【平成23年度の展覧会】

◎通史展示◎
◆「栗東の歴史と民俗」

◎特集展示など◎

◆小地域展「下鈎の歴史と文化 
会期:3月5日(土)〜4月17日(日)
栗東歴史民俗博物館では平成12年度から毎年度、市内のひとつの大字を取上げ、その歴史と文化を紹介する展覧会を開催してきました。平成22年度は旧治田村から、葉山川の北側に位置し、地域内を中山道が通る下鈎地区を取り上げます。
鈎という地名は、「曲」の意味で、川の蛇行などの自然地形に由来するという見解もありますが、勾連という氏との繋がりが考えられており、七世紀後半にまで溯ると推測することができます。
下鈎を中心とした下鈎遺跡では、弥生時代中期から後期の集落跡が発見されており、古くから人々が集住していたことが知られています。中世には、鈎荘の荘域であったと考えられており、後に上下に分かれ、今日の上鈎と下鈎に繋がっています。
中山道沿いに位置する下鈎村には、江戸時代には糠田井・蓮台寺の二つの枝郷があり、草津宿の助郷となっていました。村内では、青花の栽培が盛んに行われていました。明治時代になると、集落内を湖東鉄道(現在のJR東海道線)や関西鉄道(現在のJR草津線)が通り、交通の要衝として発展していきます。
現在の下鈎は、人口3300人余りを数える栗東市内でも規模の大きな地区です。かつての3つの集落の流れをひく下鈎甲、下鈎乙、下鈎糠田井の3地区に、戦後に開発された湖南平団地、北浦団地も加え、近世以来の景観を受け継ぎつつ栗東市の中でも都市化の進んだ地区ともなっています。
 「下鈎の歴史と文化」では、下鈎の歴史とともに、今日まで続く行事についてご紹介します。

◆収蔵品展 栗東の民具「くらしの中のからくり」
会期:4月29日(金・祝)〜7月18日(月・祝)
江戸時代に登場した「からくり人形」に結集された歯車やバネ、てこなどの「からくり」技術。
その技術は、庶民の暮らしの中から生まれ、長い年月をかけて日常生活の中に取り入れられてきたものでした。
今回の展示では、そうしたユニークな生活の道具を紹介すると共に、実際に手を触れ、動かしてみる機会を提供することによって、その技術を体感していただくことをも目的とします。
                                     展示解説⇒5月18日(水曜日)@10時半〜 A14時〜 ※国際博物館の日記念事業


♪RISSミュージアムロビーコンサート4♪
開催日時:5月22日(日)14時(1時間程度)
開かれた博物館を目指す博物館と市民に広く音楽に親しんでもらう主旨の音楽振興会との共催企画コンサート。
平成22年度に3回開催し、ご好評を得たミュージアムロビーコンサートを、平成23年度に4回の開催を企画しています。
平成23年度の第1回目は、若手の声楽家9名による声楽アンサンブルです。博物館ロビー 磨崖仏(複製)前での美しいアカペラの響きをお楽しみ下さい。

◆平和のいしずえ2011−戦地からの手紙−
会期:7月30日(土)〜9月4日(日)
栗東歴史民俗博物館では、栗東市の「心をつなぐふるさと栗東」平和都市宣言をうけて、平成2年度から戦争と平和をテーマとする「平和のいしずえ」展を開催してきました。これは市内外の所蔵者の方々からご提供いただいた貴重な資料を通じ、近代以降の戦争の歴史と戦時下の生活を再現することで、地域の視点から平和について考えようとするものです。今年は、戦地と内地をつないだ書簡を中心に、軍隊生活とそれを支えた地域の活動に焦点を当てます。

関連行事:博物館講座「かまどめしを炊こう!!」特別献立バージョン2戦時食「カンタロウと大根菜飯」(8月20日土曜日) 詳しくはこちら

♪RISSミュージアムロビーコンサート5♪
開催日時:8月7日(日)14時(1時間程度)
開かれた博物館を目指す博物館と市民に広く音楽に親しんでもらう主旨の音楽振興会との共催企画コンサート。
平成22年度に3回開催し、ご好評を得たミュージアムロビーコンサートを、平成23年度に4回の開催を企画しています。
平成23年度の第2回目は、さきらジュニアオーケストラ・アカデミーによる室内楽コンサートです。「感動する心を大切に!」をモットーに、練習に励んできたこどもたちの演奏に、どうぞご期待下さい。

◆栗東の歴史風土をさぐる−金勝寺文化圏の諸像−
会期:9月17日(土)〜10月23日(日)
栗東歴史民俗博物館では、栗東とその周辺地域の歴史と文化について、積極的に調査・研究・資料収集に努めています。その成果は、第1展示室「栗東の歴史と民俗」や特集展示などにおいて順次紹介を行っています。しかし、中には、資料保護のため展示期間を制限しているなどの理由で、平素は展示室に出品していない資料も多くあります。
収蔵品展「栗東の歴史風土をさぐる」では、こうした博物館の収蔵資料を紹介し、栗東の歴史と文化を端的に知っていただくため、美術工芸品を中心に紹介します。

収蔵品展 仏教美術の名品
会期:10月29日(土)〜12月4日(日)
博物館が様々な活動をする上での基盤となるものは、博物館資料です。博物館資料の充実化は、博物館の運営にとって最も重要な課題であり、「栗東の歴史と民俗」を常設展示のテーマとする栗東歴史民俗博物館でも、地域に密着した資料とテーマの掘り起こしに努めています。
 地域の歴史や文化を理解するためには、その地域の中にある資料を掘り起こすだけではなく、異なった地域の資料や作品と比較することも必要となります。開館より20年余を経た当館では、様々な活動を積み重ねる中で、栗東市内だけではなく市外の皆様からもご信頼をいただき、貴重な資料や作品のご寄贈・ご寄託のお申し込みをお受けしてまいりました。
 博物館に収蔵させていただいた様々な資料は、常設展示「栗東の歴史と民俗」や、特集展示などで、折に触れて紹介しておりますが、中には資料保護のため展示期間を制限しているなどの理由で、平素は展示室に展覧していない資料も数多くあります。今回の収蔵品展「仏教美術の名品」では、そのような数多くの博物館収蔵資料の中から、仏教美術に焦点を当てて紹介いたします。
 この収蔵品展を通して、地域の歴史と文化についてご理解を深めていただく一助となれば幸いです。

♪RISSミュージアムロビーコンサート6♪
開催日時:11月6日(日)14時(1時間程度)
開かれた博物館を目指す博物館と市民に広く音楽に親しんでもらう主旨の音楽振興会との共催企画コンサート。
平成22年度に3回開催し、ご好評を得たミュージアムロビーコンサートを、平成23年度に4回の開催を企画しています。
平成23年度の第3回目は、「秋の日のピアノ」と題して開催いたします。連弾とソロをお楽しみ下さい。

◆特集展示「石にみるくらしといのり」
会期:12月17日(土)〜平成24年2月19日(日)
栗東に人々の生活の痕跡がのこる縄文時代前期より、石は生活の中で重要な位置を占めてきました。石のもつ性格を知り、さまざまな生活道具として用いられてきたのです。さらに、石仏や寺院への道のりを示す丁石など、石は信仰とも深くつながってきました。
今回の展示では、栗東歴史民俗博物館で常時行っている、シンボル展示「狛坂磨崖仏」(レプリカ)をはじめとする石造文化財の紹介にあわせて、石と人々の長い歴史をたどります。発掘調査で出土した石製品を中心に紹介することで、自然とともに生きてきた人々の知恵と工夫を知るとともに、愛着を持って使い込まれた道具や、たたずんできた年月の醸し出す美しさを味わっていただければ幸いです。
・関連企画「2010・2011年度栗東市発掘調査成果報告会」

  日時:1月21日(土曜日)13:30〜16:30
  会場:栗東歴史民俗博物館研修室
  主催:栗東市教育委員会、財団法人栗東市体育協会

栗東市内では年間10件程度の埋蔵文化財発掘調査が実施され、近年の調査でも、下鈎遺跡の石杵、下鈎東遺跡の寺院跡、手原遺跡の奈良時代のカマドなど、貴重な発見が相次いでいます。
今回、栗東歴史民俗博物館での特集展示「石にみるくらしといのり」で、考古資料を公開するのに合わせ、発掘調査成果報告会を開催し、2010・2011年 度の発掘調査成果を報告し、土に埋もれた郷土の歴史に興味を深めていただきます。


♪RISSミュージアムロビーコンサート7♪
開催日時:1月22日(日)14時(1時間程度)
開かれた博物館を目指す博物館と市民に広く音楽に親しんでもらう主旨の音楽振興会との共催企画コンサート。
平成22年度に3回開催し、ご好評を得たミュージアムロビーコンサートを、平成23年度に4回の開催を企画しています。
平成24年度の第4回目は、「箏で初春を奏でる」と題して開催いたします。17弦箏の協奏をお楽しみ下さい。

◆第42回 栗東市青少年美術展
会期:1月27日(金)〜29日(日)
会場:栗東歴史民俗博物館研修室
栗東市内の幼稚園、保育園、小学校、中学校、県立聾話学校に在校(在園)する幼児・児童・生徒の図工・美術・書写の作品から、個性あふれる力作が展示されます(展示される作品は、特選作品のみです。)

◆第58回 滋賀県教育美術展(旧:びわこ子ども造形展)
会期:2月15日(水)〜2月19日(日)
会場:栗東歴史民俗博物館研修室

主催:滋賀県美術教育研究会
滋賀県下の幼児・児童・生徒を対象とした、滋賀県教育美術展の特選作品を展示します。

小地域展「東坂の歴史と文化」
会期:平成24年3月3日(土)〜4月15日(日)
栗東歴史民俗博物館では平成12年度から毎年度、市内のひとつの大字を取上げ、その歴史と文化を紹介する展覧会を開催してきました。平成23年度は旧金勝村から、金勝川上流の山麓に位置する東坂地区を取り上げます。
東坂という地名は、金勝寺に登る東側の参道にあたることに由来し、平安時代の金勝寺の寺領を描いたとされる『金勝寺四至絵図』にも、「東坂本」という地名が記されています。永正6年(1509)の年紀を持つ敬恩寺(栗東市荒張)蔵の本尊阿弥陀如来の台座には、「東坂番匠彦六衛門」の墨書が残されており、当地に番匠が居住していたことが知られます。
応永20年(1413)、栗太郡河辺(栗東市川辺)出身の僧隆堯は、当時女人禁制の地であった金勝山から東坂の地に下り、草庵を結びました。文明17年(1485)には、厳誉宗真によって伽藍が整備され、阿弥陀寺と称するようになります。阿弥陀寺は、織田信長が天正6年(1578)に安土の浄厳院を建立するまで、近江の浄土宗の本寺としての地位を占めていました。
江戸時代の東坂村は、石高255石ほどの農村で、石部宿の助郷も担っていました。江戸時代を通じて概ね同じような石高を維持しましたが、宝暦6年(1756)に発生した水害によって、大きな被害を受けたことも伝わっています。
 阿弥陀寺の寺勢は、江戸時代には衰えたものの、開祖隆堯が伊勢神宮に参籠した際に天照大神から賜ったという言い伝えを持つ本尊阿弥陀如来立像は、「天照仏」と呼ばれて信仰を集めました。近代に入ると、地域の景勝地を顕彰する動きの中で、阿弥陀寺も風光明媚な地として脚光を浴びるようになります。小地域展「東坂の歴史と文化」では、東坂地区の歴史や、今日まで続く民俗行事についてご紹介します。今回の展示が、皆さまに郷土の歴史を知っていただく機会となれば幸いです。


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