第3回 
マイ・ミュージアム展

会期:2004年6月26日(土)〜7月19日(祝)


マイ・コレクション展からマイ・ミュージアム展と改め、今年で第三回目を迎えることが出来ました。マイ・コレクション展ではコレクションや思い出の品、家宝とされている品々を中心としていましたが、さらに創作活動の成果などを発表する場としても活用していただきたいという思いからマイ・ミュージアム展は始まりました。
 今回は、五名の方からのコレクションと、公民館での編み物教室と日本画教室のみなさんから出品をいただくことができました。コレクションの一つ一つの「モノ」からは、出品者の強烈な思い入れが伝わってきます。モノを集めること、コレクションを形作ることの楽しさを少しでも共有できれば幸いです。また、モノを作ることも人の営みのなかでとても大切な、そして素晴らしいものといえます。
 みなさんの身近なところにあるささいなモノであっても、視点を変えてみたり、少しの時間や思いをかけることで、これまでとは違った輝きを放つことでしょう。
 最後になりましたが、ご協力いただきました皆様に御礼申し上げます。


●菓子の木型   (栗東市綣 青山 實)
 30年程も前、骨董市や古道具屋さんにはいくつかの菓子の木型がおいてありました。たいていは店の隅か足元の籠に無造作に入れてあったりで、あまり優遇されているようには見えませんでした。したがって値段も安く、気安く買い求めることが出来たものです。当時見よう見真似で木彫を手掛け始めたばかりの私には、不用になったとはいえ、こんなに緻密で丁寧な仕事のものが…と信じられない思いがしたものです。さすがに昨今では保存状態のいいものや図柄のいいものは見当たらなくなり、意匠美や造形美として見直す動きもあるようです。
 わが家では紐をとおして壁掛けとしたり、箪笥の上の飾りにして季節や四季に合わせて取り替えて楽しんでおります。


●マイ・茶道具   (栗東市小平井 大橋 勝)
 私とお茶との出会いは、お寺さんであった友人から度々お茶を呼ばれていたことや、娘が通っていた栗東西中学校のPTAでのお茶会に参加する機会があったからです。焼き物は知性会という盆栽の会をとおして集まってきたのです。左に置いた緑釉と鉄釉の味わいのよい陶工東福寺の作になる手焙りは、自分の生まれた年に造られたという縁もあり、盆栽の師関西民男さんから三年がかりで分けていただきました。右隣の達磨形手焙りは、東福寺の手焙りの代わりに入手したのですが、14、5年前にはこれだけ味のあるものだとは思っていませんでした。中央の花瓶は、友人の作です。陶芸教室での紐作り技法によるもので、岡山で焼成しています。右端の花詰茶碗は、九谷焼の陶画師先代玉峰に師事し、30年ほど前に草津に移ってこられた陶画師松堂の作です。あわせて茶掛け一幅と自然の作り出した造形の妙を添えてみました。
 
●思い出の色紙  (栗東市小平井 大橋 勝)
 縁あって、故前市長に色紙をいただく機会がありました。今では家宝として大事にしております。猪飼さんは運の良い人で、次から次へと事業を遂行されました。その運の良さを、皆様と一緒になって、少しでも分けていただければと、ここに披露させていただきました。

●フランス車のミニチュアカー (栗東市川辺 岩見希仁)
 フランスといえば、イタリアと並んでファッショナブルで洗練されたイメージが漂いますが、車に関していえば機能性重視でデザインは二の次、たまに目を引くものが出てくれば万人向けしない、個性的、前衛的なモデルが多数発表されました。その一方でモータースポーツには積極的に参加し、F1、世界ラリー選手権、ル・マン24時間などの耐久レースで好成績を収め、レースで培った技術を反映させた魅力的なスポーツカーを発表するなど、そのギャップが面白さなのかもしれません。
 今でこそ洗練されたデザインで日本でも人気の高いプジョーも一部のモデルを除いて地味な車ばかりでした。前衛的といえば旧いシトロエンの車はまさにそのとおりでした。現代のモデルは少し大人しいような気がします。ルノーもある時を境にデザインに目覚め、個性的なモデルを次々と発表していて目が離せません。今回は戦前のモデルから現在までの乗用車、商用車を出展しました。シムカやパナールなど今は亡きメーカーの車もあります。きっと気になる車が一台あると思います。


●アメリカ滞在4年半の思い出 (栗東市辻 白石朋子)
 1995年から2000年までアメリカのノースカロライナに4年半の間滞在していました。その間に、旅して集めた物、そこで出会ったアメリカンクラフトなどを出展しました。
 滞在中にまず初めに出会ったクラフトが、アメリカンキルトでした。アメリカにはとても豊富な色彩の布があり、それらを組み合わせ、アメリカの伝統的なパターンや由来を訊きながらのキルト作りは、一番の楽しみでした。キルト作りと共に、その作業で使うシンブル(指ぬき)のコレクションがあることを知りました。これも小さなものなので思い出の一つとして集め始めました。
また、トールペイントで白木に草花を書くことが私流ガーデニングの楽しみでした。色の配色が自由なアメリカンクラフトで、同じ花でも色が変わると雰囲気が変わり、次にはどんな花にしようか、と思いながら描くのがとても楽しかったです。
 アメリカの観光地にはその土地・名所の文字、絵柄の入ったスプーンが数多く売っています。大きさが手ごろで思い出に買っておこうと、楽しみながら集めたものでした。


●年賀状   (栗東市坊袋 鷲田美代子)
 お正月が近づいてくると、私はドキドキしながら稲岡画伯からの年賀状を待っている。画伯は手書きで一枚一枚それも沢山書かれるので私の手許へ届くのは毎年6日、7日頃なので待ち遠しいことこの上ない。
 20年以上のおつきあいなので、20枚以上のコレクションが出来た。私の大切な宝物を一度皆様にお目にかけようと出品させていただいた次第です。

●チギリ絵の楽しみ    (栗東市坊袋 鷲田美代子)
 私が公民館の教室として発足したちぎり絵教室に参加したのは今から7年前であった。初期の頃は、和紙の風合いを生かす為に、そのまま千切っては貼って2時間の所要時間で殆ど出来上がった。そのうち段々面白くなり、今は病膏盲に這入った感じである。2年前、娘の家の壁面を飾るために20号の大作にチャレンジした。洋館の庭に花桶がいくつも並び庭にガス燈がともっているという構図で私も一生懸命明けても暮れても和紙を千切っていた。出来上がった作品は下手ながらも力いっぱい尽くして満足できた。大作ばかりも貼っていられぬので、此の頃は新聞やカレンダー、絵葉書等の面白い構図があると切り抜き、カラーコピーしてあれやこれやと貼ってみるのがとても面白い、まだつたないけれど楽しい趣味を与えて下さった先生に感謝しつつ今日もボツボツ貼っているのである。

●馬杉編み物教室の作品
作品提供:馬杉正子、上田幸江、寺尾節子、岩本美年子、山本尚子、中島陽子、田中清子、橋詰栄枝、川崎広美、美之浦美千代、福嶋ひなえ(順不同・敬称略)
 編み物に出会ってから、30年以上になります。最初は、手すさびに始めましたが、今では20年近く共にずっと習いに来てくれる人もいます。
 編み物は、手近な糸でできるように思われがちですが、自分が作り上げたい作品によって材料も吟味しなくてはいけません。糸を選ぶことで、その仕上がりは全く違い、型が崩れることなく長い間着ることができます。
 作る進度はもちろん、人それぞれです。自分のペースを乱さず、作ることが大切だとつたえています。編み物に限ったことではありませんが、何でもやってみることです。そのきっかけは近くにあると思うのです。

●稲岡仁彦と絵画教室のみなさん
初夏(稲岡仁彦)
 季が訪れると芽吹き、花を咲かせ、実をつけ、季がすぎると落ち葉となって枯れ、再び繰り返す。種の保存の為、花粉を運ぶ媒体となる昆虫に、より見つけやすいように色とりどりの花を咲かせる。いつもそこにある自然。この目で見つめ心の眼で観ながら作品を通して表現したい。合掌
水仙(水野仁一)
清楚で可憐ななかに、凛とした所のある花です。そのような水仙に心魅かれてスケッチブックに描きとめ、本画にしました。
実りの秋(井 悦子)
自然の恵みに、感謝の意を込めて画きました。
うとうと・・・(昆 恵子)
 4年前に絵を習い始めて描いた絵です。当時一才半の茂家の人気者「ロイ君」です。うとうと・・と眠りについている時の顔のかわいいこと(親馬鹿?)。その顔を描きたいと、未熟乍描いた絵です。これからも表情の違ったロイを描けたらなと思っています。
サブ(立石幸子)
 春雨の降る肌寒い夜に道路に捨てられていた猫を主人が拾ってきました。栄養失調で脳にも障害があるといわれショックでした。それでも家族が一生懸命育て、今はとても元気です。人なつこくて。いびきが大きいのが玉にキズですが皆の癒しになってくれています。ありがとう!
小さい花(和田恵美子)右の写真→
 雑草の中に紅白の花を見つけました。 小さいけれど力強さを感じ、それを絵にしました。
いつまでも(芳賀郁子)
 苗から育てたエンジェルストランペットをやさしい色彩で時間をかけて描きました。


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