てんりゅう隊高射砲陣地

名古屋市南郊の東海市名和町には、2ヶ所の高射砲陣地が構築されました。太佐山と呼ばれる丘陵(標高約44メートル)に置かれた本陣地は、通称「てんりゅう隊」と呼ばれた中隊のためのものです。
昭和19年(1944)9月から12月にかけて構築された本陣地は、三菱重工業名古屋航空機製作所を初めとする、名古屋市南部の臨海地に立地する軍需工場を防護することを任務としていました(※ただし、名古屋市南部臨海地の軍需工場は、昭和19年12月の東南海地震によって壊滅的な被害を受けています。)

太佐山は頂上部に南北約170メートル、東西約60メートルの平坦面を持ち、陣地はこの頂上部分から南麓にかけて構築されました。頂上部には戦闘空間(通信所・滞空監視所など)が設けられており、本陣地の高射砲砲座はそれらを取り囲むように半円を描くように、東側に面して配備されていました。

敗戦後の本陣地では、昭和20年(1945)の12月末まで残務処理が行われました。高射砲砲座は、終戦後にアメリカ兵によって爆破され、現在ではコンクリート製の砲床が一部で露出しているのが確認できるのみとなっています。本陣地には他にも、兵舎や弾薬庫、中隊事務所などの建造物が構築されていましたが、現在でもその痕跡が確認できるのは炊事場と便槽だけとなっています。その他、当時使われていた井戸も確認できます。


てんりゅう隊高射砲陣地 砲座跡

てんりゅう隊高射砲陣地 かまど跡

てんりゅう隊高射砲陣地 井戸跡

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