トップページ(目次)へ 
「いきいき活動」で介護予防
 「住み慣れた地域で、いつまでもいきいきとした自分らしい生活を送りたい」。この願いをかなえるため、自分自身の健康と生きがいづくりへの意識を高く持ち、活動する皆さんがいます。
 65歳以上の皆さん、一歩外へ出てみませんか。同じような志を持つ仲間との交流が、いきいきとした毎日につながっています。
100歳大学卒業生が社会に役立つ活動を模索中
 昨年、市内在住の65・66歳を対象に、全国初の取組みとして始まった「栗東100歳大学」。全40回の講座で37人が充実した今後の人生のために、学び、考えました。今、卒業生が栗東駅前でADマーケットを開いています。
栗東駅前でこだわりの野菜販売にチャレンジ
 栗東100歳大学の卒業式が行われたのは、平成28年7月28日。28にちなみ、卒業した37人が「28にはち会」と名付けたグループを結成し、定期的なイベントの開催や趣味をいかした交流などで、卒業後もつながりを持った活動をしています。
 その一つが栗東駅前のチャレンジショップへの出店。チャレンジショップは、栗東市商工会が、意欲のある創業者に出店費用の支援をしているもの。10月1日から、この店舗を活用し、一般財団法人 健康・生きがいづくり開発財団が認定する「健康生きがいづくりアドバイザー(AD)」に登録するメンバーが中心となり、野菜販売をしています。
 野菜は、無農薬有機栽培のものや、不揃いのため、市場には出せない栗東産のものが中心。毎朝、生産者の畑から直接仕入れる、新鮮な野菜を良心的な価格で販売しています。時には、メンバーの畑でとれた安全・安心な野菜も並びます。
 店舗は趣味をいかした空間も広がっています。メンバーが撮影した写真や折り鶴などの展示に加え、帽子、エプロン、ティッシュケース、鉢植えなどの手作りの作品が実際に販売されています。
気軽に集まり、仲間と交流し社会に役立つ活動を考える場
 世話役の一人として、パソコンで入荷や販売管理をしているのが池田和康さん。他店舗を視察して値段を考え、空き時間には、仲間から教えてもらった、かぎ針編みにも挑戦しているそうです。28会の皆さんが無理なく楽しく活動できるように考えながらの運営が続いています。
 「栗東100歳大学に入学したのは、退職後に地域の知り合いを増やしたいと思ったからです。充実した人生には、食事、運動、会話に加え、社会貢献が大切であることを学び、社会との接点が多い人ほど活動的であることが分かりました。この店舗は、野菜などの物を売ることが目的なのではありません。仲間が気軽に集まり、交流できる場所としての重要な役割があります。チャレンジショップは3月末までとなっていますので、現在、仲間にアンケートをとり、今後をともに考えています。交流の場を確保しながら、活動を続けていくことができたら」とこれからの社会貢献活動に向けて、話してくださいました。
 店舗では、集まった皆さんの話に花が咲き、笑い声が響きます。「みんな66・67歳の同級生。同じ時代を生きてきたから、すぐに分かり合えます。集える場があり、話せる仲間がいることで元気になれるんです」と声を揃える皆さん。
 100歳大学卒業生の取組みは、まだ始まったばかり。生きがいの居場所づくりから、社会に役立つ活動の創造に向け、挑戦が続きます。
栗東市の高齢化率 本市の65歳以上の人口割合(高齢化率)は、18.2%(2月1日現在)です。全国平均に比べると低いですが、20年後には20%に、40年後の平成67年には23%に達すると予想されています。  市では、高齢者が元気で生きがいを持ち、安心して暮らせる地域づくりに重点的に取り組んでいます。

100歳大学の卒業生に聞きました。
在校中、卒業してから…。


●今後の人生を考え、「元気にいきいきと過ごしたい」と、100歳大学に入学しました。在学中よりも、卒業してからの交流で、皆さんといっそう仲良くなれた気がします。

●在校中は、料理教室や金勝寺の散策など、体験型の講座が楽しかったです。

●ADマーケットで障がいのある皆さんが作られたお菓子などを売ることで役に立つことができるかもしれないと思っています。

●これからも集まる場所を決め、ボランティアなど役立つ活動をしていきたいです。

●みんなそれぞれ、趣味、サークル、ボランティアなど、多様な友人がいます。ここでは、他の友人とは違う話題もでき、真っ白な自分でいられます。多くの場を持つことが大切なのかもしれません。

●在職中は見栄を張ってしまいがちな人も多いですが、それを捨てると、とても楽になり、新しい世界が広がると伝えたいです。今の私がそうです。

●今、100歳大学2期生が学んでいますが、受付や机並べなど、運営のお手伝いをしています。少しでもお役にたてることがうれしいです。

市内69団体がいきいき100歳体操で仲間と健康づくり
 「いきいき100歳体操」は、高齢者向けの運動プログラムとして、平成15年に高知市で開発されました。市でも平成21年から導入し、2月1日現在、69団体で行われてます。今回は赤坂自治会の取組みを紹介します。
体操で地域の身近な仲間とふれあう
 昭和49年、団地の誕生によりできた赤坂自治会。しかしながら、高齢化が進み、現在、高齢化率は40%を超えています。自治会活動は活発ですが、「身近な場所で気軽に集まり、みんなで身体を動かしたり、話したりする、ふれあいの場がほしい」という地域の高齢者の声を受け、平成24年9月から100歳体操が始まりました。
 体操をしたい人はだれが来てもよく、現在は、毎週火曜日の10時から約1時間、地域の皆さんが自治会館で汗を流しています。毎回20人前後の参加があり、参加者の平均年齢は80歳です。
 1月31日、211回目の開催となった体操には19人が参加。活動の始めに、5分間、「お口の体操」があり、お腹から声を出します。その後、映像を見ながら、高知市のいきいき100歳体操を実践。自分にあった重りを手首や足首に巻きつけ、椅子に座ってゆっくりと手足を動かしていくことで効果のある運動です。途中の休憩や体操の終了後には、参加者同士が自由に交流します。
 参加者最高齢で、88歳の八木一男さんは「自分の健康のために参加しています。3年前に脳梗塞になりましたが、そのリハビリにもなっています。地域の仲間と一緒にここに集まれることが楽しく、体操のおかげで身体も軽くなりました」と語ります。
 一定の時期に、体力測定で自らの体力を確認している皆さん。年に約4回は、サロン活動として、食事会やゲームを楽しみながら交流もしています。独り暮らしの高齢者も多いという赤坂自治会。体操やサロン活動は、お互いに声をかけあいながら、仲間を見守る場にもなっています。

赤坂自治会の100歳体操参加者に聞きました。
地域の皆さんと体操を続けていて感じていること。


●ここでは年齢も高いほうなので、若い人たちからパワーをもらっています。姿勢を良くすることを常に意識していて、毎日ウォーキングもしています。ケガをした時、同じ年齢の人よりも治りが早いと言われたのは、毎週の体操の成果です。

●いろんな場で人と話すことが大切だと思っています。歳をとったからと、引っ込んでいたらダメです。

●買い物は歩いて行くなど、日常生活の中でも常に体を動かすことを心がけています。合間のおしゃべりの時間も楽しみに、毎週欠かさず参加しています。

●身体や心を鍛える場です。皆さんのかけ声と笑顔で楽しく体操しており、自分の体調にあわせてトレーニングができることが何よりもうれしいです。

※市内各地域の100歳体操は、こちらや、広報折込みの「ワンランク上の自分!」でも紹介しています。合わせてご覧ください。

元気のもとは、ボランティア活動。
「栗東市いきいき活動ポイント」に登録・活動しませんか。


■社会参加により、他者と自らの介護予防を推進
 市では、昨年10月から、介護支援ボランティア制度となる「栗東市いきいき活動ポイント」事業を開始しました。
 60歳以上の市民が行う介護支援ボランティア活動に対してポイントが付与され、ポイントに応じてマロンカード加盟店や作業所の買い物券などに交換、もしくは善意銀行や団体へ寄付できます。
 登録には説明会への参加が必要で、2月1日現在、168人がボランティアとして登録し、すでに活発に活動しています。本市の制度の特色として、地域の高齢者サロン・いきいき百歳体操の活動支援や在宅生活支援の一部もポイントの対象にしています。
<説明会を開催>
日時…5月25日(木) 14時〜15時30分
場所…なごやかセンター
申込先…社会福祉協議会 TEL.554-6105
問合せ…長寿福祉課 高齢福祉係 TEL.551-1940

■ボランティア活動が自分を元気にする
 「栗東市いきいき活動ポイント」で活動している一人が一坪洋子さん(69歳)。「認知症サポーター養成講座」を開催するボランティア「キャラバン・メイト」などで活躍し、ホームヘルパー2級の資格を持つ一坪さんは、新たに活動ポイントボランティアに登録。昨年11月から下戸山にあるデイサービス「すずらんの郷」でもボランティアを始めました。
 「週1回くらいのペースで活動しています。介護士さんの動きを妨げないように注意しながら、お手伝いしています。例えば、体操の時は、目配りしながら、よりきめ細かく皆さんをサポートできるように心がけています。『自助』があっての『互助』ですので、自分自身も健康で元気でいるために取り組みながら、『自助』『互助』のどちらも頑張りたいです。毎日が勉強で、ボランティアをすることにより、自分が元気をもらっています」と話す一坪さん。一方で、「きめ細かなサポートで助かっています。利用者も楽しみにされています」と職員の一人は語ってくださいました。
 社会貢献活動が一坪さんのいきいきとした毎日につながっています。
市では「介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)」で安心して暮らせる地域づくりに取り組みます
 介護保険制度の改正により、平成29年4月から、要支援の人から元気な高齢者までを対象とした、介護予防と日常生活の自立を支援する総合事業が始まります。現行の要支援の人に対する介護予防給付のうち、訪問介護と通所介護が新しい総合事業へ移行します。
【日常生活で困ったら】
 長寿福祉課(市役所1階)や各地域包括支援センターにご相談ください。
 心身や日常生活の状況によって適切な介護保険サービスや市の事業、介護保険以外の社会資源などを案内します。

【既に要支援の認定を受け、介護保険サービスを利用している人】
■訪問介護、通所介護サービス
・総合事業への移行時期
 平成29年3月末以降の最初の介護認定有効期限までは従前のサービスを利用できます。有効期限後は総合事業へ移行し、訪問型や通所型のサービスを利用できます(表1)。
 なお、平成29年4月以降にサービスを利用する人は、有効期限に関わらず総合事業の利用になります。
■訪問介護、通所介護以外のサービス
(訪問看護、通所リハビリ、福祉用具貸与、住宅改修などのサービス)

 サービス内容に変更はありません。要支援の認定を受けている人は従前どおりのサービスを利用できます。
【表1】介護予防・生活支援サービス事業
種類 内容
訪問型サービス
現行相当のサービス 身体介護が必要など介護有資格者による支援が必要な人が利用できます。
緩和基準のサービス 現行より提供時間や人員などの基準を緩和した身体介護を必要としない家事援助サービスです。現行相当より安価なサービスです。
短期集中型サービス 管理栄養士や歯科衛生士による口腔機能や栄養状態の改善、保健師による閉じこもり予防を目的とした短期間の支援サービスです。
通所型サービス
現行相当のサービス 身体介護が必要など介護有資格者による支援が必要な人が利用できます。
緩和基準のサービス 現行より提供時間や人員などの基準を緩和したサービスで、運動やレクリエーションなどを行なうことができます。現行相当より安価なサービスです。
短期集中型サービス 傷病等により行ないにくくなった生活動作を改善することを目的とした短期間の通所サービスです。
【表2】平成29年度の一般介護予防事業
種類 内容
いきいき百歳体操 地域住民が主体となって健康づくり・仲間づくりができる「いきいき百歳体操」の普及をし、実践できるよう支援します。
トレーニング機器開放事業 保健センター内のトレーニング機器を使って筋力トレーニングができます。4回の講習会(年3期開催)を修了した人が利用できます。講習会の日程や詳細は広報のお知らせ版をご覧ください。
まちづくり出前トーク
(対象:団体、グループ)
介護予防の基本であり特に大切な 「食事」「お口の健康」について管理栄養士、歯科衛生士が分かりやすい話や実践の仕方をお伝えします。
栗東100歳大学 人生100歳時代を健康づくりや社会貢献をとおして自分らしく暮らせるための事柄を体系的に学ぶことができます。65・66歳を対象にしています。
いきいき活動ポイント事業 介護支援ボランティア活動を行なうことで、地域の助け合いが広がるとともに、社会貢献活動による他者と自らの介護予防を目的としています。
【表3】その他介護保険外の介護予防、生活支援に関する社会資源
介護予防関連 日常生活支援
地域サロン、民間のスポーツジム、フィットネスクラブ、いきいき百歳体操など地域住民主体の体操、老人福祉センター、コミュニティセンターでの自主活動、体育館での筋力運動や体操など 食品・日用品などの宅配、配食弁当、家事援助、給食ボランティア、買い物に関する移動支援、住民同士の支え合い活動
※介護予防や生活支援に関する相談は、下記の相談窓口にご相談ください。
○よくある質問
要支援で訪問介護や通所介護のみを利用しているのですが手続きは変わりますか?
要介護認定を受けなくてもチェックリストで利用の決定ができるようになり、手続きが簡単になります。その後はケアプランを地域包括支援センターなどの担当者が作成し、サービスを利用できます。
40〜64歳で16種類の特定疾病により介護支援が必要な場合は?
要介護(要支援)認定の申請をしてください。認定の結果により、必要なサービスを利用できます。
新しい総合事業で、今の事業所を利用できますか?
今の事業所が市の指定を受けた事業所であれば利用できます。市の指定を受けない場合は、指定を受ける他の事業所を利用できます。
○ 相談窓口
■介護保険に関すること
 長寿福祉課 介護保険係 TEL.551-0281
■高齢者の困りごとに関すること
 栗東中学校区・西中学校区の居住者…
 栗東市地域包括支援センター(市役所1階 長寿福祉課 ) TEL.551-0285
 葉山中学校区の居住者…
 葉山地域包括支援センター(淡海荘内) TEL.552-5280
トップページ(目次)へ
次のページへ