テーマ展
平和のいしずえ 2003

会期:8月1日(金)〜8月31日(日)



 栗東歴史民俗博物館では、栗東市の「心をつなぐふるさと栗東」平和都市宣言をうけて、平成3年度から毎年、戦争と平和をテーマに「平和のいしずえ」展を開いてきました。この展覧会は、市内外の所蔵者よりご提供いただいた貴重な資料を通じ、近代以降の戦争の歴史と戦時下の生活を再現することで、地域の視点から平和について考えようとするものです。
 昭和10年(1935)、国は義務教育を終えた勤労青年を対象に、青年学校という教育機関を設けました。青年学校は、本来国語や数学などの普通学科や修身、公民などの教科も教えることになっていながら、軍事教練に重きが置かれ、まるで「軍隊の予備校」のようであったといわれます。このような青年学校の在り方は、昭和12年の日中戦争、昭和16年の太平洋戦争の開戦により、さらに強調されていきました。戦後、新しい教育制度のなかに青年学校は引き継がれることがなかったため、その存在は忘れられつつあります。今年は青年と戦場を結んでいた、この青年学校に改めてスポットを当てることで、戦時下の若者と戦争との関わりについて明らかにしたいと思います。そして、この展覧会を新しい時代の「平和のいしずえ」を築く一歩としていただければ幸いです。


●関連行事●
「滋賀の戦争遺跡を訪ねる〜陸軍八日市飛行場と掩体壕(えんたいごう)〜」     →詳細はこちら
8月10日(日)10:00〜16:00                      
講師:中島 隆氏(元八日市市史編さん室員)
定員:35名     参加費:50円(保険料)
※栗東歴史民俗博物館(電話077−554-2733)まで要申込
★終了いたしました。実施記録はこちら。


体験講座「カンタロウを作ろう」 →詳細はこちら
日時:8月24日(日)13:30〜15:30
場所:栗東歴史民俗博物館旧中島家住宅
講師:三浦ひろ子氏   定員:先着50名(申込不要)





▲金勝青年学校教練の様子 

提供:竹村秀夫氏
現在の栗東は、金勝・大宝・葉山・治田の4つの村から成っている。これは金勝村にあった金勝青年学校の教練の様子。教練では行軍の練習も行われ、ときには遠く京都伏見の御陵までも行軍した。生徒の持つ模擬銃の先には銃剣が装着されている。




▲青年学校教練審査会 
提供:竹村秀夫氏
昭和14年12月11日、京都連隊区司令部の主催で滋賀県下の青年学校の教練審査会が草津競馬場で行われた。これはそのとき参加した金勝青年学校の代表生徒10名と指導員。審査会では各青年学校代表が「不動姿勢」「銃剣突刺」「射撃動作」「手榴弾投擲」の競技を競った。




▲青年学校へ通う弟への手紙 
國松英治氏蔵
昭和14年、青年学校が男子に限って義務制になる。手紙を受け取った弟は、小学校卒業後、仕立て屋で働いていたが、義務化にともなって青年学校に通うこととなった。これは、そのことを戦地で知った兄が送った手紙。「四月から青年学校とわ結構です。うんと勉強しなさい。兄さんも今こうかいしています。」と記している。


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栗 東 歴 史 民 俗 博 物 館
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