【平成8年度の展覧会】

◆テーマ展「栗東町新考古学事情―最近5年間の調査成果を中心に―」
会期:平成8年4月12日から平成8年5月12日まで

 栗東町内の各所に点在する遺跡から出土した多くの土器は、その形や紋様から遠くは朝鮮半島南部から、また国内各地域との文化交流の様子の一端をうかがうことができ、栗東町の歴史の豊かさを物語る貴重な資料であります。このような資料を多数展示するとともに、「遺跡が語る栗東の歴史」というテーマで講演会を開催しました。


◆企画展「国松桂渓展」
会期:平成8年5月18日から平成8年6月23日まで

 国松桂渓は、滋賀県栗太郡葉山村出庭(現在の栗東町出庭)に生まれ、大正期の京都洋画壇を代表する人物でありましたが、作品のほとんどが所在不明となっていたため、その生涯ならびに活動については具体的に知られていませんでした。最近、新に油彩画・水彩画・素描あわせて約200点が発見され、新出資料のうち120点余りの作品を展覧し、郷土の洋画家・国松桂渓の生涯とその活動を紹介しました。


◆第5回マイ・コレクション展
会期:平成8年6月28日から平成8年7月14日まで

 マイ・コレクション展は、第5回目を迎え、住民の皆さんからの思い出の品や先祖から伝わる大切な家宝を出品いただき、こうした展示品をとおして先人の貴重な遺産や文化を受け継ぎ、そこから新しい文化を育んでいく心を大切にするために開催しています。今回は、漫画やアニメのキャラクター茶碗、子供の成長を願う郷土人形のうち金太郎、力士人形、雛人形、色とりどりのグッズなど多くの人々からの出品された品々を展示しました。


◆第6回平和のいしずえ展
会期:平成8年7月20日から平成8年8月25日まで

 まちの「心をつなぐふるさと栗東」平和都市宣言を受けて、平成3年(1991)以来開催を続けている「平和のいしずえ展」も博物館の夏期展覧会としてすっかり定着してきました。今回は、戦争と軍隊をめぐる国民の「こころ」の問題を焦点に、千人針や陣中護符などの弾除け信仰、凱旋記念絵馬や戦利品展示の流行など、さまざまな視点から国民と戦争の関わりを知っていただき、町の歴史資料から平和を考える出発点としました。


◆収蔵品展―美術工芸品を中心に―
会期:平成8年9月6日から平成8年10月6日まで

 新収蔵資料として初公開の「栗東の文人画家―岡笠山―」の紹介をはじめとして、「金勝寺文化圏の文化財」「神像と狛犬」「東方山安養寺と慈雲尊者」「浮世絵に見る近江―葛飾北斎を中心に―」の5つのテーマを柱として重要美術品1件、滋賀県指定文化財2件、町指定文化財1件を含め総数35件の美術工芸品を展示し、地域に密着した文化資料の展示を通じ、地域文化の発掘に努めました。


◆企画展「岸派とその系譜―岸駒から岸竹堂へ―」
会期:平成8年10月12日から平成8年11月17日まで

 江戸時代後期から明治時代中期にかけて京都画壇を代表した岸派。岸派は、流派を開いた岸駒を祖とし、岸岱、岸連山、そして4代目岸竹堂へと受け継がれてきましたが、こうした岸派の代表的な作品を出陳し、日本画の近世から近代への展開を紹介しました。また、併せて岸派に属した絵師・山中東江の絵画資料や使用した筆、道具等を展示し、絵師の学習形態の一端も紹介しました。


◆企画展「栗太武士の足跡―山岡一族とその周辺―」
会期:平成8年11月23日から平成8年12月23日まで

 栗太郡を拠点とする戦国武士として勢力を振るっていた山岡氏一族は、戦国から徳川政権下まで長く活躍し、この間、園城寺や石山寺等の社寺の復興に尽力するなど、近江湖南の地に影響力を保っていました。こうした山岡一族の肖像と関係資料を展観し、あわせて青地・長束氏らの栗太武士についても紹介、戦国から桃山期にかけての地域史を追及しました。


◆平成7年度栗東町埋蔵文化財発掘調査成果展
会期:平成9年1月5日から平成9年2月2日まで

 平成7年度において十数箇所の埋蔵文化財発掘調査を実施し、これらの調査により得られた貴重な資料のうち、主要な遺跡での発掘調査の成果を公開・展示することにより、文化財への理解と興味を深めていただいた。


◆栗東の民具5「桶と曲物」
会期:平成9年2月8日から平成9年3月16日まで

 地域の生活様式、生産体系を物語る実物資料であり、時代の証言者でもある民具。こうした民具を紹介するシリーズ展覧会は、5回目を迎えました。今回の展示は、人々の暮らしに欠かすことのできない木製品である桶と曲物にスポットをあて、木製の容器がいかに作られ、どのように使われてきたのか、また現代生活ではどのようなものに変化したのかを探るため、紹介しました。


◆企画展「湖南の弥生時代―環濠集落・大型建物・銅鐸―」
会期:平成9年3月22日から平成9年5月5日まで

 弥生時代の野洲川を流域とした湖南地方には、全国的にも注目すべき大環濠集落や大型掘立柱建物群が存在し、そしてこれら集落での祭祀に使用されたであろう銅鐸も出土しており、この時代の湖南地方がいかに重要な位置をしめていたかを物語るもので、こうした弥生時代の資料展示を通して、「魏志倭人伝」などの記事にみられる、倭(国)の「クニ」のひとつであったろう湖南地方=弥生時代の近江の姿を紹介しました。

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栗 東 歴 史 民 俗 博 物 館
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