882) 館蔵
高野新善光寺本堂見積帳 1冊 明治15年(1882) 館蔵(里内文庫 268-18)
  【写真パネル】秋の彼岸の新善光寺 1枚 昭和31年(1956)撮影  
  【写真パネル】新善光寺 宝篋印塔 1枚 原品:鎌倉時代 原品:新善光寺
  【写真パネル】新善光寺 宝篋印塔 実測図 1点 原品:昭和45年(1970) 原品:個人蔵
  【写真パネル】新善光寺 宝篋印塔 拓本 1枚 昭和45年(1970) 原品:個人蔵
林遺跡と多福寺遺跡    
  土師器・壺 2点 古墳時代 林遺跡・栗東市教育委員会
  土師器・器台 3点 古墳時代 林遺跡・栗東市教育委員会
  土師器・甕 1点 古墳時代 林遺跡・栗東市教育委員会
  須恵器・蓋付器台 3点 古墳時代 林遺跡・栗東市教育委員会
  須恵器・蓋 1点 古墳時代 林遺跡・栗東市教育委員会
  須恵器・壺 2点 古墳時代 林遺跡・栗東市教育委員会
  土馬 1点 時期不明 林遺跡・栗東市教育委員会
  土馬 1点 古墳〜奈良時代 林遺跡・栗東市教育委員会
  土馬 1点 時期不明 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  黒色土器・椀 2点 中世 林遺跡・栗東市教育委員会
  土師器・皿 一括 中世 林遺跡・栗東市教育委員会
  中世陶器・鉢 1点 中世 林遺跡・栗東市教育委員会
  白磁・椀 2点 中世 林遺跡・栗東市教育委員会
  羽釜 4点 中世 林遺跡・栗東市教育委員会
  石塔・相輪 2点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  巴文軒丸瓦 2点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  唐草文軒平瓦 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  剣頭文軒平瓦 2点 平安時代 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  鬼瓦 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  丸瓦 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  壁材 一括 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  花瓶 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  火舎香炉 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  墨書土器「寺」 1点 近世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  黒色土器・椀 一括 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  黒色土器・台付皿 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  土師器・皿 一括 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  瓦器・椀 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  土師器・高台付皿 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  滑石製鍋 1点 中世 多福寺遺跡・栗東市教育委員会
  一括 時期不明 林遺跡(藤塚)・栗東市教育委員会
  珪化木 1点 時期不明 林遺跡(藤塚)・栗東市教育委員会
  白磁製狐人形 1点 時期不明 林遺跡(藤塚)・栗東市教育委員会
  陶器製狐人形 1点 時期不明 林遺跡(藤塚)・栗東市教育委員会
  石盤 2点 明治時代? 林遺跡(藤塚)・栗東市教育委員会
  石筆 2点 明治時代? 林遺跡(藤塚)・栗東市教育委員会
野洲川をめぐる相論と水利    
 △ 野洲川草場相論絵図 1鋪 延宝2年(1674) 館蔵(里内文庫 355-6)
 △ 一ノ井中ノ井今井水論裁許絵図 1鋪 元禄11年(1698) 館蔵(里内文庫 355-8)
 △ 一ノ井中ノ井今井井筋絵図 1鋪 元禄11年(1698) 館蔵(里内文庫 355-4)
  井料米請取状 1通 元禄14年(1701) 個人蔵
  井料米請取状 1通 享保4年(1719) 個人蔵
  井料米請取状 1通 元文2年(1737) 個人蔵
  井料米請取状 1通 巳年 個人蔵
  定之水請取状 1通 元文2年(1737) 個人蔵
  定之水請取状 1通 享保10年(1725) 個人蔵
  定之水請取状 1通 享保10年(1725) 個人蔵
長徳寺と薬師堂
  合附之儀ニ付願書 1通 明治9年(1876) 個人蔵
  寺院建物明細書 1冊 明治14年(1881) 個人蔵
  薬師講の膳(レプリカ) 1点 館蔵
  六字名号(蓮如筆) 1幅 室町時代 長徳寺(栗東市 林)
  方便法身尊像(実如裏書) 1幅 永正16年(1519) 長徳寺(栗東市 林)
  東海道分間延絵図 巻十一(現品:重要文化財) 1巻 現品:文化3年(1806)  館蔵
(現品:東京国立博物館) 
  東海道名所図会 巻二 1冊 寛政9年(1787) 館蔵
  伊勢参宮名所図会 巻二 1冊 寛政9年(1787) 館蔵
 △ 新善光寺廿五菩薩練供養 版木 1枚 近代か 館蔵(里内文庫 371-7)
 △ 新善光寺御詠歌 版木 2枚 江戸時代か 館蔵
(里内文庫 371-6)
(里内文庫 371-16)
 △ 新善光寺御開帳 仏餉袋 版木 1枚 江戸時代か 館蔵(里内文庫 371-12)
林のすがた    
  林村地券取調総絵図 2鋪 明治6年(1873) 館蔵、個人蔵
  林村地籍全図 1鋪 明治20年(1887)前後 館蔵
  空中写真 1枚 昭和22年(1947)撮影 館蔵
林のくらしと採集資料〜用水上流のむらとして〜
  ジョリン(鋤簾) 1本 近代 館蔵(F1291)
  ハンテン(半纏) 1枚 近代 館蔵(F1903)
  ナガギ(長着) 1枚 近代 館蔵(F2764)
  オビ(帯) 1本 近代 館蔵(F3322)
  マエカケ(前掛) 1枚 近代 館蔵(F0319)
  テッコー(手甲) 1組 近代 館蔵(F0591)
  キャハン(脚絆) 1組 近代 館蔵(F0394)
  ジョリン(鋤簾) 1本 近代 館蔵(F1236)
  ジョリン(鋤簾) 1本 近代 館蔵(F1867)
スポット展示:長徳寺の梵鐘供出とその後
  【写真パネル】梵鐘之歴史 1枚 原品:昭和17年(1942) 現品:個人蔵
  【写真パネル】梵鐘献納供出ニ付門信徒ニ申上ル 1枚 原品:昭和17年(1942) 現品:個人蔵
  仮名忠霊堂(梵鐘改造)請負工事打合会記録 1通 昭和18年(1943) 個人蔵
  【写真パネル】梵鐘再建ニ就テ 1枚 原品:昭和23年(1948) 現品:個人蔵


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