テーマ展 
村の掟
(むらのおきて) ―人びとの自治とくらし−

会期:9月11日(土)〜10月11日(祝)


 近江の村々では、はやいところで鎌倉時代末期ごろから、掟書(定書とも呼ぶ)というものをつくりはじめました。村の掟書とは、村が制定した法ともいうべきもので、その村に住む人びとはこの掟を守らなければなりませんでした。
 一般的に村が制定した掟書は、戦国時代末ごろに増えていきます。近世では幕藩体制といわれる将軍を頂点とした諸大名らによる地域の分割、編成が行われました。ここでも村の掟書はやはりつくられており、領主の法に制限を受けつつも村の自治は存続していたようです。では、なぜ村の掟はつくられ、江戸時代以降も存続したのでしょうか。
 法は社会の鑑ともいわれるように、村や地域の法である掟をみていくことは、とりもなおさずその村や地域の歴史、社会や文化を知ることにもなります。村が掟書を制定するのには、当時の村や地域社会のなかにそれを必要とした背景があったはずで、それを基盤に村の掟は運用されたと考えられます。そして現実にその地域社会のなかにあって、自ら掟を制定、運用していく人びとこそが、当時の地域が抱えていた社会問題解決の鍵を握っていたといえるでしょう。逆にいえば、この掟書を読むことによって当時の村々がどのような事態に直面し、どのように問題を解決していこうとしたのかがうかがえるのです。
 村というのは閉鎖的な側面をもっているように見えますが、その一方で実は一村落のみで生活が成り立っているわけでなく、歴史的に近隣地域となんらかの外交折衝を積み重ねて存続してきました。村が掟を制定、運用していくということは村の自治のあらわれであり、それが芽生えるのは近隣地域との外交政策により磨かれ、熟成していった村の政治能力の発展過程においてでしょう。
本展では掟書がつくられる背景にある、村の外交努力に留意しながら、さまざまな近江の村の掟を紹介していきます。


●出品予定資料目録はこちらをご覧ください


【関連行事】 展示説明会  9月19日(日)13:30〜 (1時間程度)
 展示担当が会場において展示資料の説明をいたします。参加ご希望の方は、13:30に博物館ロビーにお集まりください。
 参加無料(ただし入館料が必要です)
 


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