国際博物館の日記念事業

テーマ展
近江の彫刻
−神とまじわるほとけたち−


会期:平成17年(2005)5月21日(土)〜6月26日(日)


同時開催 特別陳列「近江湖南と蓮如」


▲熊野神社本地仏のうち 薬師如来坐像 草津市 熊野神社

 現在では一般に、別物のようにとらえられている神とほとけですが、江戸時代以前には、神もほとけも本質をたどれば同じところに根ざすと考えられていました。それゆえ、本地に(神のおおもとの姿としてのほとけ)と称して仏像をまつり、梵鐘や鰐口などの仏具を備え、神社に僧がいて神前で経典を読むなどということが広く行われていました。
 ところが明治時代になると、政府の政策により、神を中心とした信仰体系の再編が行われました。これにより神社の境内から仏像や仏具は追い出され、神社に仕えていた僧は還俗を命じられて、神社から仏教的要素は一掃されました。現在の私たちの、神とほとけは別物であるという意識は、この明治時代以降の動向を反映しているといえます。
 神仏分離によって、神社ゆかりの仏像や仏具、経典などの多くは境内を追われましたが、すべてを焼き捨てるような過激な神仏分離は、必ずしもあらゆる村々で行われたわけではありません。それぞれの村の事情に応じて解決法が模索された場合もすくなくなかったのです。
 本展では、栗東市内を中心とする地域の、神にゆかりをもつ仏像を紹介します。かつて、神とほとけが渾然一体となった世界観のなかで育まれてきた進行やその造形に触れ、また明治初頭の村々における仏像や仏具の扱いをめぐる葛藤やその対応などについてもあわせて考えたいと思います。

関連行事
歴史フォーラム「地域で守り伝える文化財」

日時:6月18日(土) 午後13時30分〜16時15分
会場:栗東歴史民俗博物館 研修室
参加費:無料(ただし入館料が必要です)
定員:100名 先着順(要申込) 
申し込み先:栗東歴史民俗博物館 電話(077-554-2733)もしくは、E-mail([email protected])にてお申込みください。ただし、メールでの申込みには必ず参加者氏名(要ふりがな)を明記してください。

詳しい内容はこちら

※同日午前11時から30分程度、同時開催中の特別陳列「近江湖南と蓮如」の展示解説会を開催します。

出品目録

1.熊野神社の諸像
1 熊野神社本地仏 9躯 熊野神社 草津市
2.神仏分離と村々の対応
2 千手観音立像 1躯 安楽寺 守山市
3 毘沙門天立像 1躯 西遊寺 草津市
4 毘沙門天立像 1躯 西遊寺 草津市
5 不動明王三尊像 3躯 綣自治会 栗東市
6 阿弥陀如来坐像 1躯 佛眼寺 栗東市
7 毘沙門天立像 1躯 高野神社(松源院) 栗東市
8 十一面観音立像 1躯 大野神社 栗東市
9 地蔵菩薩立像 1躯 浄西寺 栗東市
10 十一面観音立像 1躯 円満寺 近江八幡市
11 天部立像 1躯 春日神社 東近江市
12 鰐口 1口 大野神社 栗東市
13 梵鐘 1口 大宝神社 栗東市
3.天照仏と金勝谷の諸像
14 木造阿弥陀如来立像(天照仏) 1躯 阿弥陀寺 栗東市
15 法然上人版木 1面 阿弥陀寺 栗東市
16 湖東三僧伝 1冊 個人蔵 栗東市
17 周誉珠琳書状 1幅 阿弥陀寺 栗東市
18 織田信長朱印状(複製) 1幅 館蔵(原品 浄厳院) (安土町)
19 薬師如来坐像 1躯 善勝寺 栗東市
20 日光菩薩立像 1躯 善勝寺 栗東市
21 月光菩薩立像 1躯 善勝寺 栗東市
22 薬師如来坐像 1躯 成谷寺 栗東市
23 地蔵菩薩半跏像 1躯 成谷寺 栗東市
24 広目天立像 1躯 大通寺保存会 栗東市
25 四天王立像 2躯 金勝寺 栗東市

◎は重要文化財、△は都道府県指定文化財、□は市町村指定文化財を表します。
会場の都合により、陳列の順序とは異なります。

国際博物館の日について

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